- 緑色の通知カードはマイナンバーカードではない
- 平成29年7月からマイナポータル開始
- どのICカードリーダーを使ったらいい?
- Macでも使えるICカードリーダー
- マイナポータルを利用する前の初期設定が少し面倒
- 電子マネーカードは読み取れない
- スマホがICカードリーダーになる?
- ICカードリーダーでマイナンバーカードの読み取りが不要に
- マイナンバーカードの読み取りはマイナポータルアプリに
- iPhoneでもマイナンバーカードを使えるの?
労務管理ではマイナンバーを扱う場面が多々あります。会社でも、個人番号を提出してもらうように要求された方もいらっしゃるでしょう。
マイナンバーカードにはICチップが埋め込まれていて、ICカードリーダーに挿し込むとカードを読み取れます。また、ネット経由で身分を証明(電子証明書を利用する)したり、マイナポータルにログイン、さらに公的な手続き(対応しているものはまだ一部ですが)をネットで行うこともできます。
緑色の通知カードはマイナンバーカードではない
個人番号を通知するカードが送られてきたのが、2015年の12月頃。そこから手続きをして、半年ほどでマイナンバーカードが発行されました。筆者の場合は。通知カードに同封された申請書を使って、スマートフォンからマイナンバーカードを申請できたので、スマホで自分の写真を撮って、そのデータを使って申請しました。
マイナンバーカードが出来上がったあと、市町村の窓口に行って、身分証明書(運転免許証でOK)や通知カード(2015年12月に送られてきた緑色のペラペラの紙)を窓口の人に渡し、色々と説明を受け、暗証番号を4つも設定し(忘れたときのために紙に書くよう案内されます)、マイナンバーカードを手に入れました。確か、時間は20分ぐらいかかったと記憶しています。
緑色の個人番号通知カードがマイナンバーカードだと誤解している人もいるかもしれませんが、あれは個人番号を通知するだけのカード(というか紙ですけれども)なので、ICチップは入っていませんし、証明書としても使えません。e-Taxも利用できませんので利用範囲は限られます。
マイナンバーカードを入手するには、通知カードを受け取って、その後にカードを申請する手続きをします。私の場合、申請から6ヶ月ほど時間がかかりましたが、普段はマイナンバーカードの窓口は混雑していないので、もっと早いのではないかと思います。
平成29年7月からマイナポータル開始
2017年、平成29年の7月からマイナポータルというものが開始される予定だと数ヶ月前に知ったので、「そろそろチェックしてみようか」と思い、8月後半の今になってマイナポータルを見てみることに。
マイナポータルというのは、マイナンバー用のポータルサイトで、自分向けの情報を一括で見れるウェブサイトです。公的な給付金を受け取る際にもマイナポータル経由で申請できます。
マイナポータルで閲覧できる情報としては、自分に関する情報、さらに行政機関同士でやり取りされた経緯、自分の情報にアクセスした履歴などがあります。iPhoneにマイナンバーカードを読み込ませてマイナポータルにアクセスできるので、実際に見てみるといいのではないかと。
例えば、日本年金機構が市町村に個人の情報を照会し、市町村が回答したとすると、そのやり取りの履歴がマイナポータルで見れるというわけです。自分の情報がどのように扱われているかを見れるのですね。
あとは、e-Tax、日本郵便のMyPostとのアカウント連携もできるようになっており、この2つのサービスでの情報がマイナポータルで一括して閲覧できます(別々にログインする必要はない)。
どのICカードリーダーを使ったらいい?
