2013/1/21【主婦年金と主夫年金。】



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スポーツクラブに行くと、有酸素運動ができるエアロバイクやトレッドミルがあるけれども、あれらの機械は自家発電式のものがあって、利用者がペダルを漕いだりして動かさないと電源が入らないものがある。ランニングマシーンやウォーキングマシンはさすがに自分では動かせないけれども、エアロバイクは自家発電式のものが主流のはず。

自家発電ということは、ペダルを漕ぐと電気が発生するのだから、その電気で携帯電話を充電できるようにしたらいいんじゃないか。

エアロバイクでスマートフォンを充電できるようになれば、運動しながら携帯電話の充電もできるのだから、一石二鳥だ。頻繁に携帯電話を使う人は電池も減りやすいだろうから、こういう仕組みのエクササイズマシンがあれば、人気が出るんじゃないかと思う。

さらに、スポーツクラブに行く動機にもなるので、月会費もムダになりにくくなるかもしれない。小さな動機だけれども。

実際に、エアロバイクを漕ぎながら、ケータイの画面を見ている人もいるので、充電しながら運動もできるのは便利だろう。


自家発電だから電気代は必要ないので、クラブ側には損はない。また、利用者は充電しながら運動もできるのだから都合がいい。ただ、携帯電話に電気を取られて、マシンが正常に動かなくなる可能性もあるので、その点はマシンに優先的に電気を配分するように調整しないといけないかもしれない。また、不安定な電気で充電すると、携帯電話が壊れやすくなるという可能性もある。もちろん、これは実際にやってみないと分からないことだけれども。

エクササイズマシンを作っている会社は、ケータイを充電できるケーブルやUSBソケットなどをマシンに設けるといいんじゃないだろうか。






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主婦年金と主夫年金。
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3号被保険者=女性とは限らない。


国民年金には3つの被保険者種別があり、それぞれ1号被保険者(以下、1号と表記する場合がある)、2号被保険者(以下、2号と表記する場合がある)、3号被保険者(以下、3号と表記する場合がある)と分かれています。この点はご存じの方も多いかと思います。単独で国民年金に加入する人は1号、会社員の人は2号、会社員の配偶者は3号に分かれています。

去年2011年3月頃に、国民年金の運用3号制度がニュースに出てきてチョットだけ話題になりましたが、その直後に3.11の地震が起こり、災害以外のニュースがテレビや新聞でも出てきにくくなりましたので、運用3号制度についてはあまり報道されることなく過ごされてしまった感があります。

運用3号とは、会社員の配偶者出なくなった人が3号から1号に切り替えるところを手続きをせずに、そのまま3号のままで国民年金に加入していた人をフォローするために設けられた取り扱いです。本来は1号となるところをそのまま3号のままだと思って手続きしなかったのですから、本来は保険料の未払い状態になってしまうはず。しかし、手続きを忘れただけでそのまま未払い状態になり、後になって気づいても時効で保険料を納付できない期間も生じるので、運用3号の仕組みでもって保険料を納付して国民年金に加入していたものとして扱うようにしたわけです。

平成23年の1月1日から運用3号の取り扱いが実施されたものの、物議を醸すことになり、2月24日には取り扱いを保留し始め、3月に入ると取り扱いを廃止しています。平成21年の終わりごろぐらいから対処を検討し、22年3月の段階で運用3号の取り扱いを決めているようで、1年程度の期間で準備を進めていたのでしょうね。

なぜ運用3号の取り扱いが物議を醸すかというと、1号に切り替わるところをそのまま3号であると思って手続きをしない人を、国民年金の保険料を納付したものとして扱ったのがその理由です。手続き漏れの期間をいわゆるカラ期間(加入期間だけ反映し、年金額には反映しない期間のこと)として扱うだけならばさほど問題にはならなかったのかもしれませんが、保険料を納付して加入していた期間として扱ったため、3号から1号への手続きをキチンと行った人との均衡を保てなくなったのです。

