book461(通勤ルートが複数あるときの選択)




■通勤経路の選択。



会社に勤めていると通勤費が支給されることが多いかと思います。全額支給が多いですが、一部支給や上限額を設定して支給など、パターンは何種類かあるはずです。

通勤費を請求するときは、通勤経路を会社に申告するはずですが、この際に申告する内容で疑問が生じる場合があります。

交通インフラがさほど発達していない場所だと、通勤手段の選択肢がさほど多く無いので、通勤経路や選択する通勤手段によって違いはあまりないかもしれません。しかし、都市部の場合、選択できる交通手段が多いので、徒歩で来る人もいれば自転車で会社に来る人もいるでしょう。もちろん、電車やバスで通勤する人もいる。

となると、人によっては選択する通勤ルートが複数あって、所要時間や利便性、費用に違いがあるかもしれません。

そこで、選択する通勤手段によって費用に違いが出るとき、会社はより安価な選択肢を選ぶように勧めることは可能でしょうか。






■どれを選択するかどうかは当事者で決める。



一般に、通勤交通費は、合理的な経路で計算し、その計算に基づいて支給しているはず。

しかし、この場合の「合理的」という言葉の定義は意外と曖昧で、何をもって合理的と判断しているのか不明朗なところがありますよね。


最短経路で通勤すれば合理的なのか。それとも、最安経路で通勤すれば合理的なのか。または、最短かつ最安経路で通勤すれば合理的なのか。はたまた通勤する人が合理的と判断すればそれで合理的なのか。

要するに、「合理的」と判断する基準は何かが分からないのですね。にもかかわらず、「合理的な経路、、、」と言われても困っちゃいますよね。


今回の場合、より合理的な経路(より安価な交通手段)があるときに、その経路に変更するように求めることはできるかどうかが問題ですが、求めること自体は可能でしょうね。「小田急線から来るんだったら、ここで中央線に乗り換えるほうがリーズナブルでしょう?」という感じで電車で通勤する社員さんにオススメすることはあり得ることです。

しかし、何をもって合理的とするのかが定かではないし、もし選択肢によっては費用に差があるとしても、その差は微々たるものではないかと思います。鉄道会社は同業者同士で、バス会社も同業者同士で競争していますから、どの経路を選択するかによってさほどの違いがあるとは考えにくいですよね。大阪でも、モノレールのような特殊な電車を除き、どの鉄道会社もリーズナブルな運賃で輸送サービスを提供しています。

複数の選択肢があるということは、交通インフラが充実しているということ。ということは、どの経路もほぼ同じような費用が発生するし、ほぼ同じような移動時間が必要なはず。

また、通勤では本人の利便性も考える必要があるかもしれない。この経路よりも、こちらの経路のほうが移動がしやすく、人も少ないので都合がいいという場面もあるでしょう。安い、時間が短いという判断基準も必要だが、通勤でわざと遠回りする人もいないはず。

距離にしろ費用にしろ、ある程度は誤差の範囲と考えないと、些細なことに多くの時間を費やすことになるかもしれませんね。


山口正博 社会保険労務士事務所
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