労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます。

半日有給休暇、時間単位の有給休暇、メリットは何?

 

 

有給休暇を切り刻んで使うと便利?

1日単位で使うだけでなく、半日単位や時間単位で有給休暇を使えるようになると便利であるとの感覚から、細かい単位で有給休暇を使える会社があります。

確かに、午前中を休暇にして午後から仕事にするとか、午前中だけ出勤し午後からは休暇にするとか、家庭の都合で1日の勤務時間のうち2時間分だけ休暇にしたりなど、個々の事情に合わせて柔軟に休暇を利用できるように思えます。

ただ、半日単位や時間単位の有給休暇に対してどれほどの需要があるのか、この点は簡単には知り難い部分で、柔軟に休暇を利用できるようになっているのだから、さぞ需要もあるだろうと思うところですが、実際はどうなのでしょうか。


もし、自分の会社で、半日単位や時間単位で有給休暇を利用できますとなったら、みなさんはそのような方法で有給休暇を利用しますか。




メニューの多さよりも、分かりやすさを選ぶ。

柔軟に休暇を利用できる。個々の事情に合わせて休暇を利用できる。半日や時間を単位として有給休暇を利用する際には、そういう利点があるのは確かです。

しかし、休暇を細かく分けて使うとなると、有給休暇の申請回数も増えます。例えば、休暇が20日残っている状況で、1日単位で休暇を利用すれば、最大でも20回の手続きで済みます。さらに、連休にして休暇を利用すれば、さらに手続きの回数を減らすこともできるでしょう。一方。20日分の休暇を半日で取得していけば、40回の申請が必要になり、時間単位でさらに細分化していくと、さらに申請の回数が増えます。

休暇の申請手続きならばさほど負担ではないので、手続きの回数が増えたとしても構わないと考える方もいらっしゃるでしょうが、チョコチョコと小刻みに休暇を使われると、やはり嫌がる人もいるものです。


午前中だけ休暇、午後は休暇となると、他の人に気をつかう場面もあるでしょう。自分だけ午前中だけ仕事を終わらせ「お疲れ様でした」とか、午後からヒョコっと仕事に参加するとか、気を使いすぎではないかとも思えますけれども、職場の雰囲気とかを気にする人もいるでしょうから、妙に気を使いながら休暇を利用しなければいけないときもあるでしょう。

半日単位、時間単位で休暇を利用できるのは、おそらく規模が大きい企業に勤めている人ではないかと思います。規模が小さい企業だと、労務管理で細かいメニューは設けていないところが多いのではないでしょうか。

会社の規模が大きければ、働いている人も多いので、代わりの人はたくさんいるのだから、細かく休暇を取得するのではなく丸1日休んでも大丈夫ではないかと想像します。

丸ごと1日休んでしまった方がスッキリして分かりやすいし、中途半端に出勤して周りの人に気を使うこともない。さらに、1日単位の方が休暇の消化が早くなり、休暇を申請する手続きの回数も減らせます。


細かい気配りができる労務管理も大事ですが、分かりやすい労務管理はもっと大事です。



半日はどこからどこまで?

通常、有給休暇は1日単位で取得するのが原則ですが、変則的に半日の有給休暇を利用できる会社もあります。

1日の休暇を2分割して休暇を利用するのが半日有給休暇です。


ただ、「半日の定義」が曖昧なこともあるようです。


所定労働時間が1日8時間ならば、半日有給休暇は4時間で計算できますよね。

しかし、時間外も含めて1日あたりの勤務時間を平均すると、1日あたりで9時間勤務になったりもしますので、これだと半日有給休暇は4.5時間で計算するべきなのではとも思えます。


所定労働時間で半日を定義するのか、それとも、実際の勤務時間を平均した数字を基準にして半日を定義するのかによって、結論が変わってしまうのですね。

さらに、パートタイマーの方だと、個々に所定労働時間が違いますから、半日で意味するところの時間の長さが個々で違ってきます。

 

それゆえ、半日の定義を決めずに半日有給休暇を運用すると支障が出るときがあるわけです。

 


半日有給の半日は1日の1/2ですか?

半日有給休暇を運用するときは、所定労働時間を使うのか、それとも実働時間の平均を使うのかは、事前に決めておきたいですね。


ただ、実働時間の平均といっても、どのくらいの期間の平均なのかによって計算結果も変わります。

例えば、ある数字の平均を計算するとすると、3ヵ月平均と6ヶ月平均では結果が変わりますよね。

労務管理では、3ヵ月平均を使うことが多いようですので、3ヵ月平均を使うと良いのかもしれません。


しかし、あえて実働時間を使わずとも、雇用契約で決めている所定労働時間を使えば管理が簡単ですので、こちらの方が実用的だと思います。

 

具体的には、就業規則の半日有給休暇を決めている箇所で、

「なお、半日は、所定労働時間の1/2として計算します」と書くのが妥当でしょうか。


半日有給休暇を運用するときには、「半日の定義」という点が考えから外れてしまうこともありますので、少し注意が必要ですね。

 

 半日で年次有給休暇を使える選択肢が無く、1日単位のみで有給休暇を取得する職場でしたら、こういう厄介なことを考えなくて済みます。

手間のかかる労務管理をしてまで、年次有給休暇を切り刻むほどの利益があるのかどうか。ここは考えておかないといけないでしょう。デメリットを上回るメリットがあれば、導入しても良いのでしょうが、そこまでのものがあるかどうか。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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