2009/3/28【これは有給休暇の買取り予約になるのか】


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■■┃  本では読めない労務管理の「ミソ」
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こんにちは。山口社会保険労務士事務所の山口正博です。



このレポートは、定期的に、コラム形式で、
労務管理に役立つ内容を配信するレポートです。

興味本位で読むのもよし。
就業規則を作る前に読むのもよし。
つまみ食い感覚(?)で読むのもよし、です。

どうぞ、ご自由にご活用下さい。


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今日のTOPIC
1: これは有給休暇の買取り予約になるのか
>>>就業規則に買い取ると書いてはいけない?

2: 編集後記

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■■  これは有給休暇の買取り予約になるのか
■■  就業規則に買い取ると書いてはいけない?
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■時効消滅時や退職時の休暇買取りを就業規則に決めるのはダメか。



有給休暇は金銭で買い取ることはできない、ということは
多くの方がご存知のはず。


ただ、例外もあって、退職時や休暇が時効で消滅してしまう
という場面では、買い取り禁止の制約は課されていません。



では、時効消滅や退職のとき、有給休暇が残っていた場合に、
休暇を買い取るルールを事前に設けたいとすれば、それは可能
でしょうか。

何らかの仕組みを作る時にはルールが必要ですから、休暇の
買取りにもルールが必要と思えますね。



ところが、

「法律で付与されるべき年次有給休暇について、事前に買取の
予約をすることによってその日数を減じ、ないし、与えない
ことは禁止」


という決まりがあります。


となると、就業規則で有給休暇の買取り規定を設けるのは
ダメという結論になりそうです。



しかし、「日数を減じ、ないし、与えないという意図はない」
とすれば、買取り規定を設けるのも可能と考え得るでしょう。


ただ、「意図がない」ということを外部の人が判断する方法
がありませんから、「ルールを設けた=買取り予約」という
ように杓子定規に判断される可能性もあるわけです。

外部の人が判断すると、「これは休暇の買取り予約でしょう?」
となるかもしれません。




もし、買取りを実施するとなると、就業規則での根拠が必要に
なるはずです


根拠が無ければ、買い取ったり、買い取らなかったりという
運用をしてしまう可能性があるわけですから、やはり就業規則
に書きたいところです。


ただ、いわゆる「買取り予約」に該当するのではという危険性
も残るわけですよね。



会社としては、


「時効によって消滅した場合、もしくは退職時に休暇が残って
いる場合には、会社と協議の上で休暇を買い取る場合があります」

のように、時効の場合と退職の場合に限局して規定を設けたい
ところです。







■もしもの時はルールが必要だから、就業規則に書くべきでは。


有給休暇を買い取るという場面はあまり無いでしょうが、もし
買い取るという場面になったとしたら、買取りのルールが必要
になりますよね。

その場その場で判断するというわけにはいかないでしょうから、
買取り日数の上限とか、買取り単価とか、買取り申請の期限
(時効消滅1ヶ月前、退職の1ヶ月前など)という点を事前に
決める必要があるでしょう。


「買い取るならばルールが必要」という思いと「買取りルールを
作るということは、すなわち買取り予約では」という思いが
ぶつかる場面です。




一方で、

「買取り」ではなく「買取りをしない」という規則ならば、
作るのは容易です。


「なお、時効消滅した有給休暇、退職時に残っている有給休暇
を金銭で買い取ることはしません」


というルールを就業規則に書くのは支障はありませんよね。

有給休暇規定のところに、なお書きしておく程度で対応できます。



どうしても買取りルールを設けたいという事情が無いならば、
買取りはしないという決まりにしておけば無難ですよね。


この方が有給休暇の趣旨(買い取るために休暇があるわけでは
ない)には合っていますから、お勧めできます。







■法的に問題がなくても、避けた方が良いこともある。


一般に、法定以上の有給休暇を金銭で買い取ることや、時効
によって消滅した場合、また、退職時に休暇が残っていた場合に、
その休暇を金銭で買い取っても差し支えない、とはされています。


ただ、「差し支えない」と判断されているだけですから、
「積極的に奨励」してはいないということです。


つまり、買い取るという発想自体があまり望ましいこととは
考えられていませんので、法的に問題がない場面であっても、
買取りはなるべく避けた方が良いですね。


ただ、時効消滅直前の有給休暇を多数の社員さんが同時かつ
一斉に取得するという場面になった場合には、買取りも選択肢
に含めながら現場のオペレーションを組まないといけないかも
しれません。

このような場合には、買取りもアリでしょう。



退職後に有給休暇だけを単独で消化できる(出勤せずに、残り
の休暇だけを消化している状態)会社もありますから、「買い
取る」という方法を用いなくても現場には対応できそうです。


買い取る状況にならないように、普段から取得を促進しておく
のが妥当な労務管理ということです。







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>>編集後記



「酷使すると長持ちしないが、意外に耐久性に優れた面もあり」
ネタ元(http://tinyurl.com/cskxpp

一体、どちらなのでしょう。


今年の新卒社員について評価した記事なのでしょうが、表現が
微妙ですよね(笑)。


長持ちしないのに、耐久性に優れる、、、



うむむ、、理解できない、、。


私がアホなのでしょうか。




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