2009/4/24【無断欠勤の社員をいつまで待つか】

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こんにちは。山口社会保険労務士事務所の山口正博です。



暖房器具を押入れに片付けたら、急に寒くなりました。

先日は、「あぁ、、暑いなぁ」と感じながら、アイスクリーム
をガジガジかじってたのですが、、。


初めて、「ガリガリ君」というアイスを食べましたが、美味しい
ですね。

ソーダ味でしたが、想像していたよりはガリガリしていません
でした(カキ氷のような食感だと思っていました)。



このレポートは、定期的に、コラム形式で、
労務管理に役立つ内容を配信するレポートです。

興味本位で読むのもよし。
就業規則を作る前に読むのもよし。
つまみ食い感覚で読むのもよし、です。

どうぞ、自由にご活用下さい。


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今日のTOPIC
1:  無断欠勤の社員をいつまで待つか。
>>>「14日は待て」というのは妥当とは思えない。

2: 編集後記

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■■  無断欠勤の社員をいつまで待つか。
■■  「14日は待て」というのは妥当とは思えない。
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■無断欠勤している社員さんを14日も待てますか?



「無断欠勤している社員さんがいるので、退職として扱いたい」

こんな場面はどこの会社でもあるのではないでしょうか。



解雇するとなると、解雇予告や解雇予告手当が必要になりますし、
労働契約法の16条では、【解雇は、客観的に合理的な理由を
欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利
を濫用したものとして、無効とする】と決められています。


ゆえに、無断欠勤という理由だけで解雇にできるかというと、
簡単ではなさそうです。


かといって、無断欠勤している社員さんをいつまでも待たな
ければいけないとなると、会社も困りますよね。


労働基準法には無断欠勤の対応方法について決められていない
のですが、民法では627条に雇用契約の解除について決まり
があります。


この民法627条に従うと、14日を経過すれば雇用契約は
解約できますので、無断欠勤で14日が経過すれば雇用契約を
終了させることができるとなります。


しかし、無断欠勤する人を14日も待たなければいけない
というのは、一般的感覚からすると不合理ですよね。


突如として出勤しなくなって、オペレーションに穴が開いて、
他の人の仕事量が増えて、、、。


このように、会社はある種の被害を蒙っていると言えますから、
何らかのフォローが必要ですよね。
(無断欠勤というトラブルの原因を作っているのは社員さんの
側ですから、会社に非はありません)


それでもなお、会社は、無断欠勤している社員さんを14日間は
待たなければいけないのでしょうか。


ただ、「無断欠勤すれは即退職」というのも社員さんに厳し
すぎるとも感じます。

何らかの事情(遠隔地で事故に遭ったとか、登山で遭難した等)
で、連絡が取れず、結果として無断欠勤となってしまっている
だけかもしれません。



今回は、無断欠勤が発生したとき、どうやって会社と社員の間の
バランスを取るか、という点が核心の部分です。







■民法の規定をそのまま使うのは常識外れ。


民法627条1項では、

【当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、
いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、
雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって
終了する】


この規定を使って、無断欠勤の場面に対応するのが通常の
対処方法です。



しかし、労務管理の現場で、安易に民法の規定を使うべきなのか
どうか、という疑問を私は抱きます。

なぜならば、民法627条は、本来、無断欠勤を想定して作られ
ていなかったのではないかと考えるからです。




以前、「無届けで欠勤した日数が連続して3日(5日だったかも
しれない)に及んだときは、退職とします」と決めている就業規則
を見たことがありますが、私は妥当な内容だと思いました。



その規定(就業規則)にさらに付け加えるとすれば、


「なお、特別に斟酌すべき事情がある場合にはこの限りでは
ありません(例外対応をしておく)」

という原則に対する例外対応の可能性も残すことができるはず
です。


やむを得ず連絡できないため無断欠勤になった場合に対応できる
ように、事前準備をしておくということですね。




また、別途で考えるべきポイントとして、会社の判断で「退職」
という処理をして良いのかどうかも考えなければいけませんよね。


無断欠勤程度では解雇は困難だから、退職としたいのが会社の
思いですよね。

ただ、会社の判断でできるのは「解雇」であって、「退職」処理
はできないのではないかという疑問も浮かび上がります。



退職は、原則として社員自身の自発的な意思表示によって
行なわれるべき行為だから、会社の一方的判断によって行なう
ことはできないはずです。


この点については、現状では解決できていません。








■私的自治ならば、就業規則で決めるべき。



無断欠勤の場面に民法の規定を持ち込むべきなのかという点に
ついては、私は否定的です。


ただ、民法も法律ですから、安易に除外して考えるのは避ける
べきかもしれません。

しかし、無断欠勤を想定して627条は作られていないはずですか
ら、やはりそのまま使うと不具合が発生するわけです。



現状では、「就業規則で民法の規定を上書きする」ことになるか
と思います。


先ほどの、「無届けで欠勤した日数が連続して3日(5日だった
かもしれない)に及んだときは、退職とします」というルール
も有効にできるかと私は考えます。


つまり、民法よりも、会社と社員の間で決めた就業規則の内容が
優先するという考え方です。



民法には、「私的自治の原則」という慣例(?)があり、当事者
が合意すれば民法の規定を排除できるんですね。

ならば、就業規則(又は労働契約書)で会社と社員が合意して
いるならば、そちらを優先させようという判断です。














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>>編集後記


お店で売られている蛸(たこ)の産地には、国内・国外いろいろ
とありますね。


新聞の折り込みチラシを見ていると、

大阪産、モロッコ産(一番多い)、モーリタニア産、、などなど。
(上記以外の場所でも蛸は獲れるのでしょうね)


そこで、「モーリタニア」という国はどこにあるのか知りたく
なり調べました。
(まさか、タモリさんがいっぱいいる国ではないはず、、、)


アフリカの北西に位置する国のようです。
(http://tinyurl.com/c4qfqx)

モロッコに近いですね。


アフリカ北西地域の沿海部は蛸が豊富なのでしょうか。


こんな遠い国から蛸が来ているんですね。


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