あやめ社労士事務所 - 労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

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出勤や退勤の打刻を忘れたら欠勤になる?

アナログだが使いやすいタイムカード

労働時間を記録する方法は色々とありますが、
最もよく使われているのは、

タイムカードでしょう。

 

 出勤のボタンを押して、
カードを入れると、

出勤の欄に時間が印字される。

また、

退勤のボタンを押してカードを入れると、
退勤の欄に時間が印字されます。

 
実にアナログな装置ですが、
今でも使われているんですね。


FAXみたいなものです。

あんなに不便で、
料金も高い(1通で50円ぐらいかかる)し、
おまけに不鮮明な印字しかできない。

けれども、まだFAXを現役で使っている事業所もあります。

文書をスキャン(スキャナーでもいいし、スマホのカメラを使ってもいい)して、
メールやオンラインストレージで相手に送ったほうが
遥かに早くて、確実で、低費用なのですが、

それでもFAXを使うんですね。


タイムカードも、FAXと同じぐらいレガシーな装置ですが、
シンプルであり、誰でも使えるため、今でも使用されているのでしょう。

 

 

出勤時や退勤時にタイムカードの打刻を忘れた

出勤したら、タイムカード機にカードを入れる。

仕事が終わったら、またタイムカード機にカードを入れる。

 

単純な作業ですが、人の手でやることですから、
ときに忘れてしまいます

出勤するときにタイムカードを入れるのを忘れて、
仕事が終わった段階になって、

「あっ! 来たときにカードを入れるのを忘れてた」
なんてことも。

これ、ありがちですよね。


他にも、

出勤時は、「出勤ボタン」を押して、
カードを入れる必要がありますが、

前の人が使ったときに「退勤ボタン」を押したままになっていて、
出勤なのに退勤の欄に出勤時間が印字されたり。

これも、あるあるな出来事。


さらに、

仕事が終わったときに、
タイムカードのことを忘れていて、
そのまま帰っちゃうとか。

 

人のやることですから、
忘れてしまうときもあります。

では、打刻を忘れてしまったら、
どうなるのか。

 

 

打刻を忘れたら欠勤になるの?

時間が記録されていないと、
働いた時間が分かりません。

始業時間が記録されていなければ、
何時から仕事を始めたのか分かりません。

また、

終業時間が記録されていないと、
仕事が終わった時間が分かりません。


時間が分からないと、給与を払えない。

だから、

「打刻を忘れたら、欠勤にします」

という会社もあるようです。


労働時間を記録するのは大事ですし、
記録されていなければ給与計算にも支障があります。

しかし、

打刻を忘れただけで、欠勤にするのはダメです。

 


出勤時間や退勤時間が記録されていないとしても、
実際に仕事をしたとなれば、
それに対して賃金を払わないといけないのです。

 

例えば、

10時から15時までの勤務シフトで、

出勤打刻を忘れて仕事を始めてしまい、
15時に仕事を終わる段階になって、
「あっ! 忘れてた」と気づいたらどうか。

5時間は仕事をしていたものの、
出勤打刻を忘れただけで、
5時間が無賃労働になるのか。

これで欠勤にしてしまったら、
賃金未払いになります。

 


打刻を忘れたのは本人の責任ですが、

打刻を忘れても、
実際に仕事をしたならば、

それに対しては給与を払わないといけません。


当日、出勤していた人から聞けば、
本人が出勤していたのかどうかは分かります。

相互に確認して、
あとから出勤時間を記録することは可能です。

 

ゆえに、

出勤打刻や退勤打刻を忘れたことをもって、
直ちに欠勤としてはいけません。

打刻を忘れたとしても、
実際に仕事をしていたと確認できれば、
後から時間を記録して修正します。

 

 

「打刻忘れ」や「打刻漏れ」を後から修正していいの?

タイムカードや磁気ストライプカード(IDカードなど。キャッシュカードに似ている)で時間を打刻していると、ときにはミスが起こります。いわゆる「打刻忘れ」や「打刻漏れ」ですね。

出勤したときに出勤の打刻をするのが通常だが、うっかり打刻を失念して後から気づいたり。また、退勤するときに何らかの理由で急いでいて、退勤の打刻を忘れてしまったという場面は少なくないですよね。私も過去に経験があります。

 

出勤や退勤の打刻を忘れたら欠勤になる? この点も気になるところです。

そこで、「打刻忘れ」や「打刻漏れ」が起こると、後から手作業で修正する必要があります。例えば、タイムカードだと、間違った箇所にボールペンで二重線を引き、その上や下に正しい時刻を記入して、上司の印鑑をもらったりします。「もう、しょうがないなぁ、、、」と言われたりします。他方、磁気ストライプカードだと、おそらくサーバー上で勤怠を集計しているのでしょうから、勤怠データを出力した紙に、ボールペンで修正し社員の印鑑を押すという方式を採用しているかもしれませんね。


要するに、どのような時間管理であて、「打刻忘れ」や「打刻漏れ」が発生すれば手作業で修正するわけです。


そこで、手作業で修正することは良いのかどうかが問題になります。

「客観的に勤務時間は記録されるべき」という一般通念(?)がありますからね。

 

 

修正自体は可能。ただし、「勤務時間を減らす方向への修正」には気をつけたい。

勤務記録を修正することはもちろん可能です。正確な勤怠記録が常に実現できるわけではないですから、修正自体はできないと困りますからね。

修正したかどうかよりも、正しく勤怠情報が記録されているかどうかが重要です。

ただ、修正の方法がキチンとしていないと社員さんも困ります。

手作業で修正すると、「会社が勤務記録を改ざんしているのでは」疑問を持たれることもあるでしょうから、何らかの手続きフローを決めておくのが良いでしょうね。

 

例えば、「修正前の記録」と「修正後の記録」の両方を残すという方法があります。

間違った記録を消して、新しい記録で上書きすると、以前の記録が消えてしまいますので、「修正前の記録」と「修正後の記録」の両方を残し、不正を防ぎます。


他には、給与明細と一緒にタイムカードのコピーを社員に渡すのも有効です。給与明細の内容とタイムカードの内容を照合できますから、社員さんも安心できるでしょうね。

ちなみに、給与を締めた後、1ヶ月分の勤怠記録を確認してもらい、サインなり印鑑をもらうという手順があれば、タイムカードのコピーが無くても勤怠チェックができます。

 

また他の手段として、「勤務時間を延ばす方向への修正は可能」だが、「勤務時間を短縮する方向への修正はダメ」という方法もあります。

つまり、記録では19時退勤となっているものの、実際には19:40なので修正するというのは構わないものの、一方、記録では19時退勤となっているものの、実際には18:40なので修正するというのはダメというものです。

「実際が18:40なのだから修正してもいいじゃないか」と思うでしょうが、無賃労働を防ぐ効果はあるのではないでしょうか。

 

勤務記録の修正方法については法律で決めていませんので、会社ごとに対応を決めて運用します。

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