あやめ社労士事務所 - 労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます

午前と午後、1日に2回勤務して残業になる。

 

お昼の時間が異様に長い医院。

歯医者でも眼医者でも皮膚科の医院でも良いのですが、入り口に掲載されている診察日と時間を見て、不思議に思った人も少なくないはず。

午前の診察が9時から12時まで。時間を空けて、午後は16時から20時まで。診察時間に違いはありますが、お昼から夕方まで、3時間、4時間と時間が空いているのが特徴です。「なぜ、こんなに時間を空けるのだろうか?」と思った人は私だけではないでしょう。

まさか昼食で3時間も使うわけではないでしょうし、昼寝をしているというのも何だか納得しにくい。実際は、午後の診察にむけて準備するための時間とされているようですが、一般の人で知っている人はどれだけいるのでしょうか。

仮に、昼から夕方までの3時間なり4時間を休憩時間として扱っていると考えると、午前と午後で勤務時間が分離していることになる。これだけ時間が空くと、一度自宅に帰って、改めて午後から出勤してくる人もいるでしょう。


ここで問題になるのが、午前の部の仕事が終わった後、一度自宅に帰り、夕方からまた出勤してきた場合、午前の勤務時間と午後の勤務時間をどのように扱うかです。

例えば、午前は、8時から出勤で、12時30分まで仕事をした。その後、12時30分から15時30分までが休診。15時30分から21時まで午後の勤務となった場合。

この場合、午前の勤務時間は4時間30分。午後からの勤務時間は5時間30分です。両方を合わせると、合計で10時間となります。

では、上記の場合に、割増賃金が必要かどうか。



通算するか。それとも分離するか。

まず、午前の勤務と午後の勤務、この2つを分離したものと扱った場合はどうなるか。

午前の勤務時間は4時間30分なので、8時間を超えておらず割増賃金は不要。また、午後からの勤務時間は5時間30分なので、こちらも8時間を超えていない。

2つの勤務時間を分離したものとして扱い、1日に2回の勤務があったと考えると、残業が発生していないという結果になる。

次に、2つの勤務時間を通算して扱った場合はどうなるか。

午前の勤務時間は4時間30分、午後からの勤務時間は5時間30分、この2つを合計すると、10時間なので、8時間を超えており、割増賃金を伴う残業の時間は2時間となる。


もし、午前と午後の勤務を別々のものとして扱ってしまうと、割増賃金の支払いを回避できてしまう。一旦、業務を終了させて、その後、改めて始業すれば、勤務時間をリセットできるので、労働基準法37条が存在する意味が無くなる。

私は学生の頃、飲食店で働いていたときがありましたが、日曜日が学校の授業が無いので、朝から出勤し、昼過ぎに一旦仕事を終え、自宅に帰り、その後また夕方から出勤していました。

朝の10時から始めて、14時に終わる。職場の店から自宅までは自転車で3分ぐらいの近さでしたから、行き来は容易でした。お昼すぎになるとお客さんが少なくなるので、店を閉めて、17時からまた店を開ける。そういう営業方針でした。私の場合は17時からではなかったですが、18時になるとまた仕事が始まり、22時30分頃に終わる。

朝の仕事が4時間。夕方からの仕事が4時間30分なので、この場合も通算すれば残業が発生しています。ちなみに、割増賃金が支払われたことはありませんでした。その頃は大学生で、今のように労務管理に関する知識もありませんでしたから、何もヘンなところは無いと思っていたのですが、実際は不備があったのですね。

1日の中で、勤務時間が上記のように分離する職場の場合、勤務時間を分離するのではなく合算して取り扱ってください。


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