特例を実施 休業時に利用できる雇用調整助成金の条件が緩和される。

 

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2008年の12月や2009年の初め頃、

雇用調整助成金の受給手続きをする
事業所が多くて、

労働局の窓口で2時間待ちになった経験があります。

作成した書類を出して、
受理印を押した書面を受け取るだけでしたけれども、
待ち時間は長かったですね。


2018年7月の大雨の影響を鑑みて、
雇用調整助成金の受給条件が緩和されています。

 

 

 

以前は2種類あった。


もう10年ほど前のことですが、

当時は、中小企業向けのものが

『中小企業緊急雇用安定助成金』

と呼ばれており、

雇用調整助成金と中身は同じだったものの
名称が分けられていました。

 

 

 

雇用調整助成金は休業手当を補助する助成金。


助成金というと、
ドバっとお金が入ってきて、

美味しいイメージがありますけれども、

雇用調整助成金は、
休業手当として支払った費用の一部を補助するものです。


休業手当というのは、
労働基準法26条(以下、26条)に書かれている手当のことです。

使用者の責任で従業員を休業させると、
給与の60%以上を支払わないといけない
というもの。

 

仮に、
休業手当として8,000円支払ったとすれば、
そのうち4/5(中小企業)もしくは2/3(大企業)
を助成金として受け取れます。

 


中小企業を想定すると、

8,000円の4/5だと、
6,400円が助成され、
残りの1,600円は会社が負担します。


雇用調整助成金を利用しても、
助成金が手元に残るものではなく、

営業が停止しているものの、
現金は少しづつ減っていきます。

 

 


仕事をしていなくても支払うのが休業手当。


休業手当について説明すると、

「休ませているのに給与を払うの?」
と反応する方がいらっしゃいますけれども、

休ませてしまうと給与を払わないといけなくなるんですね。


例えば、
週4日勤務で契約しているところ、

最近、暇だからといって、
週3日出勤に変えて、残り1日を休みにさせると、

休んだ1日が休業になります。


雇用契約を更新して、
週3日の内容で再契約すれば、
話は別ですが、

週4日契約のまま、
出勤日を1日減らしてしまうと、
26条の休業になります。

 

 


雇用調整助成金の対象となる事業所。


平成30年7月の大雨の影響で、
以下の内容に当てはまると、
雇用調整助成金の対象になります。
※生産指標など他の条件もあります。


- 取引先の浸水被害等のため、原材料や商品等の取引ができない場合。

食品工場が浸水して製品を作れない。
そのため、小売店から注文した商品が届かない。

こういう例はあるでしょうね。

工場側はもちろんですが、
発注先を絞り込んで商品を仕入れている事業所も
連鎖的に影響を受けているのではないかと思います。


- 交通手段の途絶により、来客がない、従業員が出勤できない、物品の配送ができない場合

例えば、

道路が土砂で寸断されているため、
お客さんが温泉旅館まで行けない。

このような場面でしょう。


他には、
- 電気・水道・ガス等の供給停止や通信の途絶により、営業ができない場合


- 風評被害により、観光客が減少した場合

岡山県の倉敷市は洪水になりましたけれども、
美観地区はほとんど影響はなく営業しています。

ですが、
テレビで報道される映像を見て
「倉敷市全域が洪水になったんだろう」
と思っている方も多いでしょうし、

「美観地区にも行けないねぇ」
と誤解している方もいらっしゃるはず。

これも一種の風評被害でしょう。


あとは、

- 事業所、設備等が損壊し、修理業者の手配や修理部品の調達が困難なため、

- 早期の修復が不可能であることによる事業活動の阻害

という場合も助成の対象になります。

 

 


支給限度日数が100日から300日に。


雇用調整助成金の支給限度日数
が300日まで拡張しています。

この支給限度日数とは、
助成金が支給される休業の日数限度です。

 

連続して300日、休業する必要はなく、
間を空けながら休業をして、
その累積日数が300日になるまで
雇用調整助成金が支給されるというもの。


仮に、

7月の休業日数が合計で12日だとすれば、
300日 - 12日 = 288日。

この場合、
雇用調整助成金が支給される残りの日数は
288日となる計算です。

 

 

 

雇用保険に加入して6ヶ月未満でも対象に。


4月に採用された後、
7月に大雨が降ったため、

採用されて間もない従業員が働く職場も
あります。

このように、
雇用保険に加入して、
まださほど時間が経過していない人がいる事業所であっても、
雇用調整助成金の対象とする特例が実施されています。


その他の特例は、リーフレットでご確認ください。

平成30年7月豪雨の災害に伴い「雇用調整助成金」の特例を追加実施します!(厚生労働省)

 


営業を再開すれば、助成金も止まる。


休業して、休業手当を支払えば、
助成金が支給されます。

しかし、

営業を再開すると、
休業しなくなりますから、
助成金も止まります。


ただし、

月の半分は営業して、
残りの半分は休業(雇用調整助成金を利用)
という割り振りは可能です。

 


雇用契約を解除するのを回避して、
それを維持するのが雇用調整助成金の目的ですから、

じっと助成金を受け取っているだけでは前に進めません。

キャッシュもジリジリと減っていきますし、

どこかのタイミングで休業モードを終了して、
営業を再開させないと、
事業所は「ゾンビ状態」になります。

 

営業を再開する目処が付く事業所で、
雇用調整助成金を使って一時的に凌ぐというのならば、
一つの選択肢として良いだろうと思います。

 

 

 

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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