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外国人に濫用される健康保険制度。保険証の貸し借りは防げる。

 

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健康保険が狙われる…外国人受け入れで懸念される“穴だらけ”の実態

20年以上日本に住む中国人男性は、こうした“なりすまし受診”はよくあるとした上で、「保険証を人に貸すというのは、相当昔からあることなんです。中国では、なにか病気があっても見つけてくれないのではないかという、医療に対する不信感がある。不正使用だという事を分かったうえで、“なりすまし受診”している」とその実情を語った。

医療の現場で、そのような“なりすまし受診”は見抜けないものなのだろうか?

埼玉県川口市にある芝園団地。住民総数およそ4900人の内、2600人余が外国人。大半は中国人で、リトルチャイナとしても知られている。この団地で、地域医療を担うのが芝園団地診療所だ。この日も、この診療所をかかりつけにする中国人患者が多く訪れていた。

診療所の担当者に話を聞くと“なりすまし受診“を現場で見抜くのは、やはり難しいという。
「我々のところでは分からない。なにしろ見た時に、書面上、カード上に出ているものしか分からないので、受付せざるを得ない」と悩んでいた。

 

健康保険、外国人への適用厳格化案が浮上 悪用に対処

 政府内で外国人による公的医療保険の不適切利用を防ぐため健康保険法を改正し、適用条件を厳格化する案が浮上していることが6日、分かった。

 加入者の被扶養親族が適用を受けるためには、日本国内に居住していることを要件とする方向で検討している。

 政府は外国人労働者の受け入れ拡大に向け今国会で出入国管理法改正案の成立を期す考え。同時に近年外国人による公的医療保険の不適切利用が問題化していることから、対応を急ぐ。

 会社員が対象の健康保険は、加入者本人に扶養される3親等内の親族にも適用されるが、国内に住んでいる必要がないため、訪日経験のない海外の親族らが母国や日本で医療を受けて健保を利用する事例が相次いでいる。健保法改正案は来年の通常国会提出も視野に入るが、適用条件の線引きをめぐる課題も多く、さらに検討を進める方針だ。

 

3カ月滞在・少額負担で高額治療…なかなか見抜けぬ外国人の国保悪用に悩める政府

 問題は、医療目的で入国する場合は国保に加入できず全額自己負担となるため、目的を「留学」や「経営」と偽って3カ月滞在して国保に加入し、少ない自己負担で高額治療を受ける事案、あるいはそれが疑われるケースが増えていることだ。

 

外国人が健康保険を濫用しているのではないかという話ですが、
法律に決まった通りに使われていたとなれば、
倫理的な非難はできても不正とは言えません。


会社で働けば、
外国人も日本人と同じように、
会社経由で健康保険厚生年金に加入します。


また、

外国人留学生も、
市町村の国民健康保険に加入し、
健康保険証を持っているはずです。


外国人も国民健康保険に加入しないといけない場合とその要件(国民健康保険ガイド)


形式的にでも加入条件を満たせば、
健康保険は使えますから、
その結果、良くない使い方をされているとなれば、
制度に問題があります。

 

健康保険を利用している外国人を非難しても、
本人はチャンと条件を満たして制度を利用しているのだから、
「何が問題なんだ?」
と言われておしまい。

 


家族全員が日本に住んでいるとは限らない。


非扶養親族が健康保険を利用するには、
日本国内に居住していることを要件とする方法もあります。

この条件を課せば、
国内に住んでいる人だけが健康保険を利用できます。


しかし、

外国人に限らず、
本人が日本にいて、家族が海外にいる日本人もいるでしょう。

海外に家族がいて、本人は日本で働いている。

そういう日本人もいるのでは。


その場合に、
家族が病気や怪我をしたら、
海外療養費を申請するでしょう。

もし、
国内での居住を求められたとすれば、
海外療養費を利用できなくなります。

このように制限を課すと、
外国人だけでなく、日本人も困る場合があります。


在留3ヶ月で国民健康保険の資格を取得できるなら、
その3ヶ月間の活動実態を証明させて、
名目だけの在留で国民健康保険に加入する人を減らすのも手です。


とはいえ、

外国人であっても、
保険料を支払って制度を利用しているでしょうし、
納税もしているのですから、

そういう人まで排除しようとするのは難しいでしょう。

 

