
有給休暇を1日消化するごとにボーナスが1万円減らされる。このような職場で働きたいと思う人はいるでしょうか。10日取得したら、ボーナス10万円減ですからね。
これを嬉しいと感じる人はおそらくいないはず。有給休暇を使わせないようにする嫌がらせのように感じますよね。
有給休暇を積極的に取得しているとボーナスが減額され、逆に、有給休暇を使わないとボーナスが減額されずに支給される。この仕組みにより皆勤を奨励している。
皆勤を奨励することそのものはいいのですが、手段は工夫する必要がありますね。
年次有給休暇を取得したことで不利益な扱いはできません。そのため、年次有給休暇を取得したらボーナスが減る賞与制度はだめなのですね。
労働基準法 附則
136条 使用者は、第三十九条第一項から第四項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。
ボーナスの減額がされるとなると、有給休暇を取得せずに出勤しようと思う人はいるはずです。しかし、ボーナスをいわば人質にして有給休暇を取得しにくいようにするのは、なかなか卑劣な方法です。
ボーナスの支給条件や支給額の計算方法が就業規則や賞与規定でキチンと決まっているならば、恣意的な判断が入りにくいので、今回のようなトラブルも起こりにくくなります。しかし、ボーナスの支給条件や計算方法がハッキリしない会社だと、今回のように、有給休暇を利用している人はボーナスを減額するという処理ができてしまいます。
毎月の給与は変動させにくいのですが、賞与ならば会社の裁量で調整しやすいです。そのため、給与と賞与では位置づけが異なり、賞与を人件費の調整弁のように使っている会社だと、毎月の給与は少ないがボーナスが多いという傾向があります。さらに、賞与の支給条件も計算方法も企業の裁量で決定できます。
そのため、企業側が設定した条件を満たさない場合や、減額する条件に当てはまると、不支給になったり減額されたりします。例えば、賞与の計算期間に在籍していたものの、支給日には在籍していなければ賞与が支給されないルールを決めている会社があります。在籍した計算期間に相当する賞与は受け取れるべきとも思えますが、賞与規定や就業規則で支給日在籍を要件にしていると、賞与は不支給になります。
他にも、遅刻が多い人、早退することが多い人、残業が多い人などが賞与の減額対象になる場合も考えられます。
イヤラシイ労務管理をしていると、徐々に人が企業から離れていき、行く末はブラック企業と言われ、会社そのものが消えてしまうでしょうから、「自分がやられてイヤなことはしない」のが労務管理の基本です。
人の感情をどう心地よいものにするか。働きがいと働きやすさは感情で決まるものですから、人間の気持ちに合わせる工夫が労務管理ではキモになりますね。
年次有給休暇の取得率が高い人は、むしろ賞与の加算要素にするのが正しい仕組みです。取得率90%以上ならば、賞与のポイントでプラスになり、支給額が増える。これならば働きがいがありますし、いい気分で仕事ができて、会社も数字が良くなります。
皆勤を奨励するならば、半年ごとの賞与査定で加算要素に含めるといいでしょう。年次有給休暇の取得とは関連させずに。半年間、無欠勤ならば賞与のポイントがプラス。毎月ではなく半年で、という点がミソですね。もしくは。1年間で無欠勤かどうかを判定する条件にするのもいいですね。
工夫次第で、人の感情を盛り上げることもあれば、人から嫌われる職場にもなりますね。気持ちや感情にあった職場にするように人事労務管理の環境を作っていくと良い結果になります。