2009/4/5【解雇や退職を撤回できるか】

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こんにちは。山口社会保険労務士事務所の山口正博です。



このレポートは、定期的に、コラム形式で、
労務管理に役立つ内容を配信するレポートです。

興味本位で読むのもよし。
就業規則を作る前に読むのもよし。
つまみ食い感覚(?)で読むのもよし、です。

どうぞ、ご自由にご活用下さい。


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今日のTOPIC
1: 解雇や退職を撤回できるか
>>>優柔不断な意思表示は相手を不安定にする。

2: 編集後記

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■■  解雇や退職を撤回できるか
■■  優柔不断な意思表示は相手を不安定にする。
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■元サヤに戻らなければいけない?


「会社から解雇予告されたが、解雇直前になって解雇予告を
撤回してきた」

「即時解雇とされたが、後に会社が解雇の撤回を求めてきた」

「退職しようと思ったけど、後に翻意して退職を撤回したく
なった」

「内定取り消しを発表したが、やはり採用にしたい」



少ないながらもこんな事は起こり得ますよね。


「一回決めたけど、後になって取りやめたくなった」
そんなことは日常生活でも少なくありません。


例えば、「オムライスを注文しようと思ったけど、やっぱり
ナポリタンがいいなぁ・・」などと思って、注文を変更する
ぐらいでしたら、誰にも迷惑はかかりません(既に注文した
後だと、店の人に迷惑がられるかもしれませんが)。

確かに、自分だけの問題ならば、優柔不断でも許されます。


しかし、他人を巻き込んでいるにもかかわらず優柔不断だと、
そう簡単に事は運びません。


例えば、解雇予告された人は、次の仕事を探したり、自営で
商売を始めようとするはずですから、そう簡単には後戻り
できないはずです。


にもかかわらず、解雇される予定の会社から、「やっぱり戻って
きてくれ」と言われると、困ることもあるでしょう。


ただ、解雇予告中と言えども、雇用関係は継続しているわけ
ですから、会社の指示に従わなければいけないのではと思って
しまう方もいるかもしれませんね。


こんなとき、元サヤに戻る義務はあるのでしょうか、それとも、
既に解雇予告されているのだから、戻る義務までは無い(相手
の提案を聞く程度)と判断すべきでしょうか。






■こちらの都合で意思表示を撤回すると、主導権は相手に移る。


結論を言えば、一度、解雇の予告をしたならば、原則として
会社の都合で撤回はできません。

それゆえ、社員さんが元サヤに戻る義務はありません。

なぜならば、相手(社員さん)の立場を不安定にするからです。



解雇の予告も一種の契約(解雇予告契約でしょうか)みたい
なものですから、履行義務が生じるわけです。


もちろん、先ほどのオムライスとナポリタンぐらいのレベル
でしたら、履行義務など問題にならないのでしょうが、解雇
や内定取り消しのような重大な事柄を簡単に覆されると、
社員さんや内定者は困りますよね。


ですから、原則として撤回はできないと判断するのです。


また、口頭で伝えるだけで解雇予告は成立(解雇予告の
意思表示は相手に到達している)しますから、文書が無くても
状況は変わりません。



社会人の約束は「契約」と同様に扱われる、と理解しておくと
良いかもしれませんね。

蛇足ですが、婚約も契約ですからね。




ただし、社員さんが会社の提案を受け入れれば、元の職場に
戻ることも可能です。

解雇の撤回を許さないのは、社員さんの立場を不安定にしない
ためですから、社員さん側で解雇の撤回を受け入れるのは
構わないのです。


ここでのポイントは、主導権が社員さんにあるということです。


つまり、「こちらの都合で意思表示を撤回すると、選択権や
主導権が相手に移る」ということです。



退職でも同様です。

一旦辞めるといっておきながら翻意したとすると、会社次第で
受け入れるかどうかを決めることになります。


もし、後任の人が既に決まっているならば、もう復職できません
し、後任がまだ決まっていないならば、復職できるかもしれませ
ん。

ここでは、主導権は会社にあります(社員さんに選択肢や主導権
はありません)。







■優柔不断な決定は決定にあらず。


些細な事なら問題なくとも、大事な事柄はそう簡単には撤回
できません。


学生が遅刻しても怒られることは少ないかもしれませんが、
社会人が遅刻すると怒られますし、社会人失格に近い扱いを
受けるときもありますね。


ましてや、相手の人生を変えてしまうような事柄を自分の都合
で変えてしまうと、非難を浴びることは必至です。



「優柔不断な人は、相手に選択権や主導権を奪われる」
と意識しておきたいものです。







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>>編集後記


やむを得ない理由があれば、法人でも社会保険(政管健保と
厚生年金)から脱退できるようです。

保険料を払うと会社の運営ができないなどの理由があると、
社会保険事務所が社会保険から脱退をさせることがあるとのこと
です。

断言しますが、これはルール違反です。



社会保険では、法人は強制加入(社員1人でも加入)で、かつ
強制継続ですから、任意で脱退はできないんですね。

1回入ったら出れないのが公的保険の特徴です。



小規模な会社だと、法人でも社会保険に加入していないところ
もあります(保険料を払えないかもしれないから最初から
入らないということ)。

中には、これから脱退するんです(!!)などと仰る会社も
あります。


もう、、、大胆すぎて怖いです、、、(笑)。

私はなるべくそういう会社には近づかないようにしていますが、
全く避けるということはできませんね。



不正脱退を許せばまた社会保険事務所が怒られます。

標準報酬月額の改ざん問題もありますし。



社会保険事務所の方々の仕事はキツイですね。

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