妊産婦をみかけると、周りの人は色々と配慮するものですが、マタニティマークを見ると反発する人もいるようです。
マークそのものは、ピンク色をベースにして、何ともホンワリしたデザインで、このマークを見て攻撃的になる人はいないんじゃないかと思えるぐらいですが、色々と物議を醸しています。
キーホルダータイプのマタニティマークをカバンに付けている人をボチボチと見かけます。つぶつぶチェーンにマークを通してキーホルダーに仕上げたマタニティマークですが、母子健康手帳と一緒に配布している市町村もあるようで、そのためカバンに付けて歩いている妊産婦の方がいるのかもしれません。
「座りたい方が頼めばいい。譲る方があれこれいろいろと考えなきゃならないのは理不尽」、「すみませんが席を譲っていただけませんか、と素直にお願いできないのか」
これはさすがに無理でしょう。素直にお願いするといっても、実際にやってしまうと、相手から逆恨みされるかもしれないし、舌打ちや罵声など、ネガティブな反応が返ってくる可能性があり、お願いはしにくい。
頼めばいいとか、お願いしたらいいというのは、言うは易く行うは難しの典型です。座っている人に移動してもらって自分が座るのですから、本人は気まずいはず。相手の方から「どうぞ」と言われて座るならば良いのですが、自分から「席を譲ってください」と言うには度胸が必要です。
相手にリクエストするのは、非現実的です。
「望んで妊娠したくせに、なんでマークを着けただけで特別扱いされると思ってんの?」「ドヤ顔の無言で、席譲れやマーク誇示されても、絶対に譲らない」
これだけトゲトゲしたことを言われてしまうと、もう何も言い返せませんね。
「マークを目にした不妊女性が傷つく」
外に出て移動していれば、どの女性が不妊女性かは分かりませんから、ここまで気にしないといけないとなると、さすがに酷です。
妊娠4ヶ月、7ヶ月ぐらいになれば、マタニティマークが無くても、身体で周りの人に妊娠を主張することになるので、マタニティマークの有無にかかわらず不妊女性には影響を与えるはずです。だから、この件に関しては、マークの有無は関係ない。
「知り合いがマーク着けて電車に乗ってたら、サラリーマンから『俺らはお前より疲れてんだからふざけんな、立ってろ。本当、ずうずうしい』って言われたらしい」
電車に乗っていたらと書かれているのですが、どういう形で乗っていたのかは書かれておらず、カバンにマタニティマークを付けて普通に電車に乗っていただけなのか、それとも、マタニティマークを周りの人に見えるように、わざとらしく振舞っていたのか。
もし、「オラオラ、これはマタニティマークだぁ。席を譲れぇぇ!」みたいな雰囲気で電車に乗っていたとしたら、周りの人は気分を害したかもしれません。
他にも、「席を譲ってください」と疲れたサラリーマンに言ってしまい、相手がカチンと来たのかもしれない。マタニティマークを身につけているだけで、唐突にここまで言われるとは考えにくいので、おそらく、席を譲るように言ったところ、相手から反発されたというオチではないかと想像します。
「変なマーク着けて主張するからたたかれる」「子連れや妊婦の中には、勘違いして特別な待遇を受ける権利があるって自分本位の行動を取る人がいる」
もし、カバンにマタニティマークを付けているだけで主張していると思われてしまうとなると、付けている本人にとっては心外でしょう。「あぁ、こんなものがあるのか。カバンにでも付けておこうかな」と思って付けているぐらいで、妊産婦であることを周囲に主張したいわけではなく、もらったから付けてみた、という程度の感覚ではないかと思います。
特別な待遇という指摘については、確かに悪用する人も一部にはいるかもしれません。水戸黄門の印籠のような使い方をしたり、妊娠していないけれどもマタニティマークを付けているなど、色々と考えられますが、そのような振る舞いをする人は一部で、大多数は何気なく付けているだけのはず。
一度作ってしまうと、それが無いとイケナイと思ってしまいがちですが、無ければ無いで大丈夫です。バイクのヘルメットだと着用していないと怪我をするかもしれませんが、マタニティマークを付けていないからといって何か困ったことが起こるわけではないですから、気になるのでしたら付けないで過ごせば良いでしょう。
長々と、当の妊産婦の方々からすれば、マジメに書いたり話したりするほどのことでもないのかもしれません。自分の体そのものがマタニティマークになってしまいますからね。妊産婦は「歩くマタニティマーク」になりますから、あえてマタニティマークのキーホルダーを付ける必要はありません。