自転車通勤しているのに保険に入っていないの? それ、危ないですよ。

 


通勤というと電車かバスをイメージするところですが、自転車で通勤している方も多いでしょう。

電車で鮨詰めになって通勤するよりは自転車の方が快適です。足を踏まれることは無いし、痴漢に遭うこともない。「この人、痴漢です」などと冤罪事件に巻き込まれることもない。

そんな快適な自転車通勤ですけれども、道路を走るわけですから事故に遭う場合もあります。自分が事故を起こす側になると困りますし、事故に巻き込まれたら痛い思いをします(死んでしまうことも)。

軽いし、速度もそんなに出ないのだから、事故を起こしたって大したことないだろうと思っている方もいるでしょうが、自転車の事故で大怪我をしたり、死亡したりする人もいます。

二輪車や自動車と違って免許制度がありませんからね。自転車は。買えば誰でも乗れます。そのためか、乱暴に運転する人が多くて、信号を無視して横断したり、横断歩道がない場所で道路を渡ったり、歩道を猛スピードで走ったりと、まぁ無軌道で無頼漢なのが自転車なんです。

車を運転していて、道路を逆走してくる自転車とすれ違うとき、ヒヤッとした経験がある方もいるはず。道路を逆走しても、一方通行を逆走しても許されると、自転車に乗っていない人にはそりゃあ脅威だよね。

手軽な乗り物であるけれども、ルールが甘くて、好き放題に乗れてしまっているのが現状です。走る場所でも、自転車は車道を走らないといけないのが原則ですが、場所によっては歩道を走らないといけない場所がありますし、車道も歩道も狭くて自転車が通れる隙間が無い、そんな道路もあります。

とはいえ、自転車に乗る側にも言い分があって、まず自転車が安心して走れる場所が無い。車道を走れと言っても、車が走っていれば、自転車が通れるところは僅か。横幅2メートルぐらいしかないんじゃないかな。

右から車やバイクがブンブンと追い抜いているところを、申し訳ない感じで走らないといけない。

自転車専用レーンが設けられているところもあるけれども、それはレアケース。道路の9割以上は自転車専用の通行帯なんて無くて、生の車道を通っていかないといけない。

歩道を走れば歩行者の邪魔になるし、道路は自転車が走れるほど幅がない。だから、自己判断で運転するしかないわけ。

好きで無茶苦茶な運転をしている人はさほど多くはなく、止む無く自己流で運転するしかない。そんな人が大半じゃないかと。


自転車に対する不満が増え、自転車も保険への加入が義務付けられつつあります。道路交通で最も嫌われているのが自転車と言っても過言じゃないのでは?

都道府県レベルで自転車保険を義務化するところもありますし、市町村レベルで義務化しているところもあります。国の法律ではなく、地方自治体が制定できる条例で規制しています。

 

 

 


車やバイクと同じように、自転車保険も義務に。

 

 

自転車保険が義務となった都道府県、市町村

大阪府 2016年7月1日 大阪府自転車条例
滋賀県 2016年10月1日 「自転車会員」・「滋賀のけんみん自転車保険制度」のご案内
京都府 2018年4月1日 京都府自転車の安全な利用の促進に関する条例の改正について
愛知県名古屋市 2017年10月1日 名古屋市:自転車損害賠償保険等への加入が義務となります
神奈川県相模原市 2018年7月1日 自転車損害賠償保険等への加入が義務化されます(平成30年7月1日施行) | 相模原市


ここに載せたものはあくまで一例で、他の地域でも同様の規制があります。

都道府県レベルで規制している地方自治体もあれば、市町村レベルで規制している地方自治体もあります。

「東京都 自転車保険」、「香川県 自転車保険」、「福岡県 自転車保険」というように都道府県単位で検索すれば出てきます。さらに、「相模原市 自転車保険」、「世田谷区 自転車保険」のように特別区や市町村単位で検索しても探せます。

自分が住んでいる市町村、都道府県で自転車保険が義務化されているかどうか、スマホで検索してみるといいですよ。

「ウチはまだ大丈夫だ」と思っていても、いずれ全国で自転車保険が義務化するのは確実ですから、自転車に乗っているならばすぐにでも保険に入っておく方がいいでしょう。事故が起こっても自治体は助けてくれませんよ。


ただ、保険への加入が義務化されたものの、自転車は数が多いし、自賠責保険のように車体にシールも貼っていない。そのため、外見では保険に入っているかどうか分からないんです。

免許はないし、車検も無い。交通ルールも適当。スマホの画面を見ながら運転。

う〜ん、課題がイッパイだね。

 

