2009/2/28【罰金(減給制裁)の程度(金額)はどう決めるか】

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こんにちは。山口社会保険労務士事務所の山口正博です。


このレポートは、定期的に、コラム形式で、
労務管理に役立つ内容を配信するレポートです。

興味本位で読むのもよし。
就業規則を作る前に読むのもよし。
つまみ食い感覚(?)で読むのもよし、です。

どうぞ、ご自由にご活用下さい。


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今日のTOPIC
1: 罰金(減給制裁)の程度(金額)はどう決めるか。
>>>少なすぎても多すぎても使えない。

2: 編集後記

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■■  罰金(減給制裁)の程度(金額)はどう決めるか。
■■  少なすぎても多すぎても使えない。
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■労働基準法91条だけでは解決できない。



ご存知の通り、労働基準法の91条には減給制裁に
ついて書かれています。


(制裁規定の制限)

【第91条】 
就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合に
おいては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の
半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の
10分の1を超えてはならない。



減給制裁というのは、遅刻や早退で減給するというのが
一般的な使い方でしょうか。

数ある懲戒処分の方法の1つですね。




ただ、91条の内容を単純に考えると、日給1万円の人ならば、
1回の遅刻で5,000円の減給制裁もできてしまいますよね
(1日分の半額で5,000円ですから)。



そこで、例えば、

5分だけ遅刻をしてしまって、減給が5,000円だったら、、、

、。



こんなことも可能と言えば可能です。


しかし、「やり過ぎ」ではないかと感じますよね。

けれども、「法的には間違っていない」判断なんですよね。




中には、法的には許されるのだろうけど、どうしても
納得できない減給制裁というものもあるかもしれません。



5分の遅刻で5,000円の減給というのもその中に含まれる
のでしょう。


社員トイレを流さなかったから1,000円の罰金とか。
便座が上がったままだったから1,000円の罰金とか。



法的には妥当な減給でも、常識的に納得できない
減給制裁もあるでしょうね。








■制裁対象の行為と金額のバランスは「常識」で決める。


減給制裁の金額を決めるために、労働基準法91条しか
根拠が無いとなれば、もう「常識」を働かすしかありません。


過去の判例などから決めるというのも1つの方法ですが、
判例の減給制裁が根拠になるというわけでもないでしょう。

となると、必ずしも判例も参考にはならない。



言ってしまえば、金額の妥当性など本当は誰にも分かりません。



例えば、交通違反金の金額も、「法律で決まっているから
この金額なんです」としか言えませんよね。

金額の根拠を警察官に聞いても、皆さん困ってしまうはずです。




実際の現場では、遅刻で減給制裁するとすれば、1回で
15分や30分の減給ぐらいが妥当です(これも経験則に
基づいています)。



日給1万円で8時間勤務ならば、時給に換算すると、
1,250円です。

その人が遅刻して30分の減給制裁ならば、625円と
なります。



確かに、金額としては僅かですが、減給された人は結構
イヤな感覚になるはずです。


1回の遅刻でほぼ昼食1回分の給与(625円。日替わり定食
ぐらいにはなるでしょうか)が消えるわけですから、「もう
遅刻しない」と考えるのではないでしょうか。



「生活に影響が出るほどではないけれども、イヤな気分には
なる」という水準が減給制裁の金額としては妥当な水準では
ないかと私は考えています。


減給制裁は懲戒対象になる行為を戒めるのが目的ですから、
生活を不安定にさせるほどの減給ではなく、「もうやめて
おこう」と思えるほどの金額であれば足りますよね。







■給与を減らすのが目的ではない。


実際に減給制裁の場面になって、「ようし!給与を減らすぞ!」
と意気込んでもらっては困ります。


減給制裁の趣旨は、【減給という手段で、制裁対象となる行為
を戒めて、再度起こらないようにする】点にあります。


決して、給与を減らすのが目的ではありません。



法律で減給制裁の客観的な水準が決まっていないので、
「一体、いくら減給すれば良いのか、、、」と悩むのは
分かります。


「勝手に減給水準を決めて、後からトラブルになるのも
困るしなぁ、、、」とも感じるでしょうね。



しかし、労務管理の場面では、会社が独自に決めなければ
いけないことも少なくありません。


減給の金額だけでなく、どんな行為が懲戒対象になるのかも
会社が独自に決めないといけない部分です。


就業規則でも、懲戒の部分はやけにボリュームが多くなって
いるはずです。


「生活に影響が出るほどではないけれども、イヤな気分にはなる」
という水準で減給制裁を行えば、ベストではないにしても妥当な
制度になるのではないかと私は考えています(もちろん、もっと
良い方法があるかもしれませんが、、、)。








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>>編集後記


有給休暇というのは、退職時や時効消滅時には金銭で買い取る
ことが可能です。


ところが、この話を聞いた人の中には、「買い取りは当然の
権利だ」と誤解される方もいらっしゃいます。



しかし、一般に、休暇の買い取りは会社の任意(好意?)で
行われることです。


会社が買い取っても良いと言えば、買い取ってもらえますし、
拒否されれば買い取ってもらえません。

もちろん、社員さんが会社に買取りを強要するなどもっての
ほかです。



私の知る限りでは、休暇を買い取る会社には出会ったことが
ありません。


退職後に休暇を一気に消化してしまう(退職日以後に有給休暇
を連続消化する)ようにする会社はありますが、買取りまでする
ことはありません。



社員さんの「権利」には、会社は「義務」で応じるべきですが、
権利でなければ義務で応じることもありませんからね。

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