学生から入る国民年金
学生にとって年金なんてまだまだ先のことで、何がどうなるかと思いを巡らす機会はほとんどありませんよね。
「払っても受け取れないんじゃないか」そんなイメージを抱かれている年金ですが、国民年金には20歳から加入します。20歳というと、大学生ぐらいの年齢です。
20歳から60歳未満の人が国民年金に入る対象で、20歳になったら市町村の窓口(市役所の保険年金課など)で加入のための手続きをします。
『国民年金被保険者 資格取得届書』という書類に記入して手続きを済ませます。手続きをしなければ加入しなくてもいいのかというと、そういうものではなく、後から保険料を追納することになります。
手続きを済ませると、後日、基礎年金番号が記載された年金手帳が送られてきます。この年金手帳は長い間使い続けますので失くさないように保管しておきます。なお、紛失したとしても再発行は可能です。
年金手帳を使うときはめったにありませんから、どこに保管したか忘れてしまいがちです。手帳ですので、余白があり、自分で何かを記入できるようになっていますが、実際に何か書くのかというと、そういうことはなくて、ただ保管しておくだけ。普段はそうなります。
何か年金に関する手続きをする時は、基礎年金番号が必要になりますし、年金手帳を年金事務所の窓口に持って行ったり、コピーを取ったりということが必要になりますが、普段は保管してるだけですので、どこに置いたかわからなくなってしまう、なんてことも起こりがちです。
そのため、年金手帳は廃止され、将来はマイナンバーカードで年金の記録を管理するよう変わる予定です。
高校や中学を卒業して就職した人の年金は?
大学には行かずに高校を卒業して働き始める人もいます。そういう人の年金はどうなるのか。
高校を卒業した時点で18歳だったとすると、この人は年金に加入しないのかというとそうではありません。
18歳で卒業して、会社で働き始めたとすると、その会社経由で社会保険に入ります。社会保険というのは健康保険と厚生年金です。
この場合、18歳から厚生年金に入ると、国民年金にも自動的に加入していると扱われるんです。つまり、厚生年金は国民年金とセットになっていて、厚生年金に入ると国民年金にも入っている状態になります。
なお、支払う保険料は厚生年金保険料だけです。この厚生年金の保険料の中に国民年金保険料も含まれています。
そのため、まだ20歳になっていない人でも、会社経由で厚生年金に入れば、18歳であっても、19歳であっても国民年金に入れるというわけなんです。
さらに書くと、15歳や16歳から働き始めて、会社で社会保険に入っていれば、15歳や16歳でも国民年金に入れます。
会社経由で社会保険に入る人を、ちょっと難しい言葉ですが「国民年金の2号被保険者」と言います。
ちなみに、大学生が国民年金に入ると、この場合は「国民年金の1号被保険者」と言います。
国民年金の被保険者には3種類あって、1号被保険者、2号被保険者、3号被保険者、この3つがあります。
説明していない3号被保険者というのは、2号被保険者にくっついて社会保険に入っている人のことです。
夫が会社員で、妻は夫の社会保険を使って健康保険と国民年金に入っているケース。他には、妻が会社員で、夫は妻の社会保険を使って健康保険と国民年金に入っているケース。こういう人が3号被保険者と言われる加入種別になります。
健康保険料と国民年金保険料が0円になりますから、3号被保険者はある種の既得権のようになっています。パートタイムで働く女性が多いのも、この3号被保険者制度の存在が影響しています。
学生でも年金の保険料を払う?
国民年金の保険料は毎月16,000円ちょっと。学生にとってはスマホ代3ヶ月分ぐらいですね。本体代と通信費を合わせて毎月5,000円ぐらいですよね。
ただ、学生だと「結構高いな、、」と思う額でしょうから、何とかならないのかと悩むところ。
そんなときは、『学生納付特例制度』という猶予制度があります。これは、在学中の納付を免除して、後から保険料を支払える制度です。
学生納付特例制度を利用すると、保険料の納付は免除され、その期間は国民年金に入っていたものと扱われます。
仮に、20歳から22歳まで納付特例を利用すると、この時点で国民年金への加入期間は2年になります。ただし、保険料を納付していない場合は、年金額は0円です。つまり、国民年金には2年加入しているものの、年金額は0の状態というわけなんです。
学生納付特例制度というのは、言うなれば「保険料を後払いする仕組み」です。在学中には保険料を払わずに、卒業後に支払う。そういう仕組みです。なお、卒業後は国民年金なり厚生年金に入りますから、毎月の年金保険料とは別に、学生時代の保険料を追納する分もお金がかかります。
年金の保険料は払えば年金額に反映されますから、学生であっても保険料を毎月払っても構いません。学生納付特例制度を利用せず、在学中に国民年金の保険料を払っていく。そういう方法もあります。
4月から大学生になる方は、こちらも一緒に読んでおきましょう。
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