「スケボー通勤」という言葉を聞いたことがあるだろうか。自転車通勤はすっかり定着したが、スケートボードで通勤・通学する人もいるのだという。ブログなどでスケボー通勤をリポートしている人もおり、「歩くより速くて楽」「周囲の注目を集めるのが楽しい」と本人たちは楽しそうだ。
ところが、ネット掲示板などでは「道をふさいでいて邪魔で危ない」「自分に酔っているだけのかっこつけ」といった批判の声もあがっている。たしかに、自転車でさえ様々な交通ルールがある。転びやすいスケボーが、歩行者の行き交う道を走行するのは、自転車並みに危険だともいえるだろう。
私は、スノボーは好きなのですが、スケボーはやりませんね。どちらも横乗り系で同じカテゴリーに属するスポーツのように思われているフシがありますが、私にとってスノボーとスケボーは違います。
雪山だとコケても怪我はしにくいのですが、スケボーだとコケるとその先には硬い地面が待っていますから、怪我をしやすいように思っています。だいぶ昔ですが、スケボーが手元にあったのでやってみた経験がありましたが、怖さが先行して乗れるまで続けることはなかった。
乗るのが結構難しいスケボーをあえて通勤で使うというユニークさが好きです。確かに、歩かないので疲れにくいですし、歩くよりも早い。さらに、持ち運びもしやすいので、徒歩と自転車の中間のような感覚で使えます。
「自分に酔っている」、「カッコつけ」という評価もありますが、上記のような実利を考えてスケボーを使っている人もいるでしょうから、一概に他人に見せつけるためとは限らない。
「電車通勤+スケボー」という組み合わせも考えられます。自転車を電車に持ち込むのは難しいですが、スケボーならば小脇にかかえて持ち込めます。いうなれば、「ポータブル自転車」のような感覚でスケボーを使う方法もあります。自宅から駅までスケボーに乗り、電車に乗るときは手にボードを持って、電車を降りたらまたボードに乗り職場まで行く。
会社の敷地が広い場合、学生だと大学の敷地が広い場合、敷地内をスムーズに移動するためにスケボーを使うのもいいかもしれない。しかし、道路で敷地内と同じ感覚でボードに乗ると他の人が嫌がることもあるでしょう。
道を歩いていて、向こうからスーツを着てスケボーに乗ったビジネスマンが迫ってきたら、「おおぅ、、なんだよ」という感じで道を空けてしまう。つまり、スケボーに乗って移動していると、他の人に威圧感を与え、道を開けさせてしまう。ボードに乗っている人は気分が良いのですが、他の人はスケボーに乗った人が前からやって来るたびに一時停止して道を空けないといけないので、それを邪魔だと感じる。
スケボー通勤で事故を起こすと、通勤災害が問題になるのですが、労働者災害補償保険法の12条の2の2では、故意や過失で事故を起こすと、給付を制限するとの内容が書かれています。
通勤でスケボーを使ったから直ちに過失や故意が認められるわけではありませんけれども、もし事故を起こせば本人は不利になるでしょう。自転車や徒歩、電車やバスなど、代替的な交通手段があるにもかかわらずあえてスケボーを利用し、通勤の際の危険性を高めたと判断され、労災保険で不利な扱いを受けることも想定されます。
とはいえ、痛い思いをするのは本人ですし、他者があまりヤンヤヤンヤと言って止めるのも気が引けます。通勤にスケボーを利用するというユニークな試みには賛成ですが、周りから色々と言われるのもイヤな感じですので、交通状況に配慮してスケボーを通勤に使うのが落とし所でしょうか。