労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます。

労務管理はOJTで学べない。 法令違反が職場で頻発する理由。

 

労務管理を学ぶ

 

 

会社で聞かれる質問や疑問。


「私が仕事を辞めたら、どれぐらいの失業保険を受け取れるんですか?」と従業員から聞かれたら、どう答えるか。

「労災で怪我をしたら、どういう給付が出るんですか?」と聞かれたら、どう答えるか。

「出産時に使える公的な給付は何があるんですか?」と聞かれたらどうか。

「産休のときは給与は無しになるんですか?」という質問をされたら。


さらには、

「育休の時に使える制度ってどんなものがあるんですか?」
「インフルエンザで数日休んだら、何か給付はありますか?」

など。


労務管理の現場では色々と質問なり疑問が出てくるもの。


「そんなもの、自分で調べてください」と突っぱねてしまうのも1つの方法ですけれども、ザックリとでも会社の人が教えてあげれば親切ですよね。

今はスマホがありますし、自分で調べようと思えばできます。

ですが、興味があることや好きなことなら進んでスマホで調べますけれども、雇用保険や労災保険、さらには健康保険制度のことなど、検索しても良くわからないのがオチではないかと。

書かれている内容を理解できるならネット検索は役に立ちます。しかし、書かれている内容が専門的で理解できなければ、スマホで検索してもどうしようもないわけです。

 

 

 

制度や給付の概要は説明してもらいたい。

 

それゆえ、労務管理に関することは、会社側で「ある程度は」説明してあげる必要があるんですね。

完全に説明する必要はないのですが、ザックリと制度や給付の概要が分かる程度は説明してもらいたいものです。従業員の気持ちとしては。


「私が仕事を辞めたら、どれぐらいの失業保険を受け取れるんですか?」と聞かれたら、雇用保険の加入期間や、失業時の年齢に応じて失業給付の日数は変わり、退職する理由(解雇や退職勧奨なのか、自主退職なのか)でも給付内容が変わると伝えたいところ。

例えば、雇用保険に7年間加入していて、年齢が28歳だとすると、会社から解雇されたとして、失業手当は120日分支給されます。ちなみに、自主退職の場合は、90日分です。

このように数字を入れて説明してあげると、従業員としては安心です。


こういう説明をするには、ある程度の理解が必要ですが、もしそういう理解がなかったとしても、然るべき道具を使えば、キチンと雇用保険について説明できるようになります。

 

 

 

得意分野から1歩外に出たら、誰もが素人。

 

しかし、公的な制度というのは往々にして複雑です。

年金にしても、健康保険にしても、雇用保険や労災保険、さらには税金も。

普段からそういう分野の知識に触れている人にはさして難しくないのでしょうけれども、そうではない人には難解で厄介なもの。

税理士にとっては所得税や法人税に関することなどウォーミングアップ程度の事柄だと思いますが、税に関する仕事をしていない人にとっては考えるだけで「あぁ、厄介だ」と反応してしまいます。


ノーベル化学賞や物理学賞を受賞するような研究成果をテレビで紹介されても、こちらとしてはチンプンカンプン。

恐らくすごい研究をなさっているのは感じ取れるものの、肝心の中身がとく分からない。

しかし、ノーベル賞を取るような人でも、スマホゲームをやらせれば素人レベル。

自分が普段から熱心に取り組んでいることには詳しいものですが、そこから1歩でも外に出ていくと、途端に素人化するんですね。

 

 

 

 

労務管理はOJTでは学べない。

 

  • 未払い残業代
  • 36協定が未締結
  • 36協定を締結しているが、時間外労働の上限時間をオーバー
  • 有給休暇の使い方でトラブル
  • 雇用契約の内容と就業実態が合っていない

など、労務管理のトラブルが表に出てくることが多くなりました。


なぜこういうトラブルが多く起こるか、その原因として考えられるのは、労務管理をOJT(職場内で上司や先輩が仕事を教えること)で教えるのは難しいという点です。


集客の仕事を部下に教えることはできるでしょう。
営業の仕事を新入社員に教えることもできます。
板前が卵焼きの作り方を教えること可能です。

では、労務管理の知識を部下に教えられるかというと、これはなかなか難しいのでは

直接に業務に関連することは教えられます。集客や営業、卵焼きの作り方など、業務に直結する仕事は体系化なりマニュアル化され、教える方法が確立しているはず。

しかし、間接的な業務は個々人の能力に依存していて、業務が標準化していない傾向があります。


「やれば何とかなるだろう」
「適当にゴニョゴニョすれば大丈夫」

などと考えているフシもあります。


労務管理は法律が絡む分野ですから、テキトーにナントカなるような代物ではありません。

テキトーにナントカした結果、65.9%の事業所が法令違反になっているわけですから。

法令違反している会社に遭遇する確率は65.9%。


OJTで学べないならどうするか。

そこで使うのが、労務管理の教科書とも言うべき『社会保険労務ハンドブック』

何年も前から紹介していますが、この社会保険労務ハンドブックは、労務管理で必要になる情報が1冊に集約されています。

労働基準法関連の内容だけでなく、労災保険や雇用保険、健康保険、国民年金と厚生年金に関する情報も1冊にまとまっています。

さらに、労働契約から解雇予告に関すること、有給休暇の取扱など、それらに関連する判例や行政通達も一緒に掲載されており、労務管理の実務では私も愛用しています。


スマホで検索すれば何でも調べられる。

確かに、この考えは正しいです。

しかし、ネットで検索すると、その検索結果は玉石混交で、何が自分に必要な情報なのかを選別するのに苦労するんです。

片っ端から検索結果に表示されたウェブサイトを見ていっても、思うような情報に到達せず、時間だけが浪費されていく。

そういう経験をした方も多いのでは。


社会保険労務ハンドブックならば、フォーマルな形で情報が整理整頓され、労務管理の実務で必要な情報だけが掲載されていますから、ネットの「ノイズ(余計な情報)」に時間を浪費することはありません。

ネット検索ならタダですから、経済的にはこちらの方がお得です。

しかし、失う時間を考えれば、必ずしも良い選択とは言えないのではないでしょうか。

もちろん、スマホやPCで検索すれば足りる方なら、それはそれで結構です。


ですが、僅かな出費で多くの時間を節約できる効果を考えれば、『社会保険労務ハンドブック』を手元に置いて、必要に応じて参照するのは良い判断ではないかと思います。

 

ブラック企業にならないために。労務管理の本はこの1冊で決まり。

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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