マイナンバーカードを読み取るにはカードリーダーが必要ですけれども、いくつか種類があって、どれを使ったらいいのか迷うところ。
私が使っているのは、NTTコミュニケーションズのICカードリーダーで、ACR39という機種。NTTコミュニケーションズのICカードリーダーは前から定評があり、利用者からの評価も良好です。
カードを挿し込んで使うようになっており、かざして使うタイプではないです。コンビニやイオンに行くと、カードリーダーにカードをかざすのが主流ですが、このカードリーダーは挿し込んでICチップを読み取ります。
Macでも使えるICカードリーダー
この手の機器はWindows OSに最適化されている傾向があり、Mac OSでは使えないものが多いのですが、このICカードリーダーは問題なく使えます。2017年の時点では、MacBookを使う人が増えて、MacユーザーがICカードを取り扱う機会も増えていると思われるので、この点は嬉しいところ。
NTT Communicationsのウェブサイトにドライバーが用意されており、Macの方にはドライバーをインストールしました。ちなみに、Windows 10の方ではドライバーをインストールしなくてもカードリーダーを利用できます。
MacのOSは、Ver. 10.12.6。利用するブラウザーはSafari。この組み合わせでマイナンバーカードを読み取りできます。
また、Windows 10の方は、MacのBoot Camp経由でWindows 10 Homeを動かしてICカードリーダーの動作を確認しましたところ、こちらも問題なくマイナンバーカードを読み取っています。
マイナポータルを利用する前の初期設定が少し面倒
マイナポータルでは、ウェブサービスのように、IDやメールアドレス、パスワードを組み合わせて利用するようにはなっておらず、事前の準備が必要です。SNSだと、メールアドレスとパスワードの組み合わせでサインインなりログインするのが主流ですけれども、マイナンバーではちょっとお固い感じで、事前の準備が必要。この準備が済むと、後はラクにマイナポータルへログインできます。
Macでマイナポータルを利用するには以下の初期設定が必要です。
1.Java実行環境をインストール。
Javaというのはプログラミング言語のことで、プログラムが動くように基礎環境を作るために実行環境をインストールします。「ジャバ」と聞くと、風呂釜洗いの洗剤を思い浮かべますけれども、そのジャバとは違います。
2.JPKI利用者クライアントソフトをインストール。
このソフトは、マイナンバーカードの中身を見るためのものです。カードに登録されている自分の証明書を閲覧するときにこのソフトを利用します。
3.マイナポータル環境設定プログラムをインストール。
これはマイナポータルにログインする環境を整えるためにインストールするものです。
4.Safariの設定(Windows 10の場合は、Microsoft EdgeではなくInternet Explorerを利用する)。
ここでは、プライバシー設定を変更します。さらに、プラグインの設定も変更します。インストールだの、プライバシーやプラグインだの、訳が分からない方もいらっしゃるでしょうが、マイナポータルのウェブサイトに説明がありますので、その通りに進めると大丈夫。
ブラウザー(インターネットのウェブサイトを閲覧するために使うソフト)には指定があり、MacだとSafari、WindowsだとInternet Explorerで設定します。
5.Safariを終了させ、再度、起動させる。
設定内容を更新するため、ブラウザーを再起動する必要があります。マイナポータルへログインするときは、カードリーダーにマイナンバーカードを差し込み、4桁の暗証番号(利用者証明用の電子証明書暗証番号)を入力し、マイページを表示します。
マイナンバーカードには4つの暗証番号が設定されています。署名用電子証明書用の暗証番号(6桁以上、16桁以下)。利用者証明用電子証明書の暗証番号(数字4桁)。住民基本台帳用の暗証番号(4桁)。券面事項入力補助用の暗証番号(4桁)。マイナポータルにログインするときは、利用者証明用電子証明書の暗証番号を利用します。
IDやメールアドレス、パスワードなどを利用せず、カード本体と暗証番号、この2つでログインするのが特徴です。カードを挿し込んで暗証番号を入力するだけですから簡単です。銀行のATMみたいな感じですね。
電子マネーカードは読み取れない
このICカードリーダーは、マイナンバーカードに特化していて、WAONだとかSuicaなどの電子マネーカードは読み取れません。チャージできないし、残高チェックもできない。
ただ、電子マネー関連の処理は、スマホに搭載されたカードリーダーでも用が足りるし、お店や駅にある機械でチャージも残高チェックもできますから、あえてICカードリーダーで読み取れなくても不便はないでしょう。
ソニーのカードリーダーだと電子マネーも読み取れますけれども、利用環境を選ぶのが気になるところ。
スマホがICカードリーダーになる?
スマートフォン本体をICカードリーダーとして利用する方法もあります。
JPKIモバイルというアプリをAndroidスマートフォンにインストールすれば、スマートフォン本体がICカードリーダーになるのですけれども、対象となる機種は増えつつあります。
2017年時点では、iPhoneどころかGalaxyですら対応していない有様で、「こりゃあ、ダメだ」という感じAQUOSやarrowsなどのスマートフォンとなると、利用者はごく一部。こういう機能は、まずメジャー機種から対応しないと利用者は伸びないので、iPhoneに対応しないと話にならないところでした。
iPhone7以降はSuicaの電子マネーにも対応し、マイナンバーカードもiPhoneで読み取れるようになりました。
iPhoneをICカードリーダーとして使えれば、これは便利でしょう。カードリーダーを購入する必要はないですし、マイナンバーカードだけでなく、電子マネーカードにも対応すれば利用者は満足するはずです。
