労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます。

年次有給休暇の義務化に対応するために休暇を廃止するのはアリ?

 

盆休み

 


盆休みをヤメて、有給休暇を使わせる?


8月の中旬になるとお盆という名目で世間は連休になります。8月13日に迎え火、8月15日に送り火、だと考えると、お盆は実質3日間となります。

しかし、お盆休みは会社ごとにその期間が異なります。中には3日間だけというところもあるでしょうし、「ウチにはお盆休みがない」ところもあるでしょう。サービス業では交代で休む傾向があり、お盆時期であっても通常通りに営業できるようになっています。

2019年4月から年次有給休暇を一定日数取得するよう義務化されました。例えば、年に10日分の年次有給休暇を取得した場合、そのうち5日分は確実に取得しないといけません。

そこで、8月のお盆休みを廃止して、8月に年次有給休暇を取らせるようにする会社もあるようです。

どうせ休むならば、年次有給休暇を消化したほうが都合が良いだろうという考えでしょうが、このような変更が許されるのかどうかが問題です。

例として、8月12日から16日までが盆休みだとすれば、計5日間です。

従来どおりの休みならば、無給で5日間の休みでしたが、年次有給休暇に変えれば有給で5日休めるわけです。

給与の有無だけに着目すれば、お盆に年次有給休暇を取ったほうが良いように思えますが、それだと以前まであった5日分のお盆休みが消滅してしまいます。

無給のお盆休みと年次有給休暇は別々で利用でき、休みは合計で10日分あったわけですが、お盆に年次有給休暇を計画消化するとなれば、休みは5日分に減ってしまいます。

年次有給休暇の時期指定義務をクリアするために、従来あった休暇や休日を減らして、労働日が減らないようにするのはダメというわけです。 

 

 


お盆に年次有給休暇を消化するにはどうするか。


盆休みを廃止して、計画年休を取るようにしてしまうと、休みの日数が減ってしまいますから、従業員としては不満です。

これに対処する方法としては、任意で年次有給休暇を取るように推奨する案があります。

お盆休みが5日間あるとして、この5日間を本人の希望で年次有給休暇に変えても構わないとするわけです。

無給になるところを有給休暇に変えるのですから、給与付きでお盆休みを取れます。ただし、無給のお盆休みは減ります。

仮に、3日分の年次有給休暇を取ったとなれば、年次有給休暇が3日、無給の休みが2日となります。

休みの日に年次有給休暇は使えないという判断もありますが、当事者が納得しているならば、それを止める理由もありません。

任意に基づくものですから、盆休みに年次有給休暇を充当するかどうかは従業員次第です。もし利用してくれれば、年次有給休暇を取得する義務日数である年5日に含めることができますので、会社にとっても有り難いです。

他の方法としては、年次有給休暇の計画消化を労使協定で決めておくというものがあります。

すでにお盆休みとして決められている日は計画年休にできませんけれども、それ以外の日、例えばお盆休みの前後に計画年休を入れておくのも一案です。

例えば、お盆時期の途中に平日が入るときは、その平日を計画年休にしておき、連休になるようにします。

お盆休みを潰して計画年次有給休暇に変えてしまうと、先程のように、以前の休みが消滅してしまいますから、すでに決まっているお盆休みはそのままにして、連休の隙間になっている日に計画年休を入れていきます。

年次有給休暇を使うように推奨するだけならば、労使協定は不要ですし、従業員本人の判断で決められますから、方法としては容易です。「盆休みを年次有給休暇に変えても構いませんよ」という案内をするだけですから簡単です。

この方法ならば、お盆だけでなく、ゴールデンウィークや年末年始にも同じように対応できます。

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
E-mail : mail@ymsro.com
お問い合わせ

© 社会保険労務士 山口正博事務所