労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます。

ソーシャルメディアの労務管理、人に言えない事はSNSに投稿しない。

SNSと労務管理

 

ツイッターで「仕事の愚痴」を書いたら「降格」された!匿名ツイートでもアウトなの?
http://www.bengo4.com/roudou/n_3242/

ツイッターに自分のアカウントをもっている場合、個人名や会社名を明記しないで、つぶやく内容にも注意して「会社バレ」を回避している人は多いだろう。東京都内のデザイン関連事務所に勤めるY子さん(30代)もそんな一人だったが、ツイッターを使っていたことを理由に「降格」される不運に見舞われてしまった。

投稿内容は、日常生活のささいなことが中心で、仕事の愚痴はほとんどない。「今日も朝から牛丼です」「忙しすぎて昼休みがとれなかった・・・」「部長のせいで、残業がつづいて最悪」などと書き、友人らとつながっていた。

しかし、ある日、上司から「誰が見ているかわからないところで、会社の『悪口』を言えてしまうツイッターを使うのは問題だ」という理由で、配置転換と降格を命じられてしまった。どうやら、Y子さんのツイッターアカウントを知っていた元同僚が面白がって別の同僚に教え、そこから上司に告げ口されたようだ。

 

 

匿名でSNSを使っても、情報を名寄せするとアカウントの利用者がバレる。

匿名だから大丈夫。匿名だから安全。そう思ってSNSを使っている人もいるでしょうが、匿名アカウントであっても、いわゆる「名寄せ」をすると、誰がそのアカウントを使っているのかをある程度推測できます。

繋がる、共有する。これがSNSの特徴でありウリでもあります。フォローしたり、フォローされたり、お気に入りに登録されたり、共有されたり、リツイートされたりと、他者のアカウントとナンダカンダと接続させて利用する。誰かと繋がることで価値を発揮するのがSNS、つまりソーシャルネットワーキングサービスなので、誰とも接続していないアカウントではつまらないのです。

名寄せというと、金融機関で使われるのが主ですが、ネットでの名寄せとは、他者とのつながりから匿名アカウントの利用者を特定することを意味します。

フォローしているアカウント。フォローされているアカウント。自分が投稿した内容。フォロー先のアカウントが投稿した内容。他にも、出身学校、職業、年齢、性別など、多種多様な手がかりがSNSにはアップロードされています。これらの情報を集め、総合して推測すると、誰がアカウントを使っているか推測するのは思いのほか難しくないものです。

例えば、近藤さんと今村さんという2人のSNSユーザー(架空の人物です)がいて、近藤さんは匿名でSNSを使っているが、Bさんは自分に関する情報を開示して使っているとします。2人は友人同士で、普段から付き合いがあり、外出先でスマホを使って2人が写っている写真を撮りました。最近は自撮り棒などというものがあり、それを使って自分たちだけが映る写真を撮るのも容易です。

写真を撮った後、今村さんがその写真をSNSにアップロードしました。この写真には近藤さんも写っており、2人のアカウントは友人機能なりフォロー機能で接続されています。近藤さんは匿名でSNSを使っていますが、今村さんのアカウントにアップロードされた写真には近藤さんが映っていて、さらに今村さんのアカウントから近藤さんのアカウントへ移動するにはリンクをクリックするだけです。

自分は匿名でSNSを使っているから安全だ、安心だと思っていても、フォロー関係にあるアカウントから自分に関する情報、上記の場合だと自分が写った写真が公開され、そこから匿名アカウントを使っている自分自身がどこの誰かが分かってしまう。

例えるならば、「玄関口はキチンと戸締まりされているが、勝手口がパカっと開いたまま」という状態です。主は「よし、戸締まりはバッチリだ」と思っていても、外の人からすると「ん? 勝手口が開いてるぞ。入っていいのか? 中を見てもいいのか?」と思ってしまう。

友人申請やフォローを気軽に警戒心なくポンポンと行う人も少なくないでしょうが、自分以外のアカウントから自分に関する情報が漏れていくこともあると知っておくべきでしょう。友人として繋がれば繋がるほど、フォロー関係が増えれば増えるほど、勝手口が増えていくようなものです。

匿名のtwitterアカウントに仕事の愚痴を書いて人事処分されたのが今回の事例ですが、私の感覚では「それは当たり前だ」と感じます。法的には過大な処分かもしれませんが、会社での出来事をSNSに投稿しないのは暗黙の了解のようなものです。匿名で使って、バレてない、知られていないと思っているのは本人だけで、意外と他人には知られているものです。

匿名で利用していても、アカウントが接続されている同僚から同僚へと伝播し、上司に知られることになったならば、まさに名寄せ効果の結果です。

本人のアカウントには勤務先や業務内容が書かれていないとしても、友人や同僚のアカウントで会社に関係する内容が投稿されていると、匿名で使っている自分のアカウントも会社の内部にいる人間が使っているのだろうと推測されてしまいます。

自分自身のアカウントを匿名にしていても、友人やフォロワーとしてつながっているアカウントから情報を集めてきて、どんな人物が匿名アカウントを使っているかを推測することができます。玄関をピシャっと閉めていても、勝手口が開いていたら、そこから人が出入りしてしまうわけです。

