2009/3/12【支給日に在籍していなくても賞与は支給されるか】


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■┃  本では読めない労務管理の「ミソ」
□□┃  山口社会保険労務士事務所
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2009/3/12号 no.71)━


こんにちは。山口社会保険労務士事務所の山口正博です。



このレポートは、定期的に、コラム形式で、
労務管理に役立つ内容を配信するレポートです。

興味本位で読むのもよし。
就業規則を作る前に読むのもよし。
つまみ食い感覚(?)で読むのもよし、です。

どうぞ、ご自由にご活用下さい。


===========================
今日のTOPIC
1: 支給日に在籍していなくても賞与は支給されるか
>>>退職前に賞与を事前申請する?

2: 編集後記

===========================





■■  支給日に在籍していなくても賞与は支給されるか
■■  退職前に賞与を事前申請する?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




■「支給日に在籍している」という条件。


今回は賞与制度の取り扱いがテーマです。


賞与というと、夏と冬の2回という会社が多いですよね。


会社によっては年4回の賞与という会社もあります(賞与
の支払い回数が多いと、業績に応じて経費の微調整を
しやすくなります)。


また、基本給は少ないけど、賞与はポーンと支払われる
という仕組みも多いです。


業績調整しやすい賞与にウェートを置いて、経費の管理
を弾力化しているわけですね。



そんな賞与ですが、支払い時点で在籍していなければ
受け取れないという会社が多いんですよね。



例えば、就業規則(賞与規定がある会社はそれによります)に、


「夏季賞与および冬期賞与の対象者は、当年6月1日時点および
12月1日時点に在籍する社員とします」


と書かれている場合には、5月に退社したり、11月に
退社したりすると賞与は受け取れません。



しかし、社員さんとしては、「在籍した期間分だけ清算して
欲しい」という要望を持つかもしれませんし、

査定期間全てに在籍したにもかかわらず支給日に在籍しないだけ
で賞与が受け取れないのは納得できないと考えるかもしれません。



例えば、「

夏季賞与の査定期間は前年10月1日から当年3月31日
までの期間とします」と決められている場合(支給条件は
6月1日の在籍と仮定)に、

前年10月1日から当年3月31日まで全て在籍して、4月に入って
退職したとすると、賞与は受け取れません。



しかし、「支給日に在籍していないならば支給しない」という
ルールがあるのでしたら、不支給として扱うのは正当です。


ただ、社員さんの不満点が残ってしまうというのが残念ですよね。







■「査定期間の清算」も1つの方法。


年2回の賞与だと、約半年にわたって査定期間があるわけ
ですから、査定期間に在籍した分だけで賞与を清算する
ということも考えれますよね。



ただ、4ヶ月在籍したから4/6(査定期間6ヶ月のうち4ヶ月
という意味。約分すると2/3です)の賞与を支給しなければ
いけないというわけではありません。


支給日に在籍していないという点を割り引いて、減額した
賞与を支給するという方法ならば、会社も社員さんも納得
できるのではないでしょうか。


具体的には、上記の例ならば、通常だと2/3の賞与ですが、
支給日に不在籍という点を考慮して30%減額(この水準は
あくまで例です)するという方法です。


これは、将来価値を現在価値に割り引くという発想から
応用したものです(将来受け取るお金を早く受け取ると
少し安くなるという会計の計算方法です)。

ディスカウント・キャッシュフローと呼ばれる仕組みです。



計算式だと、「査定期間分の2/3賞与-30%」という式
になります。


従来だと支給日に在籍していないとゼロになる賞与ですが、
上記のような仕組みならば満額ではありませんがある程度
の賞与は支給できますよね。


当然ですが、上記の仕組みは就業規則や賞与規定に事前に
ルール化して運用する必要があります。

その場の判断でお金の問題を取り扱うと、トラブルが起き
やすいですので、ルールは大事です。








■会社の自治。


賞与制度の運用については労働基準法ではほとんど
制約していません。

毎月の給与は「賃金支払い5原則」というルールで
制約しているのですが、賞与については曖昧です。


金額の決め方も決まっていませんし、支払い回数も
会社毎に違います。

給与のように、「生活保障部分(毎月約60%の給与)を
設けなさい」とも求められていません。



ちなみに、賃金支払い5原則とは、

1.通貨払いの原則
2.全額払いの原則
3.毎月1回以上の原則
4.一定期日払いの原則
5.直接払いの原則

という原則です。

検索して簡単に調べることができます。




労務管理は法律だけで運用されるものではなく、会社の判断で
実施すべき部分も少なくありません。


賞与、退職金、休業時の有給休暇、特別休暇など、会社で
決めなければいけないこともあります。


法律が無いということは少し怖い(「法律が無いんだから
何でもOK」とは思わないで頂きたいのですが)とも思える
のですが、会社独自の仕組みを作れる余地があると考えれば
悪いものでもありませんよね。








 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>編集後記



料理の世界には、「ちょっと工夫でこのウマさ」という言葉
があります(神田川俊郎さんの言葉でしょうか)が、料理に
限らず何でも少し工夫するだけで見える世界が変わるんですよね。



例えば、鉛筆と消しゴム。


鉛筆だけだと単なる筆記用具です。

消しゴムも、それだけだと文字を消す文具です。



しかし、「消しゴム付き鉛筆」となると、事情は変わりますよね。

