高校生が働く店では賃金が15分単位で計算され、15分に満たない時間分は「ただ働き」させられていた。労働協約は、1分単位で賃金を支払うしくみに改め、アルバイトを含む従業員約70人に未払い賃金計約500万円を支払う内容という。高校生は「行動することが大きなことだと実感した」と話す。
勤務時間の端数を切り捨てる。10年前、20年前はそのような処理が当たり前のような状態でしたね。
仕事をしている時間であるのに、なぜか給与にならない。本当にオカシイ時代でした。過去形で書いていますけれども、どうも今でも勤務時間の端数を切り捨てるお店なり会社があるようです。
始業時間の少し前に始業打刻をして仕事を始める。
終業時間を打刻して、終業時間を少し過ぎるまで仕事をする。
勤務記録に残らない、いわゆる「はみ出し無賃労働」というものです。
私も学生の頃に経験があります。朝の10時から始業なのに、9時50分頃から仕事を始めるものの、記録上は10時から仕事を始めていることになっている。
仕事を終わるときも、15時が終業だけれども、仕事が終わるのは15時6分とか15時9分になる。記録では15時で仕事を終えたことになっている。
小さな不満でしたけれども、「まぁ、誤差程度だし、こんなもんかな」とスルーしていました。
会社側としては、「ちょっとトクをした」と感じるのでしょうが、未払賃金という借金をしているような状態です。
始業前であれ、就業後であれ、わずか数分のことですが、働く側としては納得できないものです。
私が同じような環境に遭遇したら、仕事を辞めるでしょうね。ユニオンと協力して労働協約を締結するのも1つの選択肢ですが、「その程度の会社なり店なのだから、自分が関わらなければいいか」と考えて環境を変える。その方が気楽でした。
労務管理に不備がある店ならば、人がいなくなって潰れればいい。このような荒っぽい考えもあります。人がいなければ営業できませんから、自ずと会社やお店は消えていく。
1分単位で勤務時間管理するのは難しいものではありませんし、ことさら費用が増加するというものでもないでしょう。1回の勤務当たり数分程度のもの。
チョコチョコと未払い賃金を見えない形で膨らませて、ある時点でドーンと破裂させてしまうよりは、普段から普通に、当たり前に勤務時間を管理する方が会社も働いている人も負担が軽いでしょう。