本人のアカウントに何が投稿されているかだけで判断できるものではなく、接続されているアカウントも含めて判断されます。「そんなところまで管理できないよ」と思うかもしれませんが、それがSNSです。

人に向かって言えないことはネットにも投稿しない。単純ですが、この気持ちを持っているだけで人事異動は防げたのではないでしょうか。

 

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悪ふざけでお店が潰れる。

アイスクリームを販売するケースに入って、その写真を撮影し、Twitterにアップロード。

ステーキ店の冷蔵庫に入った写真をアップロード。

インターネットでは、ときに珍妙なことをする人が登場します。

誰もが情報を発信できるために、インターネットは玉石混淆な状態で、とても有益な情報もあれば、上記のように常軌を逸した振る舞いが公開されることもあります。

第三者の立場ならばアハハと笑っていられるでしょうが、当事者の立場を考えると、もう顔面蒼白なのではないでしょうか。

この手のことが起こると、会社にとっては脅威で、一定期間休業するか、閉店しないといけなくなる。

悪ふざけをした本人は、「まさかこんな大惨事になるなんて、、、」と思うでしょうし、経営者は、「まさかこんなことが起こるなんて、、、」と思うはず。

スマホが普及して、高性能な通信機器が手元にあるので、ときにイタズラな気持ちで悪ふざけをネットにアップしたくなるのかもしれません。

ただ、悪ふざけといっても、上手な悪ふざけと下手な悪ふざけがあって、前者ならばときに称賛を集めることもありますが、後者の場合に集まるのは非難だけです。

上記のような事件が起こると、スマホでヘンなことをされて商売に悪影響がでないように、労務管理でスマホの扱い方を管理しないといけなくなる。

ケータイの使い方まで会社が関与しないといけないのかとウンザリするところですが、放置していると、想定外のことも起こりかねない。

もちろん、おかしなことをする人はごく少数でしょうから、そこまで敏感にならなくてもいいとは思います。ただ、職場でのケータイの使い方については、ちょっと啓蒙する必要があるかもしれません。




なんでも「なう」する。

近頃は、何でもかんでも共有する風潮があって、自分が撮った写真、知ったこと、見たこと、聞いたこと、食べたものなど、片っ端からネットに投稿する人もたくさんいます。

別に他人に見せなくてもいいんじゃないかと思える写真、お昼に食べた食事の内容、「ああ、眠い。もう寝るなう」などという独り言。果たして、どういう目的があるのかよくわからないような情報がワンサカあって、見ている側はもはや無関心でやり過ごすしかないぐらいドンドンと情報が流れてきます。

人の関心を集めるような投稿。何か役に立ちそうな投稿。有益な情報を知らせるための投稿。そのようなものであれば良いのでしょうが、純然たる自己満足の投稿となると、その意味を考えないといけなくなります。

スマホはスマートフォンと言われますが、使う人間がスマートでないと、スマートフォンも台無しです。

インターネットサービスによっては、共有機能が当たり前のように備わっていて、利用者が意図せぬ動作をしてしまうものもあります。

例えば、Googleグループの閲覧設定などもその例です。

特定のグループでメーリングリストを運用しているならば、グループ外の人はその内容を見れないようにするべきですし、メーリングリストに参加している人もグループの人だけがメールを見ていると思って使っているでしょう。

Googleグループのサイトで調べると、2013年8月13日時点でも、未だに不特定多数に公開されているメーリングリストがあります。私が調べた所では、大学のゼミナール内で運用されているメーリングリストが公開されており、合宿に関する情報が外部の人でも閲覧できるようになっていました。

私もメーリングリストを使った経験がありますが、参加者内でメールの内容を見るものであって、不特定多数に見せるものではありませんでした。打ち合わせの内容だとか、飲み会の案内など、対象者には意味のある情報ですが、不特定の第三者には意味のない情報です。ゆえに、メーリングリストの内容は、特定の人だけが閲覧するものというのが普通のありかたです。

とはいえ、もちろん例外はあります。例えば、オープンコミュニティでメーリングリストを運用している場合は、不特定多数の参加を想定していますので、その内容も公開されています。ですので、すべての場合で「メーリングリスト=一部の人だけが閲覧可能」という設定になっているとは限りません。

ケータイ関連で、あるあるネタとしては、
1,職場の電源で充電。
2,職場内をカメラ機能で撮影。書類やホワイトボードもカメラで撮影できます。
3,業務に関して知ったことをネット上で投稿。

他にも、盗撮とか、私用で電話やメールをするというものもあります。


私物ケータイの持ち込みを禁止してもいいのですけれども、仕事でケータイを使っている職場もあるので、一括りに持ち込み禁止にすると支障が出るところもあるでしょう。

業務中は、専用のPHSや携帯電話を用意するとか、店内放送や内線連絡網などを使うなどをすれば、私物の携帯電話を使わないようにはできます。

とはいえ、どこの会社でも同じようにできるわけではないので、次善の策というところです。


1,就業規則に持ち込み禁止の規則を作り、違反したら懲戒処分にするのか。ちなみに、懲戒処分を実施するには就業規則に根拠が必要です。

2,規則までは作らず、職場でのケータイの使い方を教育する(業務に関連する写真や投稿はしないように)にとどめるのか。朝礼や夕礼などの時間に、ケータイの使い方に関するプリントを配布して、教育するのもいいかもしれません。

3,業務用のPHSや無線機などを用意するのか。私物のケータイは業務中は持たせないように。

4,特に制約は課さないのか。

どの選択をするか。それは会社ごとに違います。

 

見ているのは知っている人だけ?