今まではバラバラに用意しなければならなかった鉛筆と
消しゴムが合体したわけですから、利便性はぐっと増す
ことになります。



「工夫は組み合わせから」

そんな思いで労務管理に取り組んでみるのも良いかも
しれませんね。




メルマガ以外にも、たくさんのコンテンツをウェブサイトに掲載しております。

労務管理のヒント

http://www.growthwk.com/entry/2014/04/07/135618?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_2

ニュース

http://www.growthwk.com/entry/2014/03/12/082406?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_3


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ┃本では読めない労務管理の"ミソ"山口社会保険労務士事務所 発行
┣━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃メルマガの配信先アドレスの変更は
http://www.growthwk.com/entry/2008/11/28/122853?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_4

┃メルマガのバックナンバーはこちら
http://www.growthwk.com/entry/2008/07/07/132329?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_5

┃メルマガの配信停止はこちらから
http://www.growthwk.com/entry/2008/06/18/104816?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_6


┣*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*

┃労務管理のヒント
http://www.growthwk.com/entry/2014/04/07/135618?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_7
┃仕事の現場で起こり得る労務の疑問を題材にしたコラムです。

┃ニュース
http://www.growthwk.com/entry/2014/03/12/082406?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_8
┃時事ニュースから労務管理に関連するテーマをピックアップし、解説やコメントをしています。

┃メニューがないお店。就業規則が無い会社。
http://www.growthwk.com/entry/2007/11/01/161540?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_9

┃山口社会保険労務士事務所 
http://www.growthwk.com?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_10

┃ブログ
http://blog.ymsro.com/?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_11

┃『残業管理のアメと罠』
┃毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、
┃月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、
┃平均して8時間勤務というわけにはいかない。
┃しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、
┃ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。
┃それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
http://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=mailmagazine&utm_medium=cm&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_12

┃電子タイムカード Clockperiod
┃始業や終業、時間外勤務や休日勤務の出勤時間を自動的に集計。
┃できれば勤怠集計の作業は随分とラクになるはず。Clockperiodは、
┃出退勤の時刻をタイムカード無しで記録できます。タイムカードや出勤簿で
┃勤務時間を管理している企業にオススメです。
https://www.clockperiod.com/Features?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_13


┣*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*
┃Copyright(c) 社会保険労務士 山口正博事務所 All rights reserved

┃新規配信のご登録はこちらから
┃(このメールを転送するだけでこのメルマガを紹介できます)
http://www.growthwk.com/entry/2008/05/26/125405?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_15

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

山口正博 社会保険労務士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
E-mail : mail@ymsro.com

© 社会保険労務士 山口正博事務所