そこで、平成23年の11月22日に「主婦年金追納法案」が179回国会に提出され、まだ2012年1月5日の段階では成立していないのですが(第179回国会での内閣提出法律案 http://www.clb.go.jp/contents/diet_179/law_179.html 閣法番号15 国民年金法の一部を改正する法律案 にはまだ成立の星印が付いていません)、この法案は「主婦年金」と書かれていますが、必ずしも主婦限定のものではありません。国民年金の3号被保険者というと、パートのおばちゃんを思い浮かべますが、年金加入者のデータを見ると女性だけが3号被保険者というわけではないのが分かります。

平成22年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001xz56-att/2r9852000001xz6n.pdf

上記のファイルを見ると、平成22年度の時点では3号被保険者は1,005万人います(2ページの図1より)。さらに、3ページ目の表1で3号被保険者の内訳が書かれており、女性の3号被保険者が993万人、男性の3号被保険者が11万人です。つまり11万人の男性の3号被保険者がいるのですね。退職して会社員の妻の扶養になっているパターン、妻が会社員で夫が専業主夫というパターン、夫が退職した後に妻がパートタイムとして社会保険に加入し、夫を扶養に入れているパターンなどが考えられます。おばちゃんだけが3号被保険者というわけではないのですね。




運用3号で影響が出るのは0.2%の人。


3号から1号への切り替え手続きをなぜ忘れるのかを考えてみると、「自分自身は何も手続きをしなくてもいいだろう」と感じてしまうからではないでしょうか。つまり、夫が会社員で妻が3号被保険者として生活しているとして、何らかの理由で夫が退職すると妻は3号被保険者から1号被保険者に切り替わるのですが、妻自身は何も環境が変わっていません。妻が退職するわけではないので、自分自身は何も変わったことが起こっていないのだから何も手続きをしなくてもいいんじゃないかと思ってしまいがちなのでしょうね。それゆえ、3号から1号への切り替え手続きが行われず、そのまま3号被保険者として取り扱われ続けたという流れです。

自分自身に何かイベントが発生すれば、「あぁ、何か手続きらしいことをしなくちゃいけないんじゃないか」と思うはずです。しかし、配偶者である夫や妻にイベントが発生したとして、「自分自身に関して何かやらなくちゃいけないんじゃないか」と思うには、公的保険の手続きに詳しい人でないと難しい所があるのではないでしょうか。以前も同じような手続きをしたことがあるとか、どこかの会社なり組織で事務手続きを経験したことがあるとか、市役所や年金事務所で働いたことがあるとか、何らかの気付くきっかけがないと行動を起こしにくいでしょうね。年金は難しいというイメージもあって、自分ではなるべく手続きをせずに、会社や行政窓口におんぶに抱っこの状態になっていると、被保険者種別の切り替えが漏れるのも無理のないことなのかもしれない。

余談ですが、3号から1号に切り替わるのを避けたいならば、会社員の夫が退職したら、妻が会社にフルタイムであれパートタイムであれ、社会保険に加入する形態で働くのもいいかもしれない。妻が特に何もなければ、夫が2号から1号に変わるので、妻は3号から1号に変わる。もし、夫が退職するタイミングで妻がどこかの会社に勤務して社会保険に加入すると、妻は3号から1号ではなく、3号から2号へ変わります。さらに、夫が妻の扶養に入るとすると、夫は2号から1号ではなく、2号から3号に変わる。つまり、夫婦がバトンタッチするように、妻が働きに出て社会保険に加入するのもいいかもしれない。フルタイム勤務ではなくパートタイムであっても、週30時間を超える雇用契約ですと社会保険に加入するはずです。

もちろん、上記の例は夫と妻を入れ替えて読み替えることも可能です。先ほど書いたように、3号被保険者は女性限定ではないので、妻が会社員で夫がパートタイムや専業主夫という組み合わせもあり得ます。


主婦年金追納法案について 平成23年11月22日 厚生労働省年金局
http://www.soumu.go.jp/main_content/000136510.pdf

上記のファイルを見ると、3号被保険者制度ができた昭和61年以降、3号から1号へ切り替えた人は1.913万人で、本来は3号から1号に切り替えているはずの不整合な記録を持っている人が97.4万人います。さらに、97.4万人のうち、年金に影響がある不成功記録を持っている人は47.5万人です。

