月の途中で退職したら社会保険料はどうなる?

 

退職手続

 

 

 


退職するとなると、
いつ退職するか、悩むところです。

 

仕事の引き継ぎがあって、
退職書類を書いて、
残った有給休暇をスケジュールに入れ、
退職日を決める。

さらに、
退職した後の健康保険や年金をどうするか。

退職すると、
家族の健康保険も変わる場合があり、
こちらの手続きも必要でしょうね。

 

普段は会社任せで事務処理が進むところ、
退職するとなると自分でやらなければいけない
ことがドドッと押し寄せてきて、

「さて、どうしたものか」

と困ってしまう。

 

 

 


退職日をいつにするか。


本人が決めることですから、
どの日にするかは自由です。

 

給与計算の締め日を退職日にする。
月末日を退職日にする。
任意で適当に決めた日に退職する。

10日に退職、
15日に退職など、

人によって退職日はバラバラです。


どの日を退職日にしても
それは有効なのですけれども、

社会保険のことを勘案して
退職するとなると、

適当に決めるというわけにもいかないところ。


給与の締め日や月末だとキリが良く、
退職日にする人も多いのではないでしょうか。

 

もちろん、
そういう決め方でもいいのです。

 

では、社会保険料のことを考えて
退職日を決めるならば、
いつがいいか。

 

 

 


社会保険料がかかるのは「退職した月の前月まで」。


例えば、
7月20日を退職日としたら、
社会保険料はどうなるか。

 

この場合、
社会保険から脱退(被保険者資格を喪失)するのは、
退職日の翌日である21日。

 

さらに、
社会保険料がかかるのは、
前月である6月分まで。


つまり、
7月20日に退職すれば、
6月分までの社会保険料が必要になるわけです。
(7月分は不要)


ちなみに、

社会保険料とは、

  1. 健康保険料
  2. 厚生年金の保険料
  3. 介護保険料

この3つがセットになったものを意味します。

 

 

 

 

 

有給休暇を使っている間は在職中になる。


退職までに有給休暇を使ってしまう方も
いらっしゃるでしょう。


先程の例を使って書くと、

7月1日から20日まで、
出勤せずに有給休暇だけを使っている場合。

退職日は7月20日です。

出勤しなくなった日が退職日ではなくて、
有給休暇を全部使い切った日が退職日になります。


7月1日から20日まで
ずっと有給休暇を取っていても、
給与は出ていますから、

雇用保険料はかかります。

 

一方、

社会保険料は6月分までですから、
7月分はありません。

ただし、6月分の社会保険料が
7月の給与から控除されます。

 

 

 

健康保険証は退職日まで使える。


退職日の翌日に社会保険から脱退します。

つまり、
退職日までは社会保険に加入している状態です。


先程の例だと、
7月20日までは健康保険証を使えるんですね。

21日以降は、保険証を会社経由で返却します。

 

手元に健康保険証があるからといって、
使ってはダメですよ。

返却が数日遅れても支障はありませんが、
21日以降は保険証を使えなくなります。

 

「使えなくなる」と書きましたが、
病院の窓口に保険証を出すと、
3割負担で利用できてしまいます。

 

しかし、
後から残り7割(保険で支払われた部分)
を請求されます。

 

20日までは保険証を持っておき、
21日以降は、早めに保険証を返却します。

 


将来、
マイナンバーカードが保険証になれば、
保険証を返却する必要もなくなります。

 

発行する必要は無いし、
事業所まで郵送することもなく、
本人に渡す必要もない。

 

さらに、
退職時に返すこともない。

 

早くマイナンバーカードを保険証
として使えるようになるといいですね。

 


健康保険から脱退した後は、

  1. 今の健康保険を任意で継続する。
  2. 国民健康保険に入る。
  3. 親族の健康保険を使って被扶養者になる。
  4. しばらく無保険で過ごす(非推奨)。

選択肢は4つあります。

 

1の任意継続を選んだ場合は、
保険料は全額負担になりますけれども、
保険料に上限があります。

在職中だと、
健康保険料は月額14万円ぐらいまで上がります。

 

一方、
退職して、
任意継続で健康保険に入った場合は、
月額3万円程度が保険料の上限になります。

 

そのため、

在職時に健康保険料を
毎月10万円(会社負担分と本人負担分を合算したもの)
ほど払っていた方は、

退職後、健康保険を任意継続すると、
在職時よりも保険料が下がるはずです。

 

保険料が全額負担になると、
在職時よりも健康保険料が上がると思われがちですが、
全員がそうなるわけではありません。

 

【知ってました?】税金に上限は無いが社会保険料には上限がある。

 

 

 

 

月末の1日前に退職すると有利?


調べていると、

退職するならば、
「月末の1日前が良い」

という情報を聞いたり、見たりします。


なぜ、
月末ではなく、
月末の1日前なのか。


例えば、
7月の月末に退職すると、

退職日は7月末。
(7月31日)

社会保険から脱退するのは、
8月1日になります。

この場合、
8月分の社会保険料は不要ですが、
7月分の社会保険料が必要です。

 

 

では、
月末の1日前だと、どうなるか。

退職日は7月30日。

社会保険から脱退するのは、
7月31日。

この場合、
7月分の社会保険料は不要で、
6月分までの社会保険料で足ります。


支払う社会保険料が
1ヶ月分だけ違うので、

月末に退職するならば、
1日前が良いと言われるのです。

 

金額の差としては僅かですけどね。

 

 

 

 

雇用保険料は日割り計算できる。


社会保険料は退職月の前月までですが、
雇用保険料は退職月も支払います。


雇用保険料は、
実際に支払われた給与で計算します。

社会保険料のように、収入が増減しても一定
というものではないです。


仮に、雇用保険料が
0.3%だとすると、

1ヶ月働いて、月収50万円ならば、
雇用保険料は1,500円。


月の途中(20日)で退職したとしたら、
月収を34万円と考えて、
雇用保険料は1,000円です。


一方、

社会保険料は、仕事をしない日があって
給与が減ったとしても、
減りませんから、

社会保険料30%で計算すると、

月収50万円でも、
月収34万円でも、

社会保険料は15万円です。


ゆえに、
雇用保険料は、
社会保険料のように前月までではなく、
実際に支給された給与で計算するのですね。

 

保険料の額が小さいですから、
影響はほとんどありませんよね。

 

 

 

月の途中で退職するのは損なの?


この点は先程書きましたが、

例えば、
7月20日で退職したらどうなるかというと、

これは、
月末の1日前に退職する場合と同じ扱いです。

社会保険料だけを考えれば、同じです。


6月まで社会保険料が必要で、
7月分の給与から社会保険料が控除されます。

この点は、
20日退職でも、月末退職でも同じ。

 


しかし、給与明細を見ると、
7月の給与から社会保険料が控除されている。

「あれ? 7月分の社会保険料は必要無いんじゃないの」
と思う方もいるでしょうが、

7月の給与から控除される社会保険料は、
前月の6月分です。


1ヶ月の時間差があり、
給与明細には「社会保険料」としか
書かれておらず、

それが6月分なのか、

それとも、

7月分なのか分からない
方もいらっしゃるでしょう。

 

社会保険料は前月分が当月に控除されるため、
1ヶ月の時間差があるんですね。

 

 

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山口正博 社会保険労務士事務所
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