あやめ社労士事務所 - 労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます

年末年始に出勤を強制されて、実家に帰省できない。休めないならもう辞めたい?

 

年末シフト

 

 

年末年始が繁忙期の商売。

12月になると、年末年始の勤務シフトが気になってくるところ。

 

年末年始は例年、休みになる職場で働いている方ならば、気にすることはないのですが、サービス業で仕事をしている方は事情が変わります。

第一次産業や第二次産業は、年末年始が休みになる傾向があって、休めないという話はあまり聞きません。

しかし、第三次産業、例えば外食や小売、宿泊、運輸の仕事は、12月から1月初めが繁忙期になります。

12月歳末セール1月初売り

ショッピングセンターや百貨店に行くと、これでもかと宣伝されていますよね。

書き入れ時ですからね、消費者向けの商売は。


クリスマス、大晦日、初詣。

年末から年明けは、何かとソワソワするイベントが多くて、「仕事なんかしていないで、外で年末を感じたい」と思うもの。

ですが、繁忙期の商売では、出勤してもらわないと仕事が回らないため、サービス業では出勤している人も多いです。


働いている人は休みたい。クリスマスは出勤したくない。年末年始は実家に帰省したい。

会社としては出勤してもらいたい。お客さんがたくさんお店に来る。注文が多い。


この対立する要求をどのように調整していくか。

年末年始の勤務シフトをどうやって作っていくか。これは労務管理の悩みの1つですね。

 

 


暇な日も忙しい日も給与が同じではやる気は出ない。

学生のアルバイトを例にすると、普段の給与が時間給1,000円だとして、年末年始の給与もいつもと同じ時間給1,000円なら何が起こるか。

「他の日と給与が同じなら、クリスマスは出勤したくないわ」
「給与が変わらないなら、休んで実家に帰省するよ」

このように反応するのが自然では?


職場でこういう人、いませんか。年末が近くなると辞めていく人

12月に入ってすぐに辞める人やクリスマスの直前、12月20日頃に辞める人とか。

クリスマスから年末年始に、自分の希望通りに勤務シフトを組んでもらえないなら辞めてしまおう。

そして、年が変わって、1月の後半になったら、また新しい職場で働き始める。

実に合理的で賢い判断です。

 

学生なら、パッと仕事を始めて、パッと辞めても支障はありませんからね。

会社側としては、こういう行動をする学生がいると想定して、勤務シフトを組んでいかないといけないのです。

 

とはいえ、「クリスマスと年末年始は自由に休みは入れさせないぞ。会社側で勤務シフトは決めるからな」と強圧的な態度に出ても問題は解決しません。

 

労務管理は、言い換えると「感情管理」です。人の感情を扱うのが労務管理ですから、その感情に逆らうような判断をしてしまうと、よろしくない結果を招きます。

 

12月の後半に、一斉に人が辞めてしまって、商売どころではなくなる可能性もあります。

 

 


12月28日から1月5日の間は給与が50%割増。

では、どうやって年末の勤務シフトを組んでいくか。

具体的には、インセンティブを用意して出勤してもらいます。


例えば、12月28日から1月5日までの9日間限定で、給与を割増します。

  • 1日6時間以上出勤した人には、1日の給与に3,000円をプラスする。
  • 1日8時間以上出勤した人には、1日の給与に5,000円をプラスする。

これは、一定時間以上の勤務をした人を対象に、給与を上乗せする方法です。

 

他には、給与は通常通りにして、出勤した日数分だけ特別有給休暇を付与するのも良いですね。

仮に、上記の9日間のうち6日出勤したなら、6日分の特別有給休暇が与えられ、その特別有給休暇は2月末までの間に消化する。

この特別有給休暇は法定の有給休暇とは別枠で、会社が独自に付与するものです。

特別有給休暇を取得する期限を設定しておくのもポイントです。休暇が付与されても使えないなら無意味ですから、2月までにリミットを設定して取得します。


後は、時間給を割増にするのもアリです。

  • 12月28日から30日までは、時間給30%割増。
  • 12月31日から1月3日までは、時間給50%割増。
  • 1月4日から5日は、時間給30%割増。

このように日によって少し差を付けておくのも良いでしょう。

割増期間も、12月28日からではなく、12月23日から設定しても構いません。

 

 


インセンティブがあるかどうか。それが問題だ。

人はインセンティブに反応する生き物です。

反対に、インセンティブがなければ人は反応しないんですね。


金銭的なインセンティブだけでなく、人から褒められるとか、尊敬されるとか、「ありがとう」と感謝されるとか、こういった無形の報酬もインセンティブになります。

他にも、仕事が面白いというのも重要なところです。給与が多くても、仕事がつまらないと人は離れていきます。

 

何のインセンティブも用意せずに、「クリスマスは休めないぞ」、「年末年始の休み希望は受け付けないぞ」と言うのは、人の感情を理解していないトンチンカンな対応と言わざるを得ないでしょう。

動いて欲しければ、インセンティブ(俗っぽい表現をすれば「人参」)を用意すればいいのです。

 

インセンティブがあるなら帰省せずに働く人も出てくるでしょう。

12月末から1月の始めはどこも混雑します。道路は渋滞し、ホテルやアミューズメントパークは人でいっぱい。

旅行代金も跳ね上がりますからね。通常期の2倍なり3倍ぐらいに料金がアップしても旅行の中身は同じです。

同じ商品なら料金が高いよりも安い方が良いですからね。


そういう時期をズラして、1月の中旬以降に帰省するなり旅行すれば快適でしょう。


勤務シフトを埋めていくには、「クリスマスや年末年始に出勤してもいい」と思わせる仕掛けが必要です。

暇な時期も繁忙期も同じ条件ならば、忙しい時期に働きたくないのは当たり前です。

キーになるのは「インセンティブ」です。

 

 

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