ツイッターで妙な投稿をして、炎上する人達のことを「バカッター」と呼ぶ。そんな文化(?)が定着してきたのか、検索サービスで1文字目に「ば」と入力すると、バカッターがサジェストされるぐらいです。

画像検索すれば、ワンサカと実例が出てきます。
http://image.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%86%E3%83%AD


文字で検索するよりも、画像で検索したほうが見やすくなっているのが何だか皮肉です。

コンビニの冷蔵庫に入ったり、顔に何かを付けたり、冷蔵庫に入ってみたり、鼻の穴に何かを入れてみたり。バラエティ豊かです。


Twitterを友人だけで使っている感覚で投稿しているアカウントもあり、不特定多数が見るという点を忘れているんじゃないかと思える投稿も見つかります。

使っている本人は友人同士だけで使っている思っていたら、知らない人も見ていたりする。

友人同士に限定して使うサービスもありますけれども、友達申請の仕組みなどを利用して、他人が自分のネットワークに入ってくることもありますから、自分の投稿内容がどこまでの範囲まで見えているのかを知って使っていかないといけませんね。


第三者として傍観している場合は、「ハハハ」と笑っていれば済みますけれども、当事者になったら、笑っていられない。

この手のトラブルで閉店したお店もあるぐらいですから、自分の身の回りで起こったら、さすがに困るはず。


以前普及していた普通の携帯電話だとネットを使うには不便でしたから、写真を撮影してアップロードする人は多くはなかった。画面は小さいし、ボタン操作も面倒で、通信速度も早くはなかった。

しかし、スマホが普及してくると、ササッと撮影して、スッとアップロードできるものですから、ちょっとした出来事でも気軽に投稿しやすい。だから、バイトテロのような出来事も起こるのかもしれません。


そこで、どうやったら悪ふざけ投稿を防げるのか。ここが知りたいところです。





従業員だけじゃなく、お客もテロになる。

職場で働いている人だけが悪ふざけ投稿するとは限らず、お見せに来たお客が悪ふざけをして投稿することもあり、社員教育だけでなく、お客さんまで教育しないといけなくなり、手間が二重にかかるのが厄介なところです。

大半の人は悪ふざけをネットに投稿したりはしないのでしょうが、すべての人がそうとは限らないので、「何がよくて、何がダメなのか」を示さないと自制できない人もいます。

労務管理で予防策を講じるとなると、就業規則でルールを作ろうと考えるところですが、あえて就業規則で書くほどのものなのかという気持ちもあります。

ただ、実際にトラブルが起きた時に処分するには、就業規則に根拠が必要ですから、何らかの形で就業規則に根拠があったほうがいいでしょうね。

とはいえ、わざわざ就業規則に「インターネットサイトの利用について」などと項目を作る気にはなりにくいので、会社の信用を毀損したという類の条項(懲戒処分の対象になる行為に列挙されているはず)を使って対処するのが一般的かもしれません。

とはいえ、できることならば懲戒処分になる前に対処したいはずですから、どういうことをしてはいけないのかを示したガイドラインを示すのが妥当な対処策ではないかと思います。

A4サイズの紙でもいいし、パンフレットを作ってもいいので、何らかの形でネットサービスの使い方についてメッセージを出しておく。これだけでも何もしないよりは牽制になるはず。

こういう使い方は避けるべきという例としては、

  1. 業務中に撮影した写真を投稿しない。(仕事をサボっていると思われる)
  2. 仕事中に知ったことを投稿しない。タレントの誰が来たとか。(秘密の漏洩。プライバシー侵害)
  3. 政治、宗教、人種に関する内容は避ける。意見が過激に分かれる話題は炎上しやすいので、避けておく。


上記の3点が代表的ですね。

マトモな人にとっては当たり前とも思える内容ですけれども、分からない人は本当に分からないもの。分かっている人ばかりならば、バカッターなんて登場しないはずです。


仕事中にケータイはいじらないのが最もカンタンな対処策かもしれません。業務中はケータイを持ってはいけないようにすれば、上記の1は防げるはず。私の経験でも、飲食店では仕事中にケータイを持ってはいけないというルールでした。

しかし、ケータイを持ち込まないようにしても、防げるのは1だけですから、2や3は業務外の時間に投稿できてしまうので、根本的な解決策にはならないかもしれない。


どういうことをしてはいけないのか、避けるべきか、を示しておくのが現時点での次善の策なのかもしれません。



 

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山口正博 社会保険労務士事務所
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