労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます。

有給休暇の取得義務化への簡単な対応方法。

 

年休義務

 

 

有給休暇を取得計画一覧表で管理する。


2019年の4月から、年に5日以上は年次有給休暇を取らないといけないよう義務化されます。

この改正についてご存知の方はそれなりにいらっしゃるかと思いますが、実務でどのように対応するかが考えどころです。


義務化といっても、以前から年に5日以上の有給休暇を確実に取れている職場ならば、さほど難しい対応は必要ありません。

従業員ごとの年次有給休暇の取得状況をチェックしておいて、日数が少ない人には有給休暇を取るように勧めれば、年5日の日数はクリアできるでしょう。


とはいえ、何らかの理由で、有給休暇の取得日数が年5日未満になってしまう人が出てくる可能性もありますから、有給休暇の取得状況を把握する帳簿が必要です。

有給休暇ハンドブック(厚生労働省)

このハンドブックには、有給休暇の取得計画を一覧表で把握できる雛形が掲載されていますから、それを使って日数を管理しておくのも良いですね。

法改正では、何らかの方法で有給休暇の日数を管理するよう求められますので、一覧表の類いは用意する必要があります。


月別の一覧表なら、使用者が時季変更権を行使して有給休暇の日程を変える場合も、どの日からどの日に変えたかを分かりやすく書けます。

例えば、2月5日から2月26日に時季変更したなら、5日と26日を結ぶ線を引いておいて、時季変更権を行使したことが後から分かるようにしておきます。


ちなみに、年次有給休暇の時季変更権は、有給休暇の取得を拒否するためのものではなく、取得日を他の日に変更するものです。その場合は、具体的に何月何日に変更すると決める必要があります。

さらに、時季変更権を行使できるのは1回だけで、変更された有給休暇の日程をさらに時季変更権でもって変更することはできません。

 



まずは本人希望で取得して、その後で会社が取得時期を指定。


1年間で5日以上の年次有給休暇を取る必要があるといっても、強制的に日程を決めて取らせるというのも、何だか味気ないもの。

無理に会社が取得日を決める必要はなく、本人希望で有給休暇を消化していき、消化日数が年5日以上に達すれば、もう会社は取得時期を指定する必要はありません。


まずは本人希望でスケジュールを決めてもらい、それでも指定日数に届かない場合は、会社側で日程を決めて有給休暇を取得してもらう。この二段構えで基準を設定すれば良いでしょう。


仮に、4月1日から3月31日までを1年間とするならば、

『4月から9月までの6ヶ月間で3日以上の年次有給休暇を取得する』
『10月から12月までの3ヶ月間で5日以上の年次有給休暇を取得する』

という基準を就業規則で設定しておき、

『1月1日時点で、前年4月1日から起算して、年次有給休暇の消化日数が5日に達していない場合は、その日数に達する日数分まで会社が時期を指定して取得させる』

とするのも一例です。

9ヶ月間で有給休暇の合計取得日数が年5日になるようにしておき、それで対応できない場合は、残りの3ヶ月間で取得時期を会社が指定します。

 

 

有給休暇のスケジュールは従業員同士で決める。


上司が有給休暇の取得について一方的に決めるのではなく、従業員同士で有給休暇の取得スケジュールを決めるようにするのがオススメです。


勤務シフトを作成する段階で、従業員同士で、

「私は21日に有給休暇を取るわ」
「じゃあ、俺は21日は出勤するとして、17日に有給休暇を入れるとするか」

という感じで、働く人同士で有給休暇のスケジュールを決めれば、お互いに納得しやすいですし、有給休暇を取りやすい職場だと感じてもらえます。さらに、自分が有給休暇を取るために、お互いに協力するという姿勢も作り出せますね。


会社側で、有給休暇を一方的に管理しようとするのではなく、勤務シフトをお互いに調整させて、有給休暇も取ってもらう。

この方法だと、上司としては管理する手間が省けますし、有給休暇を取りにくい雰囲気も無くなり、義務として取得する年5日分もすんなりと消化できるでしょう。

勤務シフトを公開してお互いに調整させるのがポイントです。


フルタイムで働く社員だと、土日休みで、出勤日が月曜日から金曜日までに固定されていて、勤務シフトを作っていない職場もあるでしょう。

そういう職場では、有給休暇取得スケジュール表(名称は何でも構いませんが、取得計画を一覧にしたもの)を作り、毎月、取得の希望日を入れてもらうようにすれば、有給休暇を取りやすくなります。この計画表の雛形も、先程紹介した有給休暇ハンドブックに掲載されています。


会社側で有給休暇を一方的に管理せずに、従業員同士で有給休暇のスケジュールを決めて、お互いに協力して休暇を取れるようにしていく。このポイントを抑えておくと、会社としては労務管理がラクになりますし、従業員も自分の意志で有給休暇が取れて満足しやすい職場になるでしょう。

有給休暇を会社による許可制みたいにするから、会社も社員も消耗するのであって、従業員同士で協力させて有給休暇を取らせれば、半ば自動的に管理ができてしまうんですね。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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