「辞めるんなら、代わりの人を連れてこい」という要求を通す方法。

 


辞めたくても辞められない。


言われた経験がある人も少なくないのでは?

「あぁ、辞めるのね。分かった。だったら、代わりの人を連れてきて」と言われる。

1人辞めるのだから、1人分だけ人数が足りなくなる。だから、バトンタッチするように代わりの人を連れてきてくれというわけ。

これは会社側の都合ですけれども、確かにそう言いたい気持ちも分かります。


辞める側の気持ちとしては、「代わりの人を連れてこないと辞めれないの?」と思ってしまうのですが、そんなことはありません。仕事を辞めることと代わりの人を連れてくることは別の話ですから、両者は関連付けられていません。

ここで、「そんなものは無視すればいい」、「代わりの人を連れてくる義務はない。そのまま辞めて良し」とアドバイスする人もいます。

まぁ、確かにそうなんですが、何だか芸がないんですよ。相手の都合なんて知ったことか、というスタンス。お互いにトゲトゲした感じで退職するのって、何だかイヤですよね。

なるべくホンワカと、ニコニコと、仕事を辞めたいもの。ケンカ別れのような終わり方だと、気分がよろしくない。そうでしょ?


会社としては、欠けた人員を早く補充したい。だから、「辞めるときに代わりの人を連れてきて」と言う。

一方、辞める側としては、代わりの人を連れてくるなんていう条件を付けないで欲しい。スッと辞めさせて欲しい。そう思っているわけです。

じゃあ、どうやってこの問題を解決するか。

考えてみましょう。

 

 


新しい人を連れてきたら、10,000円あげる。


何の見返りもなく、代わりの人を連れてこいと要求するからゴタゴタするんです。

何らかの「ニンジン」があれば、喜んで新しい人を連れてきます。人間とはそういう生き物です。つまり、代わりの人を連れてきてほしければ、「ニンジン」をよこせ、というわけ。

ニンジンといっても、野菜のニンジンを渡してもダメですよ。馬じゃないんだから。


具体的にどうするのかというと、「スタッフ紹介制度」というものを作ります。

スタッフ紹介制度というのは、新しく働いてくれる人を連れてきたら、紹介料を貰えますよ、という仕組みです。


一例として、

新しい人を1人連れてくると、その時点で1,000円貰える。
新しく入った人が3ヶ月後も在職していれば3,000円貰える。
さらに6ヶ月後も在職していれば6,000円貰える。

これを紹介者と紹介された方、両方に出す。

1人あたり最大で10,000円。2人だと最大20,000円。


6ヶ月も続ければ、そう簡単には辞めませんから、6ヶ月をゴールにします。

採用時、3ヶ月経過時、6ヶ月時点、この3時点で分割して支給するようになっていますが、他の方法もアリです。

採用時と3ヶ月時点では紹介料を支払わず、6か月時点で、紹介者と紹介された方に10,000円ずつ渡す。こういう形でもいい。

紹介した人が途中で辞めた場合も紹介料は出ないようにすれば、紹介者に新人教育までやってもらえます。辞める直前に新しい人を連れてくるのではなく、半年ぐらい前に新しい人を連れてきてくれるから、いざ辞める段階になっても困らない。


求人広告を出せば、おそらく20,000円よりも多くのお金が必要になるでしょう。広告費を投じても応募がない可能性がありますし、応募してきても採用しない可能性もあります。

一方、紹介制ならば、会社なりお店にいるスタッフにお金を渡すため、広告費としてお金が外に出ていくのではなく、直接に人へ渡せます。広告費だったら、スタッフは1円も貰えません。

途中で辞められてしまうと、紹介料を受け取れない(成果報酬)ですから、新しく入った人がちゃんと仕事を続けられるように紹介者も努力します。


求人広告にお金を捨てるよりも、紹介者と紹介された人にお金を渡す方が確実に人を採用できます。さらに、成果型だから会社は損しないし、紹介した人もされた人も嬉しい。


このような紹介料を貰えるとなれば、積極的に人を連れてきます。会社側が放っておいても新しい人を紹介してくれるのですから、これはラクです。


何の見返りもなく、タダで人に何かしろというのは虫が良すぎます。何の見返りも無く新しい人を連れてこいと言われても、その気になれない。こりゃあ、もうウザいだけ。

紹介料のようなインセンティブを用意しているならば、「辞める前に変わりの人を連れてきて」と言いやすいし、言われた方も受け入れやすい。


人はインセンティブに反応する生き物です。

  • 割り引き
  • 値引き
  • クーポン
  • 紹介料
  • おまけ
  • プレゼント
  • キャンペーン

これらはいずれもインセンティブです。


人材募集にも紹介制度を導入すれば、退職段階でゴタゴタする可能性を減らせるでしょうね。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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