大阪市は31日、内規で禁止されているマイカー通勤を繰り返したとして、環境局南部環境事業センター(西成区)の女性技能職員(52)を停職3カ月の懲戒処分とした。
市によると、職員は昨年6~10月はほぼ毎日、同11月~今年1月と5~9月にかけては月4、5回程度、職場近くの大型商業施設の駐車場に自家用車を止めるなどして通勤していた。職員は平成19年にもマイカー通勤を理由に文書訓告処分を受けていた。市の調査に対し「雨の日や遅刻をしそうになったときに車を使っていた」と話しているという。
通勤手段というと、徒歩、自転車、電車、自動車が代表的です。中にはスケボーとかカーシェアで通勤する方もいらっしゃるかと思います。
遅刻しそうという理由で「禁止されているけどちょっとだけ」とマイカーで通勤したようですが、頻度の高さを考えれば、やむを得ずという感じではありませんね。
マイカー通勤をするとなると、通勤距離の測定、交通費を支給するならば燃料費の計算、自賠責・任意保険へ加入しているかどうかのチェック、免許証の更新を済ませているかどうかのチェック、飲酒運転の防止、通勤中に事故を起こした場合の対応など、考えるべき点が多い。
電車通勤ならば、最寄り駅と必要な運賃を把握するぐらいですから、処理が簡単です。そのため、マイカー通勤は許可せず、電車もしくはバスに限る会社もあります。
申告した通勤手段以外のものを利用する場合でありがちなのは、徒歩もしくは自転車で通勤しているのに、電車通勤と伝えて交通費を受け取っているケースです。
私はそういう悪いことはしませんでしたが、学生の頃、電車通勤で交通費を受け取っているはずの人が自転車で、お店なり会社に来ているなんてことはありましたね。自転車で通勤するとなると、当然ながら電車賃は要らないのですから、その分だけ通勤手当を着服できます。
とはいえ、自転車でも通勤できるとなると、通勤距離はせいぜい数kmぐらいで、交通費をせしめるとしても片道200円ぐらいでしょう。
ちなみに、通勤交通費を不正に請求した場合、会社によっては懲戒処分の対象になり、懲戒解雇もあり得ます。金額は僅かであっても詐欺ですし、フルタイム社員と違って学生は身分が軽いですから、ちょっとした不正行為でも懲戒解雇されやすいのです(学生の皆さん、やっちゃダメですよ)。
職場にマイカー利用を知られないようにしていたということは、ガソリン代を職場に請求していたわけではなさそうです。しかし、クルマで移動するほどなので、おそらく電車なりバスを使っていた可能性は高く、電車に乗らず電車賃を交通費として受け取っていたならば、上記のケースと同じです。
大型商業施設の駐車場を利用していたという部分については、本人が駐車場代を負担しているのでしょうし、この点は特に非難されるところはありません。
「タダで駐車場を使っていたんじゃないか?」、「買い物をせずにクルマだけ止めるのはダメなんじゃないか?」と思うところでしょうが、イマドキの商業施設は買い物客だけでなく一般利用もできるようになっています(買い物客は無料で駐車するので儲からないため)。中には月極で利用できる商業施設の駐車場もあります。
仕事帰りに商業施設で買い物をすれば、6時間まで無料などというサービスもあるでしょうから、このような優待を利用すれば、少ない負担で駐車場を利用できます。
クルマで通勤すれば、早く到着できるし、夏も涼しく、雨にも濡れない。さらに、仕事帰りのついでに買い物も済ませられるので、職員本人にとっては便利な手段だったのでしょうね。
会社が認めていない通勤手段で事故を起こすと、普段とは違う経路で移動しているため、労災保険を使えず、自分で健康保険を使うことになってしまう可能性があります(通勤災害かどうかの判定は個別、具体的に行うので一概に言い切れませんが)。
マイカーで通勤しているときは快適ですが、後から発覚したあとの対応や事故を起こした場合の対応を考えれば、メンドクサイ結果になりますので、申告した交通手段以外の方法はなるべく使わない方が良いでしょう。