自分でスマホを買わなくてもいい?
ネットや電話だけでなく、チケットを管理したり、写真やビデオ、天気予報や動画見放題など、ドンドンと用途が広がるスマホ。2007年に第一世代のiPhoneが発売された頃は、「使いにくいだろう」、「普通のケータイの方が便利だろう」と散々な評価でしたが、2016年の現在、スマホに対する評価はご存知の通り。
その便利さからか、会社経由でスマホが支給されるところもあるようで、「自分で買わなくても会社から支給されるなら良いじゃないか」と思うところなのですが、その使い方で色々と課題があるようです。
仕事でもスマホを使うので、会社がそれを用意する。確かに業務で必要な道具であるならば、会社が用意するのは当然です。
ただ、スマホというのは、その使い方は1つではなく、何通りもあります。電話だけで使うものではないし、メールをやり取りするだけで使うものでもない。もはやただの携帯電話ではなく、手のひらの上にあるコンピューターですから、もう何でもありです。
多用途で使えるとなると、業務とは関係ないことに使う人が出てきますよね。会社側で何らかの機能制限を課して端末を渡している場合もあるでしょうが、無制限で渡せば、ゲームで遊ぶのも、LINEを使うのも、動画を観るのも好きにできてしまいます。
所有者は会社。いきなり回収される可能性もある。
本人が購入したスマホではないので、何らかの理由があり、会社の判断で取り上げられることも想定していないといけない。
とはいえ、いきなりむんずと奪い取られることはないでしょうが、退職時はもちろんのこと、社用携帯電話を利用する権限を失って使えなくなるなんてこともありそうです。
もし、何らかの個人情報が入っていたら、アクセスできなくなるので困ってしまうでしょうね。
スマホはパーソナルな道具ですから、会社支給のものであっても、しばらく使っていると、自分のケータイであるかのように感じ、写真や動画、文書データなど、個人的な情報を入れ始める。
会社のケータイでも、使っていると、徐々に私物化していくわけですね。そこで、パッとケータイを回収されてしまうと、「アララ、、」となってしまう。
通信費を補助するのがオススメ。
端末を用意するとなると、法人契約で何台もスマホを契約しないといけないし、端末に番号や記号などの識別符号を付けて管理し、さらに私的な使い方をしていないかどうかをチェックしたりと、面倒な作業が多くなります。
そこで、その手の作業を省く方法があります。
それは、通信費を補助するという方法です。今時のヒトたちならば、自分でスマホを持っている人も多々います。そして、自分で通信費も支払っているはず。
その通信費の一部を会社が補助して、本人所有のスマホを仕事でも使ってもらう。この方法ならば、スマホを契約する必要はないし、端末を管理する必要も、利用方法をチェックすることもない。
補助額は、色々と考えられますが、毎月1,350円とするのがオススメ。なぜ1,350円なのかというと、かけ放題プランの半額に相当する額だから。
大手通信会社の音声定額プランは月額2,700円で、固定電話でも携帯電話でも、どれだけ電話をかけても毎月2,700円です。その料金の半額、つまり1,350円を毎月補助して、仕事でもケータイを使ってもらうわけです。
通信費が補助されれば、本人は嬉しいし、会社も端末を契約して管理する手間がなくなりラクになります。
会社でスマホを用意するのも1つの方法ですが、通信費を補助するのもアリです。
脱獄やルート化なんて知らなくていい。
僅かですが、会社支給のスマホで脱獄したりルート化する人がいるようですね。「脱獄って何?」、「ルート化って?」と思ったアナタ、あなたは正常なタイプですから安心してください。世の中、知らなくても生きるのに困らないことは多いものです。
脱獄というのは、何も刑務所から逃げ出すことを意味するものではなく、スマホの機能制限を解除することを意味します。この点はルート化も同じです。
脱獄は、iOS端末を使っている場合に当てはまるもので、iPhoneやiPadを脱獄処理して、機能制限を解除し、端末を使っている人がいるのですね。機能制限を解除すると、普通には使えない機能を使えて、自由度が上がるのですが、端末に対する保護機能を弱めることがあります。
数年前は、脱獄すると、テザリング機能が使えたり、他社のSIMが使えたりと、何やら色々とワクワクする雰囲気がありましたが、2016年の今ならば、テザリング機能は普通に使えますし、SIMフリーのiPhoneやiPadも販売されています。
iOSのバージョンも9.3.2まで上がって、「もう脱獄はできなくなった」という話も出てきて、数年前の怪しいワクワク感はなくなりましたね。
一方、ルート化というのは、Androidスマホで使われる言葉です。ルートというのは、rootという書き方で、OSの管理権限を取得するのがルート化というものです。
Android OSの管理権限を取得すると何が良いのかというと、Androidの中身をコロコロと入れ替えることができるようになります。普通にAndroidスマホを使っていると、OSの中身をいじくる機会は無いでしょうし、与えられた環境でスマホを使うだけです。しかし、端末をルート化すると、正規のものではないAndroid OSをインストールできたり、OSのバージョンを古いものに変えたりもできます。
スマホを自分が好きなようにカスタマイズしたい人はルート化にも手を出すでしょうが、殆どの人はルート化という言葉すら知らないでしょう。
他人の家に行って、勝手に改築したりしないし、無断で内装を変えたりはしないはずです。会社支給のスマホでも同じで、脱獄やルート化を施すのは、他人の家を勝手にリフォームしてしまうようなものです。
サイドローディングという言葉も出てきますが、これまた専門的な用語ですね。これは、正規のアプリストア以外からアプリをダウンロードすることを意味する言葉です。
iPhoneでもAndroidスマホでも、専用のアプリストア(App Store、Google Play)がありますけれども、そこ以外のサイトからでも強引にアプリをインストールできます。
ただ、「セキュリティ上、危険ですよ」という類のアラートが画面に表示されるので、自己責任でインストールすることになります。
スマホを監視する会社
業務で本人のケータイに連絡する。これはよくあることです。LINEで業務連絡なんていうのも、もう当然のようになってきました。
勝てば官軍というか、利用者が増えれば、その利用方法は正当化される。LINEもこれと同じです。利用者が少ないと、「そんなものは仕事で使っちゃダメだ」と言われるが、利用者がドンドンと増えてくると、ごく自然にLINEを業務で使っている。
本人にすぐ連絡できるのがケータイの良いところなので、私物のケータイを仕事でも使っている人も多いでしょう。
会社からスマホを貸与されると、どこの会社でもそうとは限りませんが、本人の行動をトラッキングできるような仕掛けを端末に仕込む可能性があります。
どこに、いつ、いたのか。会社が社員の行動を把握できるような仕組みですが、スマホならできることです。
会社支給のケータイは会社が所有しているので、この手のトラッキングシステムを仕込むわけです。プライバシーが侵害されると思うところですが、そのケータイの所有者は会社になっているので、「プライバシーを侵害しているのではなく端末を管理している」と屁理屈を展開されかねない。
監視する手段としてスマホを使うなんてことも可能ですから、会社支給のスマホには警戒してしまいますね。