 バイクの自賠責保険のように強制保険にするのも1つの方法ですけれども、まだ自転車はそうなっていません。自分や家族が入っている他の保険に特約という形で自転車は相乗りできるため、強制加入すると特約を利用しにくくなる。だから強制ではなく任意の保険にしているとも思えます。

 

 


ライトを点けるとペダルが重くなる。それは昔の話。


夕方頃になると外は暗くなってくるんですが、無灯火で走っている人は未だに多いんです。

もうなんか、言葉は悪いけれども、アホなんですかね。

「自転車がここにいますよ」と周りに知らせるためのもので、自分の身を守るのが自転車用のライトです。行く道を照らすものだと思っている人もいますが、あんな小さいライトで照らしても道なんてほとんど明るくなりません。

道を照らすのではなく、自転車の存在を知らせる。それが自転車のライト。

自転車のライトを点灯するとペダルが重くなる。古いタイプは確かにそうですね。「ギュィー、ギュィー」と音を立てて、弱々しくライトが点灯する。たいして明るくもないのに、ペダルは信じられないほど重くなる。つまり、結果が労力に見合っていないんです。

そりゃあ、無灯火で走りたくなる気持ちも分かります。シンドイ思いをして、あの程度しか点灯しないんですから、「こんなもん要らんわ」と思いたくもなる。

けれども、新しいLEDの自転車ライトならば、ペダルはほとんど重くならないんです。タイヤが回転するエネルギーを利用する点は同じだけれども、LEDだから、ちょっとのエネルギーで明るく点灯する。

自転車を手でちょっと押すだけでもライトは全灯状態になるぐらい。だから、必要な回転エネルギーも少なくて済むわけだし、ペダルも軽い。

ペダルが重くなると思っている人は、まだ古いタイプの自転車ライトを付けているからであって、LEDタイプのものに変えれば「えっ? これが自転車のライト?」と思えるほどラクにペダルを漕げると気づくはず。

私の自転車にもPanasonicのLED自転車ライトを付けていますから、どれだけラクか良くわかります。

 

 


自転車で事故を起こすと、賠償金を請求される。


事故を起こしても、自転車だから大したものにはならないだろう。そう思う方もいらっしゃるでしょうが、過去には自転車事故で9,512万円もの賠償金を支払わないといけなくなった方もいます。

治療できないほどの怪我を負わせたり、事故の相手を死亡させれば、それぐらいの賠償金を請求されても不思議ではありません。

特に危ないのは若い人で、乱暴な運転をしがち。私も小学生や中学生のころ危なっかしい運転をしていました。ピュンピュンとスピードを出すし、夜はライトを点灯せずに走るし、自転車で歩道を走るなんてもう日常茶飯事。そんな感じでしたね。

いやー、大きな事故を起こさなくてホント良かったなと、今は思います。いつ事故を起こしても不思議じゃないほどでしたからね。

10歳代の子供がいる家庭は自転車保険に必ず入っておくべきです。これは大袈裟ではなく、本音で。若い人ほど無茶な運転をしがちで、事故も多いんです。ほら、バイクやクルマの事故でも、若い人の方が件数が多いでしょ?

保険に入っていない人が困るのはもちろん、事故を起こされた相手方も保険がないと困ります。もし、裁判で賠償金を支払うように決まったとしても、支払い能力がないと支払ってもらえません。


銀輪禍救済へ義務化スタート 名古屋、鹿児島(2017年9月30日)

 自転車の利用者に対し、事故に備えた保険への加入を義務づける条例が10月1日、名古屋市と鹿児島県で施行され、制度の運用が始まる。自転車側に高額の賠償を命じる判決が相次ぐ中、「加害者」の資力不足で「被害者」が救済されない事態を避けるのが狙い。義務化は全国の自治体に広がり始めている。

 警察庁の統計によると、全国で昨年起きた自転車事故は9万836件で、うち死亡事故は509件。06年の17万4471件、825件からはかなり減ったものの、いまだ深刻な状況だ。特に対歩行者の事故は昨年2281件で10年前から18%減と、減り方が比較的鈍い。

 

加害者が保険に入っていないと、加害者だけでなく被害者も困ります。

自分だけじゃなく、相手のためにも自転車の保険は必要なんですね。

 

職場によっては高校生や大学生の人がいますが、そういう人たちに自転車に乗っているなら保険に入るように教育しないといけませんね。

 

 

 

