他の人が休みなので自分も休みにされた。休業手当は必要?

f:id:ma95:20180815153816p:plain

 

 

 

 

会社側、つまり使用者の都合で休みにされると、
休業手当という名目で給与を支払わないといけない

これが法律です。

 

仕事をしていなくても、
給与を払わないといけなくなるんです。

 

 

他の人が休みで、1人だけ出勤しても仕方ないので休みに。


例えば、

とある日に、
業務上の理由で、
日付が変わる深夜まで残業が発生した。

 

午前1時20分とか、
外が真っ暗で、
電車も動いておらず、
人が道を歩いていない。

そんな時間まで残業だったとしましょう。

 

ずいぶんと遅くまで時間がかかったので、
残業が発生した当日に出勤していた人に対し、
翌日の仕事を休みにした。

 

午前1時頃まで仕事をして、
翌日は朝からまた出勤となればシンドイですからね。

「じゃあ、次の日は休みにしようか」
と判断したわけです。

 


しかし、
残業が発生した当日に
休みだった人がいたらどうなるか。

 

午前1時20分まで残業した日に
たまたま休みだった人がいた。

その人は残業していませんから、
翌日の仕事を休む必要は無いはずです。


疲れていませんし、
休んでいたのですから、

「よし明日は仕事だ」
と気合が入っている。


ところが、
残業した人たちは休みになっているのですから、

仮に元気に1人だけ出勤したとしても、
他の人がいません。


自分1人だけ出勤しても、
仕事ができるわけではなく、

「じゃあ、あなたも休みに」
と会社側は指示したいところ。


ですが、

休まされる本人としては
出勤するはずが一方的に休みにされてしまい、

「休業手当が支給されるのでは?」
と考えた。


労働者本人には責任は無く、
使用者側の都合で休みにされたわけですから、
休業手当を支払うべきなのではないかと
考えるのも当然です。

 


会社の都合で休ませたら、給与が必要。


他の人達が休みになっているため、
1人だけ出勤しても仕方ないので休みにさせた。

確かに、そういう場面もあるでしょう。


しかし、

当の本人にとっては、
休まされる理由は無いですし、
雇用契約に基づいて出勤するところ。

それを会社側の判断で休みにしてしまうとなれば、

「使用者の責に帰すべき事由による休業」(労働基準法26条)

に該当しますから、

休みになった日の給与(平均賃金の100分の60以上の手当)
を支払わないといけなくなります。

 


他の例でも、

週4日出勤で契約しているのに、
週3日に減らしたとか。

火曜日は出勤するはずなのに
休みにされてしまったとか。

こういう場面でも休業手当が必要になります。

 

 

 

休業を回避するには振替出勤。


他の人が休みでいないので、
あなたも休みに。

このまま普通に休みにしてしまうと、
休業手当が必要になります。

 

しかし、

【休みにするけれども、
代わりに他の日の休みを出勤日に変えて】

というように
振り替えれば、
休業にはなりません。

 

代替案もなく、
「この日は休みにして」
と言ってしまうと、
休業手当が必要です。

 

けれども、

「この日は休みにして。
その代わり、この日は出勤して」

このように振り替えれば、
休みになった日は休業になりません。

 
例えば、
火曜日を休みにした代わりに、
休みの予定になっている木曜日を
出勤日に変えてもらう。


これで火曜日は休業になりません。

 

 


休業手当はキャンセル料や違約金と同じ。


【なぜ働いてもいないのに給与を支払うのか】

休業手当に対する疑問の多くはこの点に
集まるはずです。


なぜ休業手当という仕組みがあるのかというと、

出勤する日を一方的に休みに変えてしまうのは、
「買う」と約束したものを
ドタキャンして「要らない」と言うようなものです。

 


例えば、

ホテルや旅館を予約したとき、
キャンセル日に応じて
キャンセル料が設定されています。

1ヶ月前までならば、キャンセル料0%。
2週間前までならば、キャンセル料20%。
1週間前までならば、キャンセル料30%。
前日までならば、キャンセル料50%。
当日キャンセルは、キャンセル料100%。

あくまで一例ですが、
このようにキャンセル料が設定されています。

 

宿泊すると予約した後は、
宿泊施設側も準備を始めますし、
他の予約を断ることもあります。

機会を逸失させて予約を受けているのですから、
キャンセルされてしまうと、
部屋がポッカリと空いてしまい、
収益を得られなくなります。

そのため、
解約する時期に応じて
キャンセル料が決まっているのです。


雇用契約もこれと同じです。


労働力を買うと
雇用契約で約束したのですから、

使用者の一方的な都合で
休みにしたり、出勤にしたりはできないのです。

 

約束を反故にした場合は、
その補償として休業手当を支払わないといけない。

これが雇用契約です。

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
E-mail : mail@ymsro.com
お問い合わせ

© 社会保険労務士 山口正博事務所