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就活生への脅しは通用する? 北風と南風の人材採用

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「他社の選考を辞退しろ」はもう逆効果だ

2016年卒の新卒求人倍率は1.73倍と売り手市場だったが、2019年卒は1.88倍となり、さらに採用が難しくなっている。オワハラはひどくなったのか、それとも是正されたのか。

2019年卒就活生によれば、オワハラが「ある」とする文系学生は23%、理系学生では20%だ。残りは「ない」と回答している。データを見ると、オワハラは少ない、という印象を持つだろう。確かにそれほど多くはないが、この調査が6月に行われたことに注意する必要がある。

6月時点の内定率は7割前後で、約3割の学生は内定を得ていない。また内定学生に対し全員にオワハラをするわけではない。オワハラをする企業は一部だし、その一部の企業もつねにオワハラするわけではない。数字の背景を想像すると、20%台は妥当に見えてくる。

 


「内定は出す。その代わり他社の内定は辞退してくれ」

これが「オワハラ」です。


せっかく内定を出して採用しようと思っていたのに、
辞退されてしまったら、
時間や労力が無駄になりますからね。

採用する側としては、
内定を出す以上、確実に入社して欲しいと思うのは当然です。

 


数合わせのために内定辞退を阻止する。


新卒を一括で採用していると、

「今年は80人採用する」
「170人は確保しろ」

などと、採用人数に目標があり、
その人数を揃えるために採用活動をするところもあります。


無理に数合わせをしようとすると、
オワハラが発生しやすくなります。


例えば、

80人を採用するところに、
内定を80出して、
後ほど内定を辞退されてしまうと、
目標人数に足りなくなります。


そのため、

内定を出すからには確実に入社してもらわなければ
と採用担当者に思わせてしまうんですね。


採用数に幅を設けて、
60人から90人の間で採用するとしておけば、
多少の辞退者が出てきても、
目標数の範囲内で収めやすいでしょう。

この方法だとオワハラを減らす効果を期待できそうです。

 


学生 島耕作 就活編(1)

 

 

他社の内定を断っても安心できない。


他社の内定を断った挙げ句、
断れと言ってきた会社の内定も取り消されたら、
これは悲惨です。

他の選択肢を全て捨てるということは、
交渉のカードを全て捨てることと同じです。

つまり、逃げ道がなくなります。


逃げ道がなくなれば、あとは企業側の思いのままです。


「せっかく内定を出してくれた企業を断る薄情な奴は採用せん」
なんて言われて(アンタがそうしろと言ったくせに)、

絞った1社から内定を切られたら、、、。

一気に内定ゼロの学生になります。


悪いことを考える人というのは、
掌を返すのも早いですからね。

 

 


押し売り営業。ほのぼの営業。


オワハラが嫌われるのは当然です。

相手から脅されて、喜んで行動する人はいません。


自宅を訪れた営業員から

「買ってもらわないと帰りませんよ」

と言われて、嬉しいと思う人はいないはずです。

 

逃げ道を塞ぐと、かえって人は逃げるもの。


物を売るのが上手な人というのは、
相手に強要しないタイプが多いんです。

しゃべるのが上手い人よりも
物静かな人の方が営業成績が良いことも。

グイグイと押していくタイプは、
積極性があって良いものの、
こと営業となると、その性格が裏目に出ます。


一方、物静かではあるものの、
相手の立場に立って考える人ほど
営業では良い結果を出すもの。

例えるならば、
「ほのぼの営業」
ですね。

 

つまり、

【自分の都合を優先する人からは人は離れていく】

というわけ。


じゃあどうすればいいのかというと、
先程の内容を逆転させて、

【他者の都合を優先する人に人は集まっていく】

と考えればいいのでしょう。

 

 


内定辞退するための逃げ道を用意してあげる。


オワハラ企業がある一方で、
オワハラしない企業もある。

では、人材採用ではどちらがうまくいくか。


あなたが就活生だとして、

とある会社から
「他社の内定を断らないと、ウチの内定は取り消すよ」
と言われた。

他方、

別の会社からは、
「他社の内定が出揃ってから決めてくれて構わない」
と言われた。


では、あなたはどちらの会社を選ぶか。


相手を脅して、逃げ道を塞ぐ人。

逃げたければ逃げてもいいよ、と逃げ道を残す人。

 

前者の方が人材採用で成功しそうですが、
フェアな態度を取ってくる人には、人は反発しにくいもの。

内定を辞退しろと言われれば、
「何で辞退しなきゃいけないんだ」
と反発するでしょう。


しかし、

辞退したいならしてもいい。
他社の内定が出てから決めてもらっていい。

このように言われてしまうと、
何だか辞退するのが申し訳なくなるんです。


『北風と太陽』のエピソードで例えるならば、

オワハラが北風で、
辞退しても構わないという態度が南風です。

 


きたかぜとたいよう


 

内定辞退を防ぎたければ、
逃げ道を用意して、
内定を辞退できるようにしておけばいいのではないか

、という考え方もあります。

 

採用担当者としては、
内定を辞退される怖さはありますが、
想像しているほど辞退者は出てこないのではないでしょうか。


フェアな人や組織が好まれる時代ですから、
強引に相手に行動させるような対応は嫌われるのでしょうね。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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