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私も「年金生活者支援給付金」を受け取れる? 受給条件と給付額は?

給付金

 

 

年金生活者支援給付金とは?


2019年10月に消費税が8%から10%に上昇することに対する対応として、『年金生活者支援給付金』が支給される予定です。

名前の通り、年金で生活している人に給付金を支給する制度で、消費税で可処分所得が減った分を補填するのが目的です。


この年金生活者支援給付金ですが、平成24年にはすでに法律が出来上がっていて、施行される時期が延期され、平成31年の10月にやっと施行される予定です(消費税が10%に変われば、ですが)。


日本年金機構のウェブサイトにも掲載されており、遺族基礎年金が父子家庭にも支給されるようになり、年金の受給資格期間が25年から10年に変わる法改正がされた時期と同じです。


2019年3月時点で、年金生活者支援給付金をウェブで検索しても、公式情報が少なく、手掛かりが乏しい制度ですが、平成30年度 全国厚生労働関係部局長会議資料の年金局の説明資料が参考になります。


この説明資料を参考に、年金生活者支援給付金を説明していきましょう。

 

 


年金生活者支援給付金を受け取れる人は?


年金受給者なら誰でも給付金を受け取れるのかというと、そうではないんですね。年金を受け取っている人全員が対象になると誤解する方もいらっしゃるでしょうが、受給する対象者には条件があります。


対象者は、

1.65歳以上で、老齢基礎年金を受け取っている人。

ちなみに、老齢基礎年金とは、国民年金から支給される年金です。年を取って受け取る国民年金のことを「老齢基礎年金」と言います。俗称では「国民年金がどうのこうの」と言われますが、正式名称は老齢基礎年金というものなんですね。

また、老齢基礎年金を受け取っているということは、最低でも10年以上は年金に加入している必要があるわけです。年金を受け取るために必要な受給資格期間は10年に変わっています。

「老齢基礎年金を受け取っている」という条件が付いている時点で、10年以上の加入期間(正式には「受給資格期間」と言います)が必要だと分かるのです。

さらに付け加えると、国民年金を繰り上げで受給している人は対象外になります。例えば、60歳や61歳から国民年金を繰り上げで受け取っている人は、65歳以上になると年金生活者支援給付金の対象者になります。

 


2.「年金収入」と「年金以外の所得」の合計が779,300円(この金額は毎年、少しづつ変動します)以下。

受け取っている年金収入と、パートタイムで働いていたり、自営業で働いているなど、他の所得があれば、それも合算して条件を判定します。

年金は「収入」ですが、他のものは「所得」ですので、この違いには注意。

例えば、雇用されて働いている方だと、基礎控除や給与所得控除などを受けた後のものが所得になります。

 


3.同一世帯全員が市町村民税非課税。

つまり、住民税が課税されていないという意味です。

 


対象者として思い浮かぶのは、年金だけで生活している人だけで世帯を構成している場合です。

子供はすでに家庭をもっているので家にいない、他の親族と同居もしておらず、夫婦がお互いに年金受給者というケースです。

他にも、年金生活者の夫だけとか、妻だけという場合もあるでしょう。

 

 

 

年金生活者支援給付金の受給額は?


年金生活者支援給付金の受給額は、年金への加入状況で変わります。

加入期間がければ、年金生活者支援給付金の受給額はえます。逆に、加入期間がいと、年金生活者支援給付金はなくなります。

一例として、年金に「360月(30年)加入していた人」と「240月(20年)加入していた人」を比べてみましょう。

年金生活者支援給付金は、「5,000円 × 保険料納付済期間 / 480月」で計算します。

保険料納付済期間というのは、年金保険料を支払った期間のことです。免除や納付猶予を受けた期間は除かれます。

480月の部分は、40年間、年金に加入した場合の月数です。40年加入すると、老齢基礎年金を満額で受け取れますから、480月の内どれだけ年金保険料を支払った月があるかを判断する計算式になっています。


加入期間が300月の場合は、5,000円 × 300月 / 480月で、年金生活者支援給付金は月額3,125円です。

一方、200月だと、5,000円 × 200月 / 480月で、端数を切り上げて月額2,084円です。

 

さらに、保険料を免除された期間(1/2免除や1/4免除など)がある場合は、別で計算します。

仮に、保険料納付済期間が300月で、免除された期間が50月だとすると、まず300月の方を先に計算し、月額3,125円を算出します。

その後、免除期間の50月を別で計算します。

免除された月は、先程の計算とは違って、「10,800円 × 保険料免除期間 / 480月」で計算します。保険料納付済期間の方の計算よりも単価が2倍ほど上がっているのが分かりますね。

免除を受けたということは、それだけ所得水準が低いと考え、高い単価で年金生活者支援給付金を計算するわけです。


免除期間は50月ですので、「10,800円 × 50月 / 480月」で、免除期間に対応する年金生活者支援給付金は月額1,125円です。

先に計算したものと合算すると、年金生活者支援給付金は月額4,250円になります。


免除期間が多いほど年金生活者支援給付金は多くなりますので、月額6,000円や月額8,000円近くになる人も出てきます。

感覚としては、「年金生活者支援給付金はだいたい月額5,000円前後かな」と思っていただければ良いです。

 

比較対象として、保険料納付済期間が200月、免除期間が150月の場合、年金生活者支援給付金がいくらになるか計算してみましょう。

保険料納付済期間に相当する年金生活者支援給付金は、月額2,084円。さらに、免除期間に相当する部分は、月額3,375円。合計すると、月額5,459円となります。

免除期間が多いほうが受給額が多くなったと分かりますね。

 

 


いつから年金生活者支援給付金を受け取れる?


上記の説明資料では、8月から手続書類を郵送するようですから、届いてすぐに手続きを済ませれば、最短の2019年12月から年金生活者支援給付金が支給されます。

とはいえ、書類が届いてもすぐに手続きする人はそう多くないでしょうし、行政機関の中でも手続きに時間がかかるでしょうから、手続きが遅いと12月には間に合わず、2020年の2月に12月の分もまとめて支給されるという形になるのではと思います。

申請の事前受付が4月から開始されるスケジュールになっていますが、あくまで予定ですし、書類の送達時期も個々人ごとにバラバラです。

 


年金生活者支援給付金に関する情報は2019年7月頃から流れ出す。


これを書いているのが2019年の3月で、ネットで検索しても厚生労働省や日本年金機構から出ている情報が乏しく、「何で情報が少ないのか」と思っていましたが、説明資料の広報スケジュールを見ると、特設ウェブサイトを公開するのが7月からで、メディアで広報するのが9月からとなっています。

9月から動き始めると、12月の支給時期に間に合わない方も出てくるでしょうね。


「夏頃に年金生活者支援給付金に関する情報が出てくる」と記憶しておいていただければ大丈夫かと思います。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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