 

 

健康保険証の不正な貸し借りは防げる。


健康保険証には顔写真は付いていません。

そのため、
券面に表示されている人の名前を名乗れば、
他人でも使えてしまいます。

「1日1,000円で健康保険証を貸します」
なんていうレンタルをしている人も
世の中にいるのではないかと想像します。


病院の窓口では
保険証を詳しくチェックしないし、
ザッと見て確認したら保険証を本人に返します。


電話やネットで

正規の保険証なのかどうか
持ってきた人のものなのかどうか

などと調べたりはしません。

 

在留カードとの照合は難しいと言われていますが、
カードにQRコードを付ければ、
照合作業を簡略化できます。


健康保険証と在留カード、この2枚のQRコードをリーダーで読み取り、
コンピューターで照合して、
持ち主かどうかを判定することは可能でしょう。

QRコードリーダーを医療機関に配布して、
それをオンラインでデータベースに接続してもらい、
照合作業を簡単にできるようにします。


病院の窓口では、
QRコードをカードリーダーにかざすだけですし、

照合作業はコンピューターに任せ、
その判定結果を見て、不正に貸し借りされた健康保険証ではないかを判断すればいいでしょう。


人間がカードを目で見て確認すると時間がかかりますが、
QRコードを読み取るだけなら短時間で済みます。

 

 


マイナンバーカードで管理するのもアリ。


近い将来、
マイナンバーカードを保険証として使えるようになりますが、


マイナンバーカードが健康保険証になれば、

  1. 財布やパスケースに入れるカードが減る。
  2. 保険証を発行、回収する手間がなくなる。
  3. 利用者認証が容易。ICカードリーダーで読み取り、サーバーと通信して本人確認。
  4. 顔写真が付いているので他人が利用しにくい。

という利点があります。

 

マイナンバーカードが保険証に。今の保険証は使えなくなるの?

 

持ち歩くカードが減れば、紛失するリスクも減ります。

パスケースの中のカードは増えがちで、
キャッシュカードや電子マネーカード、ポイントカードなど、
油断するとドンドンとパスケースが太っていきます。

スマホの中にマイナンバーカードを入れるという案もあるようですし、
さらに便利になるでしょうね。

早く実現して欲しい スマホにマイナンバーカードが入るとこんなに便利


保険証を発行して、
本人の手元に届くまでには数日かかりますし、
会社に届いても、そこから本人に渡されるまでさらに時間がかかるんです。

退職するときは、会社に保険証を渡して、
そこから健康保険協会に回っていくので、
これまた時間がかかります。

中には、退職した後に保険証を使ってしまう人もいますからね。


マイナンバーカードならば、
被保険者資格の取得、喪失についてデータを書き換えるだけですから、
手続きが早いですし、カードのやり取りもありません。

電子申請で被保険者資格の得喪手続きをすれば、
入社日当日から健康保険を使えるようになるでしょうし、
退職時も、退職日の翌日には健康保険を使えなくなるでしょう。



病院で、
マイナンバーカードのICチップを読み取って、

健康保険の被保険者資格があるかどうか
本人かどうか

を確認するのも難しいものではありません。

「ピッ!」とカードをICカードリーダーにかざすだけで、
健康保険のデータベースに照会をかけて、
利用者チェックができます。


外国人にも、マイナンバーカードを発行し、
ガッチリと管理すれば、
保険証の貸し借りはできなくなります。


QRコードを使って、
健康保険証と在留カードを照合するのも良いですし、

マイナンバーカードで利用者を確認するのも良いでしょう。


保険証の貸し借りを防ぐ仕組みを作るのは難しいことではありません。

 

 

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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