労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます。

労務管理でトラブルが生じる原因は「ズレ」にある。

 

f:id:ma95:20181120132522p:plain

虚偽の職安求人に罰則 厚労省検討会報告書 ブラック企業対策、懲役刑も

 厚生労働省の有識者検討会は3日、公共職業安定所(ハローワーク)や民間の職業紹介事業者に労働条件を偽った求人を出した企業と幹部に対し、懲役刑を含む罰則を設けるべきとする報告書をまとめた。過酷な労働で若者らの使い捨てが疑われる「ブラック企業」と求職者のトラブルを防ぎ、求人詐欺への牽制(けんせい)を狙う。

 報告書を受け、今秋以降の労働政策審議会で議論を本格化させ、職業安定法の改正を目指す。

 厚労省によると、ハローワークの求人内容が実際の労働条件と異なるとの相談は、調査を始めた平成24年度は7783件だったが、25年度(9380件)、26年度(1万2252件)と増加傾向にある。賃金をめぐるトラブルが最多で、就業時間や仕事内容の相談なども目立つという。

 職安法は労働条件の明示を企業に義務付けており、企業が自社サイトなどで直接募集して採用する際には、虚偽情報に対する罰則(6月以下の懲役または30万円以下の罰金)がある。だが、ハローワークなどに虚偽の求人を出しても、是正を求める行政指導はできるものの、罰則がなく、規制の不備が指摘されていた。

 

労務管理では、「ズレ」というものがよくある。

例えば、募集条件と勤務実態との間にあるズレ。他には、雇用契約と実際の勤務内容との間のズレ。就業規則で決まっている内容なのに、その通りに判断なり手続きがされていないというズレ。書面で提出しないといけないのに、口頭でOKになっているというズレ。

契約日数や契約時間でもズレがありますよね。週3日で契約しているのに、実際は週5日勤務になっている。週23時間契約なのに、実際は週31時間働いている。

他にも、本来あるべき形とは違った実態となっているような事柄が、探せば労務管理にはあります。

 

条件違う求人、3900件=賃金や就業時間-厚労省:時事ドットコム

 厚生労働省は8日、2015年度中にハローワークに出された求人票のうち、賃金や就業時間などに関する記載内容が実際の労働条件と違っていたケースが前年度比9.9%減の計3926件あったと発表した。
 前年度からは減少したが、同省職業安定局は「求人票を受理する際に対面で条件を点検するなどの取り組みを徹底していく」としている。
 15年度の求職者からの求人票の記載内容に関する苦情や相談件数の合計は、10.7%減の1万937件。実際の労働条件との相違以外では、求人企業やハローワークの説明不足、求職者の誤解などが主な原因だった。
 厚労省は、労働条件の内容を偽って求人する企業への罰則導入の是非について、秋にも本格的な議論を始める見通し。


募集段階で提示された契約条件が、実際に入社して仕事を始めてみると、何だか違う。例えば、月給35万円と書いていたのに、実際は月収28万円で、残業代を含めると35万円になるとか。残業するかどうか、どれぐらい残業が発生するかは日によって違いますから、さも固定で月給35万円であるかのように書かれると、困るわけです。

ブラック求人を見抜くようにアドバイスする人もいますが、応募者が集められる情報は、主に公開された情報ですから、実際に働いたときにどのような待遇になるかは分かりません。



例として、スーパーや果物屋で、あなたがりんごを買うとしましょう。スーパーだったら店の入口近くに果物売り場がありますから、りんごを見つけるのはさほど難しくないでしょう。

欲しかったりんごを買って、さあ食べようとナイフで皮をむいて、りんごをカットしたところ、中身が茶色くなっている(これを褐変という)。こんな経験ありませんか?

果物の中には、苺のように劣化が早いものもありますが、りんごは長期保存ができる果物です。そのため、店頭に中身が茶色くなっているりんごが並ぶんですね。

じゃあ、買う段階で、中身が茶色くなっているりんごを発見できるかというと、これはまず無理です。もし、発見できるならば、店頭に並ぶ前にお店の人が取り除きますから、お客さんが買う可能性はまず無いでしょう。しかし、実際には中身が茶色く変色したりんごを買ってしまいます。

求人情報もりんごと同じで、外側だけでは中身まで分からないものです。キレイでチャンとした求人だと判断しても、実際にパカっと割って中身を見ると、「こんなはずではなかったのに、、、」となる。



事前に発見できないとなると、事後に対処するしかない。

おとり求人で人材を集めた企業に対しては、企業名を公表するなり、ウェブサイトに掲載する(ブラック企業を集めた、まさにブラックリスト)なりして、労働市場から排除していく。人が集まらなければ商売は回らないので、そのような企業は消えていく。



本業の商売でおとり求人のような取り引きをすれば、取引相手から取り引きを停止されるのですけれども、労務管理では「これぐらい良いだろう」と気持ちが緩むんでしょうかね。


例えば、契約では1つ300円で、13万個注文すると決めたのに、実際は1つ220円しか支払わないとか、10万個しか買わないとか、そのような対応を買い手がすれば、売り手からは取り引きをお断りされますよね。

しかし、労務管理では、契約した内容とは違った勤務実態になっても「まっ、いいか」と考える人もいる。



本業での契約も、労務管理での契約も、同じ契約なのですけれども、人の気持ちは少し違うようです。

 

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
E-mail : mail@ymsro.com
お問い合わせ

© 社会保険労務士 山口正博事務所