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【通勤ラッシュを避ける方法】 東京都内で働く人には交通費よりも住宅手当を出す。

 

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通勤ラッシュを解消する気がない人たち。


通勤ラッシュは度々話題になりますが、
いつまでたっても解消する気配がありません。

 

東京都内が職場で、自宅が片道1時間以上離れた郊外にある。

そういう生活だと、
毎朝、ぎゅうぎゅう詰めの電車に乗らないといけないんです。


「こりゃあ、酷いですねぇ、、」
「何とかしないといけないでしょうねぇ」
「やはり政府が動かないと」


こういうご意見が出てくるばかりで、

「じゃあ具体的にどうするんだ?」

という点については有耶無耶のまま。

 

 


交通費と住宅費の性質。両者はお互いに逆の性質を持っている。


住宅費用は、

人が多い場所は高くなり、人が少ないと低くなります。

 

不動産は有限の資源ですから、
需要が多ければ、住宅費用は高くなります。

 

東京の千代田区だと、
1平方メートルで約300万円(こんな小さい土地で、この価格!)。

宮崎県椎葉村だと、
1平方メートルで約2,000円です(高校生のバイト代で土地が買えますね)。

両者の差は、1,500倍です。

 

同じ面積の不動産でも、
場所が違えば、これほどの差になるんですね。


標準地・基準地検索システム~国土交通省地価公示・都道府県地価調査~


リゾート地として有名な
北海道のニセコでも
1平方メートルで約10,000円ですからね。

東京の不動産がいかに高いかがよく分かります。


このように、
人が多く集まる場所は住宅費用が高くなるのです。

 

 

一方、


交通費は、

人が多いと安くなり、人が少ないと高くなります。

 

住宅費用とは逆です。

 

電車やバスは、
利用者が多いほど運賃を下げやすく、
規模の経済性を発揮しやすいためです。


12両編成の新幹線で、
1,000人の乗客を乗せて走っても、
1,001人の乗客を乗せて走っても、
かかる費用はほぼ同じです。

限界費用がほぼゼロになる交通機関は、
なるべくお客さんがたくさん乗ってくれる方が収益が多くなります。

空気を運ぶよりも、人を運ぶ方がいいですからね。


たくさんのお客さんが乗ってくれると、
収益が多くなり、
よりリーズナブルな運賃で乗ってもらうことも可能になります。


都市部だと乗客が多くなりますから、
より低運賃で電車に乗れる可能性が高いでしょう。

 

しかし、

地方だと、
電車を走らせてもガラガラで、
人よりも空気のほうが多い。

そんな路線を維持するためには、
運賃を上げて、
経費を賄うための費用を集めないといけなくなります。


ゆえに、
都市部では交通費が安くなり、
地方都市だと高くなる傾向があります。

 

 

 

東京都独自に住宅手当を税制で優遇する。


住宅手当と交通費の性質を踏まえれば、

都市部では住宅手当を優遇し、
地方都市では通勤手当を優遇する方が理にかなっています。


そこで、
東京都内で働く人に対して、
住宅手当への減税を実施します。


住宅コストが高いのが東京に住む人の悩みで、
家賃10万円でも質素なマンションしか住めません。


具体的な仕組みは以下の通り。

 

企業

職場の近くに住む人に住宅手当を支給します。

例えば、
半径1km以内と指定し、
職場から近いほど住宅手当が多くなるように。

 

手当の額は、
住宅費の半額を補助し、
上限額は8万円に。

この住宅手当だと、
16万円のマンションに8万円で住めます。

 


東京都

地方税で住宅手当を支給する企業に減税を実施します。

 

国税だと日本全体を対象にしてしまうので、
地方税で実施するのが妥当です。

減税するとなれば、
東京都の税収が減るので、
減った分は政府が補填する。

 


政府

職場の近くに住む人は交通費をほとんど支出しない、
もしくはゼロですから、
通勤交通費に対する減税も僅かなものとなります。



電車・バス通勤者の通勤手当(国税庁)


そのため、政府の税収が増えるので、
それを東京都へ回します。


政府から東京都へ税収を移転させて、
減税のための原資を作り、
企業が住宅手当を出すようにインセンティブを与えるのです。

 

自宅から歩いて数分の距離ならば、
電車やバスに乗ることなく
通勤ラッシュで消耗することはありません。


数年前に発表された「時差biz」よりも具体的な施策だと思います。

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増えた政府の税収を
減税で税収が減った東京都に回して、
それを原資に、東京都内に住む人の住宅手当を優遇する。

 

通勤ラッシュを解消するのは難しいですが、
都内に住めば、それを回避することは可能です。


新幹線で東京まで通勤するなどという話もありましたが、
これはもう常軌を逸しています。

新幹線で通勤できるぐらいの経済力があるならば、
なぜ東京都内に住まないのか。

本当に不思議です。

 

 

 


「働き方改革」の嘘: 誰が得をして、誰が苦しむのか

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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