手持ちのスマホがマイナンバーカードに対応していないならば、ICカードリーダーを購入して使う必要があります。スマートフォンだと8万円程度かかるが、ICカードリーダーだと2,000円ちょっと。マイナンバー対応を理由にスマートフォンを買う人はいませんから、マイナンバーカードを読み取るだけならばカードリーダーを購入するのが賢明です。
2022年時点ではiPhoneでマイナンバーカードを読み取れるようになっており、マイナポータルにサインインできますし、e-TaxのサインインもiPhone経由で認証を通してPCに認証情報をバトンタッチできるようになっています。ICカードリーダーはあれば使えますが、なければ無いで大丈夫になりましたね。
ICカードリーダーでマイナンバーカードの読み取りが不要に
ICチップを搭載したカードを読み取るには、専用のカードリーダーが必要なのですが、カードリーダー無しでもマイナンバーカードで認証できるようになりました。
PCのUSBに挿し込む妙竹林な機械を使って、カードを読み取って、ナンジャカンジャとするのが当たり前になっているのが今の現状。
新しい方法では、スマホに搭載されたNFC機能を利用して、スマホ本体をICカードリーダーのように使えるようになったのです。
平成29年1月よりスマートフォンのリーダライタモードを使い、ICカードリーダライタの代わりにパソコンに接続して公的個人認証サービスを利用することが可能となりました。
https://www.jpki.go.jp/prepare/reader_writer.html
ICカードリーダライタのご用意 : 公的個人認証サービス ポータルサイト
確かに、Android OSを搭載したスマホには以前からおサイフケータイ機能が搭載されていますし、電子マネーの残高を調べるアプリもあります。そのため、スマホをICカードリーダーとして使える可能性は以前からあったのですね。
スマホならば、普段から使っているし、カードリーダー用途でしか使えない専用機よりはスマホの方が汎用性が高い。カードリーダーだと、年に1回もしくは数回程度しか利用せず、使わないときは棚や引き出しの中で眠ってしまいます。それだと何だかもったいない感じですよね。
専用のリーダーを使うことなく、スマホのNFCで代用できるならば利用者にとっては嬉しい限り。
ICカードリーダーには、動作環境によって動くものと動かないものがあり、また機種ごとに使えるものと使えないものも違っていたりします。Windows OSでは使えるが、Mac OSでは使えないとか。利用者を悩ませる点があるのです。
スマホならば、もしマイナンバーカードに対応できなくても、他の用途で使えますから、ICカードリーダーのように「買ったのに、使えなくて損した」なんてことにはなりません。
まず、『利用者クライアント』アプリをスマホにインストールして、パソコンとスマホをBluetoothでペアリングする。その後、アプリを起動させ、スマホの上にマイナンバーカードを置くと認証できるという流れです。https://www.jpki.go.jp/download/pdf/startupguide.pdf
スマートフォンdeマイナンバーカードアクセス!!
マイナンバーカードの読み取りはマイナポータルアプリに
以前は『利用者クライアント』アプリを利用していましたが、2024年時点ではマイナポータルアプリでマイナンバーカードを読み取る方式に変わりました。
マイナンバーカードを読み取って、行政手続きの画面で電子署名を付けるにはUSB経由で接続するIC カードリーダーが必要でした。また、ICカードリーダーはコンピューターごとに相性を考えなければならなくて、Windows OS では動くけれども Mac OS だと動かないみたいなことに悩まされることもありました。自分が使っているコンピューターでもこのIC カードリーダーは使えるのかどうかを考えながら購入しなければいけなかったのですね。
2024年時点では、スマートフォンのマイナポータルアプリでマイナンバーカードを読み取ると、行政手続きに必要な電子署名を付けられるようになりました。
コンピューターの画面に表示されたQRコードをスマートフォンのマイナポータルアプリで読み取って、その後、電子署名用の暗証番号を入力し、スマートフォンでマイナンバーカードを読み取ると、認証されたデータがコンピューターの方に送信されて電子署名が付けることができます。難しそうですが、画面の案内通りに操作すると15秒程度で済む操作です。
iPhoneのマイナポータルアプリを使ってマイナンバーカードを読み取り、電子署名を実際に付けてみましたが、ICカードリーダーよりも短時間で操作を完了できました。外出先にICカードリーダーを持ち出すことはないでしょうし、スマートフォンならば手元にありますよね。電子署名を付けるときはマイナポータルアプリで決まりです。
マイナポータルアプリでマイナンバーカードを読み取って電子署名を付けられるようになりましたから、もうICカードリーダーを買わなくてもいいですし、コンピューターとの相性に悩む必要もなくなりましたね。
iPhoneでもマイナンバーカードを使えるの?
「じゃあ、iPhoneでも使えるの?」と思うところですが、2017年2月時点ではまだ未対応でした。その後、iPhone7からおサイフケータイに対応して、マイナンバーカードをiPhoneの裏側上部に近づけて認証できるようになりました。
定額給付金を受け取るための申請もマイナポータルで受け付けていましたから、iPhoneとマイナンバーカードを使って手続きを済ませた方もいらっしゃるのでは。
ちなみに、ソニー製のiPhone用ICカードリーダーも販売されており、Bluetoothで接続し、iPhoneでもICカードを読めるようにはなっています。しかし、マイナンバーカードには対応しておらず、あと一歩というところですね。
MacユーザーにはNTTコミュニケーションズのICカードリーダーがオススメです。利用された実績が多いですし、Amazonでも取り扱いがあります。さらにレビューも多く安心感があるのが良いですね。
また、NTTコミュニケーションズのカードリーダーは、Windows PCとも共用できるのも良いところ。MacでもWindowsでも使えて汎用性が高いのです。片方だけしか使えないと、2台購入する必要がありますから。