労働安全衛生規則は仕事場の安全と衛生のためのマニュアル

 

 

 


留学生大けが 会社と工場長を書類送検


 2016年6月、宮城県名取市内の食品メーカーの工場で、アルバイトのネパール人留学生が右腕切断の大けがをする事故があり、仙台労働基準監督署は、14日、この食品メーカーと当時の工場長を労働安全衛生法違反の疑いで仙台地方検察庁に書類送検しました。
 書類送検されたのは、コンビニの弁当などを製造する食品メーカーで千葉市に本社のあるフジフーズと、名取市本郷にある仙台工場の40歳の当時の工場長です。
 仙台労働基準監督署によりますと、仙台工場では2016年6月、当時19歳のアルバイトのネパール人の女子留学生が、肉の加工用の機械を洗っていた際に巻き込まれ右腕を切断する大けがをしました。
 女子留学生はコンセントを抜いてから機械を洗わなければならないことを知らなかったということで、フジフーズと当時の工場長は、採用時に義務付けられている安全教育などを行わなかった疑いが持たれています。

 

 

 

労働安全衛生法に違反した事例ですが、安全や衛生に関連するトラブルは他にもあります。

  • 高い場所で作業していたが、安全具を装着しておらず落下して怪我をした。
  • 暑い場所で作業して熱中症になった。
  • 寒い場所で仕事をしていて凍傷になった。
  • 機械が動いているところに挟まれて怪我をした。
  • 作業機械の安全カバーを外して操作していて怪我をした。
  • 後方確認を怠って重機を動かした。

 

仕事場では色々と安全に関するトラブルが大なり小なり発生します。


厚生労働省のウェブサイトでも『労働基準関係法令違反に係る公表事案』としていくつも事例が公開されています。
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/151106.html


積荷を置くパレットを高く積み上げて、その上に乗り照明器具を交換していたところ、パレットが崩れ、落下して死亡した人も過去にいました。確か2016年にニュースになった事故です。


やってはいけない労務管理。法令違反事例から。

 


英語で注意書きを作る。


外国人が職場にいるならば、日本語だけでなく母国語での注意書きも併記しておくのも1つの方法です。

仕事での怪我は、不注意や対策不足によるもので、原因は単純です。

今回は、右腕切断という事故ですが、機械の電源を切っておく、安全装置を起動しておくなど。対策はごく簡単なものです。

外国人の母国語で大事なことを伝えるのは難しそうと思えますけれども、今ならばGoogle翻訳もありますし、日本語で入力してボタンをクリックすれば翻訳できます。内容によっては滑らかな文章にはならないかもしれませんが、職場にいる外国人にチェックしてもらいながら注意書きを作れば良いのです。

それほど手間がかかる作業ではありませんし、起こりうる事故を考えれば、コストとしては安いものです。注意書き文書を作って事故を防ぐ。注意書きを作らずに右腕が切断される。この両者を比べれば、注意書きを作る方が良いでしょう。

 

例えば、

「洗浄する時は電源を切る」という文書を翻訳すると、

英語では、
Turn off the power when cleaning.

ネパール語では、
सफाई गर्दा शक्ति बन्द गर्नुहोस्।

これがネパール語らしいですが、何が書かれているのかサッパリ分かりません。まず文字が読めませんし、翻訳しても、その表現が合っているのかどうか、ネイティブしか検証できないんですね。

母国語を併記するのが難しいならば、最低でも英語表記は必須です。英語だったら日本人でも分かりますし、翻訳もラクです。誰でもそれなりに分かる言語があると便利ですね。

「Turn off the power when cleaning.」だったらシンプルで分かりやすい。

もちろん、何でもかんでもこういう作業が必要なのではなく、安全や衛生に関する重要な部分だけ英語でも注意書きを示しておきます。

 

 

 

仕事での安全や衛生に関する決まりごとは労働安全衛生規則に書かれている。


労働安全衛生法の目的は、安全で衛生的に仕事ができる環境を作る。それができていれば、違反にはならないんですね。

この作業環境は安全なのか、衛生的なのか。この2つの基準で判断する。専門的な知識が求められるものではありませんから、普通の一般的な感覚で「これは安全か」、「これは衛生的か」を判断して、対策を講じる。



労働安全衛生規則には安全や衛生に関する決まりごとが書かれています。職場で監督や管理の立場で仕事をしている方は一度目を通しておくと良いでしょう。

例えば、労働安全衛生規則61条には病者の就業禁止について書かれていますが、ノロウィルスやインフルエンザの症状がある人はここに該当しますから、その人の就業を禁止しないと行けないわけです。

他にも、機械による危険の防止に関するルールもあります。

101条「事業者は、機械の原動機、回転軸、歯車、プーリー、ベルト等の労働者に危険を及ぼすおそれのある部分には、覆おおい、囲い、スリーブ、踏切橋等を設けなければならない」

機械が動く部分にカバーを付けて事故を防がないといけないんですね。

さらに、休憩のための設備(613条)、職場の大掃除(619条)、職場でのトイレ(628条)など身近な決まりごとも書かれていますので読みやすいです。

法律の文章というと堅くて読みにくいイメージがありますけれども、労働安全衛生規則は法的な文書とは思えないほどスルスルと読めます。

労働安全衛生規則を読んでいなくても、安全や衛生への対策は講じれます。しかし、その場その場で対策を講じていては抜けや漏れが生じます。何らかの基準や指針があったほうが対策はしやすいでしょう。それが労働安全衛生規則なんですね。

これを機会に、労働安全衛生規則を見ながら、職場の安全と衛生をチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

 

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山口正博 社会保険労務士事務所
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