http://www.j-cast.com/2017/03/29294319.html?p=all
「てるみくらぶ」内定取り消し50人 アディーレ、JSS、JALFが「無試験で採用」(J-CASTニュース)
他社で内定を得ているということは、その会社での採用プロセスを通過しているということ。内定を取り消された人を採用すれば、自社での採用作業を省略できるので、ありがたいもの。
他社が時間とお金、そして手間をかけて採用活動した結果にフリーライドできるのですから、内定を取り消された人を採用するのはアリなのです。
リーマンショックの頃(2008年後半から2年ほど影響が残った)ならば、内定を取り消しされた学生はワンサカいたのですが、あの頃に今と同じことが起こっていたかというと、そうではありません。
卒業後も、そのまま学校に在籍する人までいて、「就活留年」のような立場に置かれた学生もいました。大学側も、卒業後、半年間は授業料を格安(確か半額とか1/3になっていた)にして、在籍期間を延長させていましたね。
てるみくらぶから放出された内定者は引く手あまただったようですが、労働市場で超過需要が続いている状況で、さらに他社が内定を取り消さない状況も重なった結果です。
じゃあ、あのリーマンショックの頃に内定取り消しされたらどうかというと、おそらく引く手あまたにはならなかったはずです。もし「採用しますよ」という企業がいたならば、大学での在籍期間を延長する必要はありません。
人材を採用できるだけでなく、かわいそうな人に手をさしのべたという宣伝効果もありますので、良いことをした企業というイメージを得られます。
内定取り消しされたとしても悪いことばかりではなく、そのままホイッと他社に入社できたりする。そういうラッキーな市場環境のときもあるのですね。
SNSで、ここの会社から内定を取り消されましたので、今、内定無しです。みたいなアピールをするのも1つの方法としてアリでしょう。内定状況というのは公開されることがなく、情報が流通しにくいため、SNSでオープンにして状況を好転させる。そういう機転を利かすのも今風です。
今回のように、ニュースで取り上げられた会社だと注目が集まりやすいのも内定者にとって好材料です。
興味本位でワーッと人が集まって、「じゃあ、ウチくる?」みたいな軽いノリで他社に入り込めたりする。入社した後も、内定取り消しを話題にできるし(経験としては珍しいので)、悪い出来事でも、捉え方次第で良い出来事に転換できるわけです。
他社で内定を得た人ならば、ある程度のお墨付きをいただいた人材ですから、変なヤツは来ないだろうという安心感があります。採用作業というのは、最初の段階が負担で、書類選考(大量のエントリーシート)や筆記試験(適性試験というものも含む)、1次面接あたりまでのふるい分けでシンドイ思いをするので、そこをショートカットして他社の果実にフリーライドできるだけでも御の字です。