自転車保険にどうやって加入するか。


保険に入るとして、どこでどんな自転車保険があるのか。

保険に入る方法は、ざっと10種類あります。


自転車保険の種類

自転車専用の保険 自転車単独で加入するタイプ。docomoやauなどのケータイ会社からも入れる。コンビニでも取り扱いがある。 auの自転車保険
セブン‐イレブンで入れる自転車保険
自動車保険の特約 自家用車(原動機付自転車や自動二輪車などのバイクも含む)がある家庭で、自転車への保障をプラスする。保険料は格安もしくは無料で済む場合もある。 自動車保険 自転車特約で検索
火災保険の特約 自宅に付けている火災保険に自転車特約を付ける。「個人賠償責任特約」で自転車を補償範囲に含められる。無料で特約を付けられるところも。 事故の補償例:自転車での意外な補償 | 事故の補償例 | 『THE すまいの保険』 | 損保ジャパン日本興亜
傷害保険の特約 病気や怪我を補償する保険に自転車を特約で入れる。 普通傷害保険 / 家族傷害保険 個人賠償 | AIU保険会社
共済保険 全労済や市民共済で提供しているもの。火災共済やマイカー共済に入っていると、数百円を追加して自転車も保障範囲に。 全労済の自転車保険
会社で加入する団体保険 団体割引が適用される保険。個人で入るよりも1人あたりの保険料が安くなる。  
PTA、学校経由の保険 PTA協議会で扱っている保険。団体割引がある。PTA経由の保険もあるんですね。 大阪府PTA協議会の保険
TSマークに付帯した保険 有効期限が1年間。自転車安全整備士に自転車を点検してもらうと付いてくる保険。点検してもらって、保険も付いてくるのでお得な感じ。費用は1,000円から2,000円ほど。 公益財団法人 日本交通管理技術協会
クレジットカードに付帯した保険 個人賠償責任保険で自転車を補償範囲に含められる。無料で付くわけではなく、月額300円程度を支払う保険。単独で自転車保険に加入した場合とそう変わらない。 クレジットカード 自転車保険 で検索
自転車販売店が販売時に付く保険 購入から半年程度の期間だけ補償される。自転車を買ってくれたことに対するサービスで付けられるもの。補償期間が過ぎたら、別の保険に入る必要がある。 ホームセンターコーナンで加入する購入後6ヶ月間の保険



それぞれに特徴があって違いもあり、迷ってしまいますよね。

 

保険の保障内容は保険料に比例します。そのため、特約で自転車保険に入るよりも、自転車専用の保険に入るほうが内容が充実している傾向があります。

 
自分がどれだけの事故を起こすかは予測できませんから、一番手厚い保険に入っておこうかとも思うところですが、週に1回しか自転車に乗らないような人だと過剰な補償になるのではないかという悩みもありますね。

 

迷ったら、まずは特約で入れないか調べてみる。すでに入っている保険に相乗りする形で自転車を補償範囲に含める。私ならば特約で入れないかを検討してみますね。

 

 

 

自転車で通勤している人への補助。


「保険に入っとかなきゃダメよ!」と言われても、入らない人もいます。義務化されたので、一応ながら罰則もありますけれども、自転車を一々チェックする人もいません。

警察官が自転車を停めて職務質問するとしても、せいぜい盗難車ではないかのチェックぐらい。私も自転車に乗りますけれども、保険に入っているかどうかを聞かれたことは一度もありません。

加入状況をチェックできないから、「自転車に乗っているあの人はチャンと保険に入っているだろう」と信じなければいけないんですね。

自主性に任せていても保険に入らないならば、何らかの動機を作って動いてもらうのも1つの方法です。


例えば、自転車保険料を補助するという名目で、会社が自転車通勤している人に毎月300円を支給する。保険に入ると、だいたい月額300円ほどかかりますから、これを補助するわけです。

補助を受け取ると、「あぁ、自転車も保険に入らないといけないんだった」と認知させる効果がありますし、保険への加入を促進する効果も狙えます。保険に入れば、自転車に乗っていない人にも良い波及効果(正の外部性)がありますから、この点でも良いですね。

単に「自転車保険に入っとけよ」と言うだけだと、言うだけで終わってしまうもの。一方、補助を付けると、「じゃあ、入るか」という気持ちになる。

もし、無保険で事故を起こせば、もう仕事どころではなくなります。賠償額の大きさ、裁判になったらそのための時間。わずかなお金をケチると、時としてとんでもない損をします。

補助も、ずっと続ける必要はなくて、1年間だけ補助して、自転車保険が認知されたら自分で加入してもらうのもいいでしょう。

自転車で通勤するならば保険に入る。もはや必須ですね。

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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