2009/5/20【解雇するためのルールも必要】





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こんにちは。山口社会保険労務士事務所の山口正博です。



このレポートは、定期的に、コラム形式で、
労務管理に役立つ内容を配信するレポートです。

興味本位で読むのもよし。

つまみ食い感覚で読むのもよし、です。

どうぞ、自由にご活用下さい。


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今日のTOPIC
1: 解雇するためのルールも必要
>>>「解雇させないルール」だけでは不足。

2: 編集後記

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■■  解雇するためのルールも必要
■■  「解雇させないルール」だけでは不足。
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■解雇させないルールはあるが、解雇するためのルールは不足している。



労働関係の法律では、「いかに解雇させないか」という点については色々と整備されています。


労働契約法の解雇予告制度、労働契約法の解雇権乱用の法理、傷病期間中は解雇できないという制約、打ち切り補償制度、、、などなど。


考えれば、「解雇させないルール」はいくつか思い浮かびますよね。


では、「解雇するためのルール」はどれくらいあるでしょうか。

倒産と懲戒解雇がまず思い浮かびますね。

他には何かあるでしょうか。


考えると、倒産や懲戒解雇といったやむを得ない状況以外には、解雇するための基準はこれといって無いのではないでしょうか。







■ひとたび雇用したら最後?


労働契約法(16条)では、
【解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする】

と決められています(以前は、労働基準法に書かれていましたね)。


では、客観的に合理的な理由とはどんな理由でしょう?

さらに、社会通念上相当と判断する基準は何なのでしょう?

分からないですよね。


これでは解釈次第で何とでも結論を作れてしまいますから、裁判官の主観的判断に依存しなければいけません。


確かに、判例が蓄積されていけば、ある程度の基準は出来上がるでしょう。

しかし、現場で働く人ではなく、裁判官のみが判断できるとなると、もはや法律として使えないのではないかとも言えます。


法律を使うのは私達ですから、私達でも分かるように法律は作られていなければいけないはずです。

にもかかわらず、私達には分からないのです。



人は基準無く何かをされることを嫌がります。

例えば、相手から怒られたら、なぜ怒られたのかを知りたくなります。

他にも、廊下を走ったらダメと注意されたら、なぜ走ったらダメなのかを知りたくなります(小学生のときによく注意されました)。


ましてや、解雇という重大決定ならば、なおさらでしょう。




解雇の基準として使われているものには、他にも
「整理解雇の4要件」という基準があります。


1、人員整理の必要性
2、解雇回避努力義務の履行
3、被解雇者選定の合理性
4、手続の妥当性



これは、「要件」というよりも、むしろ「目安」ではないかと私は考えています。

上記の4つの要件は「要件」と言えるだけの客観性が欠けているのではないかと思いませんか。


実際に、裁判でも、上記の基準は使われるのですが、やはり裁判官次第で解釈が変わります。



例えば、人員整理が必要かどうかを判断できるのは現場で働く人ですから、外部の人では判断が困難です。



他にも、解雇回避努力義務を履行したかどうかも、人の感情で判断される部分が残ります。

会社側は努力したと主張しても、社員さん側が会社は努力していないと主張することも十分に有り得ますよね。



また、被解雇者選定の合理性についても、判断が難しいです。

社員さんの特質を理解しているのは会社の人ですから、外部の人が判断するのは至難の業です。



手続の妥当性についても、解雇回避努力義務を履行したかどうかという点と同様に、会社と社員さん側で主張が割れることがあるでしょう。



上記のように、抽象的な目安に現場の実情をあてはめるのはやはり辛いです。



解雇のための客観的な基準も示さずに、客観的に合理的な理由を欠いている(労働契約法)かどうかをどうやって判断するのでしょうか。

制度側では主観で判断する素地だけを用意して、現場側では客観性を要求するのは酷ではないでしょうか。



となると、実質的には、「一度雇用したら、解雇はするな」というメッセージを出しているのではないかと解釈できますよね。




現実にも、会社は解雇したくても解雇ができないので、
嫌がらせをして自主退職に追い込むこともあるのでしょう(日本IBMなどは新聞にも載りましたよね)。

これでは会社も辛いですし、社員も辛いはず。


解雇しにくい仕組みにしていると、この状況はずっと続くわけです。



ただ、解雇するためのルールを作るといっても、それによって解雇を奨励するわけではないのですが、基準が無いといつまでもトラブルが続くのですから、やはり解雇の基準は必要です。







■解雇するための条件を具体的に決める。


人は、解雇される事自体に不満があるというよりも(この部分もある程度は不満を抱くところ)、解雇の基準を示さずに解雇しようとすることに不満があるのではないでしょうか


例えば、

「売上が前年同期比で20%超下落していたら、雇用人員の5%までを解雇できる」とか、

他にも、解雇の予告は3ヶ月前に実施するとか、

解雇予告手当を3ヶ月分にするという基準を立てておけば、状況は変わるのかもしれません。


もちろん、上記のような基準を作っても万能とは言い切れませんが、解雇するための条件を数字を使って示せば、解雇時のトラブルは減っていくのではないかと私は考えています。


ただ、「出口を広くしても、入り口は広くならない」可能性もありますから、悩ましいですね。









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>>編集後記


インフルエンザの震源地、大阪より。


マスクな人達が急増しました。

薬局に行っても、マスクの棚はカラッポで、歩く人の3人に一人ぐらいの確率でマスクを付けている、、、。


重大な感染病が流行しているような雰囲気です。



そんな中、私はマスクを付けずに仕事をするKYな奴です(笑)。

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