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働き方改革のキッカケになる? 労務診断ドック

 

 

 

 

2017年の秋頃から、
社労士業界では、

「労務診断ドック」

というものが作られており、

社労士向けの会報でも宣伝されています。


ドックという名称から推測できますけれども、

人間ドックを労務に応用したものと考えていただければ良いかと。

 

労務診断ドック(全国社会保険労務士会連合会)

 

 

労務診断ドックとは何?


人間ドックは、人間の健康状態を調べる診断。

一方、

労務診断ドックは、企業の労務管理がどうなっているか、
また、今後どうなるかを診断するもの。


とはいえ、根掘り葉掘り、色々と調査するものではなく、

チェックシート(宣言シート)に書かれた内容に「はい」と答えて
宣言するのが、その中身です。


胃カメラは無いし、

大腸カメラも無い。

MRI検査も無ければ、

採血や採尿も無し。


あれこれと検査するのが人間ドックですが、
労務診断ドックはまだ始まったばかりで、

自己申告で宣言シートに記入するだけで終わります。

作業そのものは。

 

 

 

宣言シートでは、何を宣言するの?


端的に言うと、

「ウチの会社ではチャンと労務管理ができています」

と宣言するのが目的ですが、

形式的なものではなく、
宣言シートの中身は具体的です。


ちなみに、

「働き方改革取り組み宣言シート」

という名称が付いています。

 

働き方改革取り組み宣言シート

 

 

一例としては、

「休日出勤・残業を命じるために必要な届出(36協定)を締結・提出している。
若しくは、今後、36協定を締結・提出するための取組みを行う予定である」

という項目があります。

この項目に「はい」と答えられるかどうか。


休みの日に出勤したり、
法定労働時間を超えて従業員を働かせるには、

「36(サブロク)協定」を締結して、
労働基準監督署に提出している必要があります。


割増賃金である残業代を払えば、
残業できるというものではなく、

事前準備として36協定が必要なんですね。


「休日に仕事をしない職場だし、
法定労働時間を超えるような勤務時間にもならないよ」

そういう職場ならば、36協定を締結する必要は無いのですけれども、

実務では、一応ながら36協定を提出しておくのが通例です。

36協定が締結して、提出されていないと、
労働基準監督官から指摘されるところですし、

何はともあれ36協定を出しておくのが良いです。

 

他には、

「残業時間が月45時間以下である。
若しくは、今後、人員配置等を見直し、長時間労働の是正に向けた取組みを行う予定である」

という項目もあります。

 

この場合の残業時間というのは、
法定労働時間を超えた時間を意味しています。

1日8時間を超えた労働時間。
1週40時間を超えた労働時間。

この時間が上記の45時間の中に含まれます。


例えば、

木曜日に5時間勤務だったところ、
何らかの理由で1時間延長し、
6時間勤務になったらどうか。

この場合は、1時間の残業ですが、
上記の45時間の中には含まれません。


これも残業ですけれども、
法定労働時間である8時間を超えていないため、

法的には残業じゃないんですね。

 

 

 

 

宣言項目は全部で18。


残業や賃金、有給休暇、健康診断、育児と介護、
療養を続けながら働く、パートタイム労働者への対応、
女性、定年後の働き方。

などが宣言の主な内容です。

 

18しか項目がありませんから、
チェックを入れるだけならば数分で終わります。

 

ですが、

チェックを入れるのが目的ではなく、

宣言された内容を実際に履行するのが目的です。


働き方を変えると言っても、
何をどうすれば良いのか分からないとき、

この宣言シートの内容から取り組んでいけば良いでしょうね。


取り組みへのきっかけ作りができれば、
労務診断ドックとしては役割を果たしていると言えます。


社労士と一緒に宣言した場合は、
社会保険労務士連合会のウェブサイトに
会社名を掲載できます。


「自分たちだけでやってもいいの?」
と思う方もいらっしゃるでしょうが、

もちろん構いません。

自主的に宣言シートを使って宣言するのは自由です。

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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