47.5万人の中には、既に年金を受け取っている受給者と年金制度には加入しているものの、まだ年金を受け取る段階には至っていない人が混ざっています。被保険者は現時点では制度に加入しているものの年金を受け取っていない状態なので、記録が修正されたとしてもすぐに今の生活に影響するわけではない。となると、焦点は5.3万人の受給者ではないかと思います。不整合記録を訂正すると、年金の加入期間はそのまま変動しませんが、年金の額は変動しますので、偶数月に受け取っている年金の額が変わるはずです。

すぐに影響があるのは、5.3万人 / 1,913万人 = 0.2で、全体の0.2%の人たちのために主婦年金追納法案を作成したといっても言い過ぎではないかもしれません。もちろん、今の時点で年金を受給していない被保険者にも影響は出るのですが、将来の時点の年金額が変動するのであって今何かすぐに影響が出るものではないので、感覚では「あぁ、そうなんですか」と感じるかもしれない。例えるならば、半年後の賞与が3万円減るよりも、来月の給与が3万円減るほうが心理的な影響は大きいはずです。

不整合記録が最も長い人だと、224月ということですから、19年弱ほど不整合のままだったと考えられます。19年弱の期間となると、老齢基礎年金の月額に換算すると4万円から5万円程度になるはずです。ただ、減額調整は受給していた年金額の10%を上限とするようですので、月額60,000円の人を減額調整したとしても、減額される月額は6,000円までということなのでしょうね。

『不整合記録を有する年金受給者の不整合記録の開始年度別状況』のページを見ると、最も人数が多いところが昭和61年となっていて、3号制度ができた昭和61年の時点で既に不整合が開始されていたということでしょうか。制度ができたばかりで、昭和61年の5月に1号から3号に切り替わり、昭和61年の8月に会社員である夫なり妻が退職し、また3号から1号に戻った人がいたとすれば、この人はおそらく手続き漏れをしているのではないでしょうか。制度ができた年に被保険者の種別を切り替え、さらに配偶者が退職し、またもとの種別に戻るというプロセスが1年の間で発生しているので、訳もわからないままそのままになったとも想像できます。



年金問題は行政の責任という責任転嫁。


新聞やニュースでは、行政の案内が不十分だったから3号から1号へ被保険者種別の切り替えができなかったと報道される傾向にあります。何かトラブルが起こるとどこかの企業や組織、行政機関へ責任転嫁しようという風潮がありますけれども、何か一方的な感がします。

『不整合記録を有する年金受給者の不整合記録の開始年度別状況』の(注3)を読むと、勧奨の取り組みについて書いています。昭和63年以降は種別の切り替えを勧奨していたようで、平成2年以降は低水準で抑えています。平成元年と平成9年が気になりますけれども。

さらに、平成10年以降は本人の周辺情報を集めて勧奨しているし、平成17年以降には職権での種別変更も実施している。平成20年度以降は0人になっています。

種別変更程度の作業で何か強制的に執行するわけにもいかないので、上記のような勧奨を行なっていれば(勧奨の内容が不明ですが)、行政側が周知努力を怠っていたとは必ずしも言えないのではないでしょうか。

年金関連で何かが起こると、行政側の落ち度が強調されやすいけれども、それほど一方的なものではないのではと思います。

3号から1号へ切り替えた人はザックリと1,913万人いて、不整合な記録がある人は97.4万人ですので、97.4 / 1,913 ≒ 5.09%となる。約95%の人はキチンと種別を切り替える手続きをしているのですから、行政ではなく本人の責任としても良いような気もします。

加入者側も、年金は自分の貯金ですから、自分で監督しておく必要があります。よく分からないので「会社がチャンとやってくれている」とか、「市役所や年金事務所がチャンとやってくれてる」と思わずに、自分のオカネは自分で管理するように感心を持たれたほうがよいかもしれません。




(今回のメルマガで参考にした資料)

平成22年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001xz56-att/2r9852000001xz6n.pdf

小宮山大臣閣議後記者会見概要
http://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/2r9852000001w1u6.html

主婦年金追納法案について
平成23年11月22日 厚生労働省年金局
http://www.soumu.go.jp/main_content/000136510.pdf

第179回国会での内閣提出法律案
http://www.clb.go.jp/contents/diet_179/law_179.html

厚生労働省が今国会に提出した法律案について
“第179回国会(臨時会)提出法律案”
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/179.html




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