大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査結果について
企業が学生に対して、労務管理においてどのような接し方をしているかを調査した結果ですが、「まぁ、そうだろうな」という結果です。
大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査 (PDF)
雇用契約書を交付されていない人は多く、口頭でも労働条件について説明されていない人がいます。これは今始まったことではなく、20年ほど前も同じような状況でした。
履歴書を持って面接に行くと、チョチョイと日常会話をして、「いつから入れる? じゃあヨロシク」みたいな軽いノリで採用される。履歴書を見ながら面接をするだけで終わるので、雇用契約書なんて作らないし、契約書を作っていないので写しを渡すこともない。
口頭で説明されるのも、労働条件というよりは、何曜日に何時間入れるか。これぐらいです。
学生に対する労務管理はとにかく雑で、雑ではない会社を探すほうが難しいぐらいです。
学生の頃、高校生から大学生まで私も色々と仕事を経験したが、契約書を作っている会社に出会ったことがありません。どこの会社やお店も履歴書と面接だけ。20年前は、労働条件を書面化する必要はなく、口頭でもOKでしたから、「いつから入れる? じゃあヨロシク」な感じでも良かったのでしょう。
なぜ雇用契約書を作らないのか不思議ですが、商売では契約書を頻繁に作っているはずなので、契約そのものに抵抗があるわけではなさそうです。契約書がなければ、例えば、1つ400円で仕入れていたものを、突如として1つ600円に変えられてしまう可能性があります、契約の期間や条件を契約書で決めていれば、契約当事者が勝手に内容を変更できませんが、書面がなければ、契約内容を固定するものがありませんから、1つナンボで仕入れるように設定しても構わない。
もちろん、契約書がなくても、一方的に条件を変えれば、相手からの信用を失いますから、取引を打ち切られるでしょう。それゆえ、契約書無しでもキチンと取り引きできる場合もあります。
契約書をキチンと作る相手。契約書を作らずに「いつから入れる? じゃあヨロシク」と接してくる相手。あなたならばどちらを信頼するか。おそらく前者の方でしょう。
学生を雑に扱うと、店や会社も雑に扱われる。因果応報ですね。キチンとしていない人は、相手からキチンと接してもらえない。人間の世界とは、そういうものです。
ルーズに労務管理すれば会社がトクするように思えますが、最後にそのツケを支払うのは会社側です。未払いの割増賃金がそうですし、ノルマを課してクリスマスケーキやおせちを強引に自腹で買わせるのもそうです。
雇用契約書を作るのは難しくなく、雛形も用意されています。
主要様式ダウンロードコーナー|厚生労働省
労働条件通知書(PDF)
この労働条件通知書は汎用性のある書面ですので、どこの会社でもそれなりに使えます。会社ごとに合わせたものではないので、不足する部分もあるでしょうが、初めて雇用契約書を作る会社にとっての第一歩としては使えます。
労働条件通知書をコピーして、記入し、原本を会社が保管し、完成した書面をコピーしたものを労働者に渡します。後日、勤務する曜日や時間が変わった時は、新たに契約書を作って、労働条件を変更する。この程度のことでも、相手からの信頼感は変わりますからバカにはできませんね。