あやめ社労士事務所 - 労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます

時間単位で代休、時間単位で振替休日。これは認められるか。

ぶつ切り

 

 

今日は仕事を2時間延長したので、明後日は2時間短縮しよう。

多くの方は、1日に何時間働くかを勤務シフト表のようなものを作って管理されているのではないでしょうか。

例えば、パートタイムの方ならば、月曜日は5時間、水曜日は6時間、木曜日は5時間、土曜日は7時間というように、曜日ごとに時間を決めて仕事をしているでしょう。

(曜日:勤務時間)
月曜日:5時間。
火曜日:休み。
水曜日:6時間。
木曜日:5時間。
金曜日:休み。
土曜日:7時間。
日曜日:休み。

もし、上記のような勤務シフトで働くパートタイムの方がいたとして、土曜日は7時間の勤務を予定しているのですが、土曜日に何らかの理由で仕事を2時間延長することになったとします。さらに、土曜日の仕事を2時間延長したので、翌週木曜日の勤務時間を5時間から3時間に変更したとします。

(今週)
月曜日:5時間。
火曜日:休み。
水曜日:6時間。
木曜日:5時間。
金曜日:休み。
土曜日:9時間。(変更点)
日曜日:休み。

(翌週)
月曜日:5時間。
火曜日:休み。
水曜日:6時間。
木曜日:3時間。(変更点)
金曜日:休み。
土曜日:7時間。
日曜日:休み。


今週の土曜日は7時間から9時間に変更。翌週の木曜日は5時間から3時間に変更されています。つまり、土曜日に2時間だけ仕事を延長したので、翌週の木曜日に2時間分の代休を取得するようなイメージですね。

さらに、今週から翌週に勤務時間を2時間分移動させたので、土曜日の時間外割増賃金は支払わないことにしました。

この場合、どんな問題が起こるでしょうか。




時間単位で代休や振替休日を設けると、残業代未払いの温床に。

2時間延長した分だけ他の日に休む。時間数だけで判断すれば、帳尻は合っているように思えます。翌週木曜日から今週の土曜日へ2時間分の勤務時間を移動させたという形ですから、何の問題もなさそうです。

単純に勤務時間をやりくりしているだけだと思えるのですが、今週土曜日に9時間の仕事をしたとなると、8時間を超えた1時間は法定時間外労働になります。

翌週の木曜日に2時間分の代休を設け、今週土曜日の2時間分の超過勤務時間を帳消しにしようとしていますが、1時間分の法定時間外割増賃金は必要です。

1日8時間のラインを超えた時点で、それはもう残業であることが確定しますから、他の日の勤務時間を短縮して時間的な帳尻を合わせても、法定時間外割増賃を不要にすることはできないのです。


もし、上記のように、土曜日に9時間勤務して、翌週の木曜日は3時間勤務することで割増賃金の支払いを不要にしたいならば、変形労働時間制度で対応するのが正攻法です。

ただ、変形労働時間制度の場合は、勤務シフト表を作成する段階で、土曜日は9時間、木曜日は3時間というように決めておかないといけません。どういうことかと言うと、突発的に「今日は忙しいから2時間ほど延長して。来週の木曜は2時間分、仕事を短縮するからさ」みたいな感じで勤務時間を変えてしまうのは変形労働時間制であってもできません。


割増賃金を発生させることなく、時間の配分を組換えたいならば、変形労働時間制を使うことをオススメします。

 

代休の処理方法 休日出勤した日の勤務時間数が所定労働時間よりも短くなったら

例えば、1日8時間が所定労働時間となってる職場で、本来は休みの日に休日出勤をしたとしましょう。

仮に、土曜日と日曜日の休みの職場で、休日である土曜日に出勤をしたとします。本来だと、所定労働時間は8時間のところ、土曜日は7時間で仕事が終わりました。

所定労働時間は8時間ですから、土曜日に休日出勤するとしても、7時間ではなく8時間まで仕事をするのが本来の形ですが、休日出勤は本来予定していた仕事とは違うので、8時間よりも1時間短い7時間で終わったとしましょう。

休日出勤ですから、イレギュラーな出勤であって、普段どおりの時間まで働くとは限りませんからね。

土曜日に休日出勤をしたので、その代わりに翌週の月曜日を休みにする。いわゆる代休を取れるようにしたと考えます。

この場合、土曜日は7時間勤務で終えているところを、代休になった月曜日は丸1日が休みになっています。

所定労働時間は1日8時間ですから、休日である土曜日の7時間勤務でもって、月曜日が休みになるわけです。となると、変な表現ですが、労働時間の1時間分、得をしているというか、本来の所定労働時間と1時間の差がある状態です。所定労働時間よりも1時間短いのですね。

「7時間の休日出勤で8時間の代休を与えている」と表現すると分かるでしょうか。7時間労働で、代休を1日分取っているから、「1時間分だけ得しているんじゃないか」とツッコミを入れる方が出てきそうな場面です。細かい話なんですけどね。

では、この労働時間の差をどのようにして処理するか。

本来だと、1日8時間労働のところを、土曜日に休日出勤したときは7時間勤務で終えている。そして、その後に代休を取得している。となると、8時間働かずに、代休を取れているので、1時間分を得したんじゃないのか、という指摘をする人がいるようです。

確かに、所定労働時間が8時間の職場だったら、休日出勤の土曜日だったとしても、7時間で終えたとすると、1時間短縮したことになるのでしょうから、後日に代休を取るとなると、1時間分の労働を免れたんじゃないのか、という指摘も確かに分かります。

休日出勤したときは、当日の労働時間に関わらず、後日、代休を取得する。このように就業規則に決めておけば、休日出勤した際の時間数について考える必要がなくなります。7時間勤務であれ、5時間勤務であれ、3時間で休日勤務を終えたときであれ、いずれにせよ代休を取得できますから。

 

休日出勤した場合は、当日に何時間働いたかどうかにかかわらず、丸1日の代休を取れる、とするのか。それとも、休日出勤したのは土曜日の7時間だから、所定労働時間に対して足りない時間数だけ、別の日に出勤する、もしくは1時間単位の年次有給休暇でもって穴埋めするのか。

法律では代休どのように取り扱いについて決めていません。ですから、職場の就業規則でもって、どのように対応するかを決めなければいけないところです。

複雑で分かりにくい仕組みにしてしまうと、従業員だけでなく使用者も理解できないことになりますから、休日出勤した場合に取得できる代休については、休日出勤した日の勤務時間を問わない、という形にするのが妥当ではないでしょうか。

休日である土曜日に働いたのは7時間だったわけですけれども、所定労働時間の8時間に足りない1時間、つまり所定労働時間は8時間ですから1時間足りない状態ですので、その1時間を何らかの形で穴埋めするのではなくて、休日出勤で何時間働いたかどうかを問わずに、代休を1日取る、という形にしたほうがわかりやすいでしょう。

このような場面で判断する基準が必要になるから、就業規則は大事なのですね。

 

休日の管理を簡単にする方法とは?

 

 

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