労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます。

保険料は安く、補償は厚い労働保険。 毎年11月は、労働保険適用促進強化期間。

 

f:id:ma95:20181121142238p:plain

 

他人を雇ったら、労働保険には入らないといけない。


社会保険料は、
健康保険と厚生年金を合わせると、約30%もの保険料率になりますから、
給与からの天引額も多い。

一方、

労働保険は、社会保険に比べるとずいぶんとリーズナブルです。


自分1人で商売をしているなら、
公的保険に入ろうと入るまいと自分だけの問題で済みますが、
他人を雇っているなら、そういうわけにもいきません。


労災保険雇用保険を2つセットにして、
労働保険」と呼んでいます。

ちなみに、
社会保険は、
健康保険(加入者によっては介護保険も)厚生年金がセットになっています。


フルタイム社員だけでなく、
パートタイムで働く人であっても、
1人でも雇えば、労働保険の適用事業所になり、
労働保険に加入します。


労働保険に加入するときは、

まず事業所が労働保険に入り(「適用事業所になる」と表現します)、
その後で従業員が労働保険の被保険者になります。

まずは会社が適用事業所になって、その後に従業員が加入していく。
二段構えなんですね。

 

 


労災保険と雇用保険の保険料は格安。


保険料というと、社会保険料をイメージするためか、
「高いんだろうな」
と思う方もいらっしゃるはず。

 

社会保険料は収入の約30%ほどですが、

一般の事業ならば、
雇用保険料は0.9%ですし、

2018年の雇用保険料

労災保険も業種ごとに異なりますが、

【改正】平成30年4月からの労災保険料。上がるのは3業種。下がるのは20業種。

保険料が安い業種だと0.3%です。


労災保険と雇用保険を合計しても、労働保険料は1%強です。


労災保険は、仕事中の怪我だけでなく、
通勤時の怪我も対象になります。

健康保険と違って、
業務上の怪我を治療する際の自己負担はありませんから、
加入する従業員には有り難い制度です。

健康保険だと3割の自己負担がありますからね。


労災保険に加入していれば、基本的な補償としては足りますが、
企業の安全配慮義務違反や不法行為があった場合は、
公的な労災保険では補償されません。

  • 高所での作業をするのに安全具を用意しなかった。
  • 高圧電線がむき出しになっているのに安全対策をしなかった。
  • 巻き込み事故を防ぐための安全柵を設置しなかった。

など、安全配慮義務違反があると、
企業に対して損害賠償を請求されることもあります。

そういう場合に備えた
「任意で加入できる労災保険」
もあります。

業務災害総合保険(ハイパー任意労災)AIG損保

公的な労災保険だけで対応できる場合がほとんどですし、
必ず任意労災保険に入らないといけないというものでもありません。

 

 


雇用保険は保険会社が売っていない保険。


事故が起これば保険金が出るのが保険ですが、
自分で意図的に事故を起こしても保険金は出ないもの。

しかし、

雇用保険は、
解雇や退職勧奨の場合に失業手当が出るだけでなく、
自ら退職した場合も失業手当が出ます

つまり、自分で保険事故を起こした場合でも保険金が出る。

そういう特殊な保険なんですね。

 

民間の保険ではなぜ雇用保険がないのか


さらに、

失業時だけでなく、
教育訓練給付金育児休業給付金
雇用保険から出るものです。

育児というと健康保険から給付がある(出産育児一時金が有名)というイメージですけどね。
雇用保険からの給付もあるんですよ。

「失業したときだけ給付がある」
というものではなく、

失業していない場合でも給付があるのが雇用保険なのです。


しかも、保険料は0.9%ですからね。

こんなに「加入者に有利な保険」は他にありません。

 

というわけで、
他人を1人でも雇ったら(学生のアルバイト1人であっても)、
リーズナブルで加入者に有利な労働保険に加入しましょう。

 

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
E-mail : mail@ymsro.com
お問い合わせ

© 社会保険労務士 山口正博事務所