労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます。

一石二鳥の効果がある在職老齢年金

 

在職老齢年金


2021年に在職老齢年金制度を廃止するかどうか政府内で検討されているようですが、廃止されるからには何か良くない制度ではないかと思ってしまうのですは、本当にそうでしょうか。

厚生年金に加入した方は、将来、老齢厚生年金を受け取れるのですが、年金を受給する段階で、ある程度の所得と年金収入があると、年金の給付額が減額調整されます。これが在職老齢年金の仕組みです。

払った年金保険料を回収するのが目的だとすると、所得にかかわらず年金を受給できるべきだと考えます。この場合、年金が一種の貯蓄になっているような感覚になります。

在職老齢年金制度があれば、一方的に年金の給付を減らすのではなく、所得に応じて減額するため、加入者の納得を得やすい面があります。一律に20%カットなどとなれば、まず実現しませんが、所得に応じて減額となれば受け入れやすいものになります。

年金の給付を削減するとなれば、過去にも何度となく反発を招いてきたのですが、在職老齢年金制度は、年金の給付を抑制する制度であるものの、さほど大きな反発を招くこと無く運用されてきたように感じます。

「働けば年金が減らされるならば、じゃあ働かないでおこう」と判断する高齢者が出てくれば、雇用の枠が空きますから、若年者の雇用を増やすことができます。

年金の給付を抑え、高齢者を労働市場から退出させる。一石二鳥の政策となっているのが在職老齢年金制度とも思えます。しかも、年金の給付が削減されていると感じにくい。そう考えると、よくできた制度です。

「働くと年金が減らされる」と表現すると、さも悪い仕組みであるかのように思えますが、労働者を入れ替えて、年金の給付を抑制する、という点に着目すれば、年金制度にとっては必要なものだとも思えます。

年金以外にも2,000万円の金融資産が必要などという話もありますが、在職老齢年金制度は若年者にとってはむしろ歓迎すべき制度ではないかというのが私の考えです。

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
E-mail : mail@ymsro.com
お問い合わせ

© 社会保険労務士 山口正博事務所