2009/1/21【「時間数=成果」と考えてしまうのが労働基準法】




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こんにちは。山口社会保険労務士事務所の山口正博です。



このレポートは、定期的に、コラム形式で、
労務管理に役立つ内容を配信するレポートです。

興味本位で読むのもよし。
就業規則を作る前に読むのもよし。
つまみ食い感覚(?)で読むのもよし、です。

どうぞ、ご自由にご活用下さい。


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今日のTOPIC
1: 「時間数=成果」と考えてしまうのが労働基準法
>>>いつでも「時間」を基準に考えてしまうという欠点

2: 編集後記

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■■  「時間数=成果」と考えてしまうのが労働基準法
■■  いつでも時間を基準に考えてしまうという欠点
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■時間数と成果は連動しないのが普通です。


日給制や時給制というのは、本来ならば「異常な給与体系」です。


給与というのは、売り上げがあって、原価を除いた粗利益が
出て、そこに労働分配率を加味して出てくるものですよね。


まず給与があるのではなく、まず売り上げや利益があるはずです。

「無い袖は振れない」のですから、当然ですよね。



1時間、特に仕事がなく、手待ち状態で過ごしても給与が
あるのが時給制ですよね。


確かに、「時間拘束しているから給与は支払うべき」とも
言えますが、「普通の感覚からしておかしい」と感じます。



「企業は社員の生活給を保障しなければいけない」

これは労働法が求めることなのですが、「元がないから払えない」
という価値判断とは相容れないところです。



営業、企画、経営、コンサルタント、などなど。

今では、「時間数≠成果」である職業も増えています。




確かに、「社員の生活保障」とか「雇用主の責任」という
ことも考えないといけないのは分かります。


そうは言っても、時間基準で判断する労働基準法の「歪み」
を感じざるを得ません。







■社員自身が保護を拒否する時。



一般に、「労働基準法は労働者保護法である」と理解されて
います。

つまり、労働者は弱い存在であって、保護してあげなければ
いけないという考え(もしくは、前提)に基づいています。

しかし、その保護が「ありがた迷惑」になることもあるのです。



例えば、外資系の投資銀行や戦略系コンサルティング会社で
働いた人ならば、「時間外手当は年俸に含む」という理解が
通常です。



そこで、その人たちに対して、時間外手当を支払うと会社が
決めると、


「時間外手当をきっちり払うとなると、作業内容や離席と
いった細かい事まで監視されるようになってしまう。ならば、
手当は要らない」とか、

「毎月の時間外手当として払うのではなく、ボーナス支給時に
時間外の部分を加算して欲しい」などの要望があるかもしれ
ません。


確かに、真っ当な要望ですよね(労働基準法では認めにくい
ところですが)。



この場面というのは、法律で社員さんを保護しようという
試みが、むしろ社員さんに嫌われているという状況です。


こちらは守ってあげようとしているのに、相手は「その必要は
無い」と言うわけです。


このように、保護の対象者が自ら保護を拒否したとなれば、
法律はどうすべきなのでしょう?



そんなことは構うことなく、保護を強制すべきなのか。

それとも、労働者が自ら保護を要しないと判断したのだから、

その判断を尊重するのか。


どちらの判断にも一理あります。





■当事者の意思や考えを無視してでも法律を使うべきなのか。


会社も社員も納得した上で(雇用契約の段階で説明していると
仮定)、年俸の中に時間外手当を含むとしているならば、法律
によって保護すべき権利というのはもはや無いのではないで
しょうか。


法律というのは、何らかの権利侵害を予防したり、侵害された
権利を回復したりするのが役目です。


ならば、「権利が侵害される危険性」も「侵害された権利」も
ないならば、法律に出番は無いのではないでしょうか。



例えば、民法には、「私的自治の原則」という原則があります。


この原則を大雑把に説明すると、取引や契約を行う時には、まず
当事者の意思を優先し、法律は事後的にフォローするに留まる
という考え方です。


もちろん、詐欺とか錯誤などのような行為があれば、法律を
積極的に使うべきでしょう。


しかし、当事者が納得した取引や契約ならば、たとえ第三者
から判断して不当な取引や契約であると判断できても、有効と
すべきではないでしょうか。




労働法の世界には、

【労働基準法>労働協約>就業規則>労働契約】
という上下関係があります。

この関係に基づけば、労働基準法に反する労働契約は無効と
判断すべきではあります。


しかし、当事者(会社と社員)が納得して決めたことを無視
してでも、法律を優先すべきとなると、やはり違和感を感じます。



例えば、Aさんが所有している1,000万円の車を、Bさんに100円
でうるという売買契約が締結されたとします。


この場合、AさんもBさんも契約内容に納得しています。
(なお、詐欺や錯誤などは無いと仮定します。また、
不当廉売などの不正な取引も無いと仮定します)



しかし、第三者から判断すると、おかしな契約です。

普通の感覚では、1,000万円の車を、Bさんに100円で売る
というのは、異常ですよね。

「その取引チョット待った!」と言いたいところです。


ですが、当事者(AさんとBさん)は納得しているんですよね。

ならば、外部から妨害はできないのです。




また、労働基準法は「強行法規」ですから、会社や社員さんの
意思を無視してでも適用できます。


しかし、「年俸の中に時間外手当は含まれている」と雇用契約
を締結し、納得の上で働いているならば、強行法規といえども
出番を控えるべきではないかと私は思うのです。

(もし、「年俸の中に時間外手当は含まれている」というのが
嫌ならば、雇用契約をしなければよいわけですからね)



にもかかわらず、法律を使えとなれば、もはや「法律は悪者」と
なってしまうのではないでしょうか。







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>>編集後記



「マスク」というのは大きくなりましたね。


以前は、口周りを塞ぐ程度の面積しかなかったのですが、
今では顔の大半を覆うマスクが主流です。

なぜ、あんなに大きくするのでしょう。


細菌が入りにくいようにするという目的でしょうが、あそこま
で大きくする必要はなさそうな気がしますが。



また、「97%ウィルスカット」などのキャッチフレーズが
書かれていますが、使っている本人では検証不可能です。

これは、ウィルスソフトと同じですよね(結局、どの程度安全
なのかは良く分からないので、ブランドやフィーリングで選ぶ
ことになる)。



他人が、いわゆる「三次元マスク」を着けていると凄い怖い
と感じます。

女性が着けていると、「あの人は口裂け女かも、、」と思った
り、、


私も一度だけ使った事があるのですが、もう使いたくないと
思いました。

やはり、見た目が、、、。



もう、「普通のマスク」というのは売っていませんねぇ(笑)。

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