あやめ社労士事務所 - 労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

あやめ社労士事務所は、会社で起こる労務管理の問題を解決するサービスを提供しています

月給制のオカシさ 働かなくても給与は同じ?

月給制ならば、給与は減らないから、増えもしない?

遅刻や早退、欠勤しても賃金を減らさないのが月給制の特徴です。

月給という言葉を知っている方は多いでしょうし、求人情報でも月給〇〇万円という表記がありますから、よく見る言葉でもあります。

本来ならば、遅刻や早退、欠勤が発生すると、その分は賃金が控除されるのですけれども、月給制は控除されないのが特徴です。

では、遅刻や早退、欠勤ではなく、勤務日数を増やしたり労働時間が延長しても、月給は固定されたままなのでしょうか。

つまり、遅刻や早退、欠勤で勤務時間や日数が減っても月給は減らないのだから、逆の解釈として、勤務時間や日数を伸ばしても追加で賃金は不要なのか、ということです。

端的に言えば、「減らないならば増えもしない、それが月給なんじゃないの?」こういう解釈も出てくる可能性がありますよね。

例えば、月21日勤務で月給30万円という契約で働いている人がいるとして、この人の場合、月給制だから、何らかの理由で欠勤して月19日とか月20日の勤務日数になったとしても、月給は30万円のままになります。

じゃあ、月22日とか23日に日数が増えたらどうなるでしょう。仕事の量が増えたとか、他の人が休んだので代わりに出勤したなどの理由で、本来ならば月21日の勤務だけれども月22日とか月23日の勤務に変わる。そんな場面、あり得ますよね。

この場合は、どうするのでしょうか。

「月給制なのだから、勤務日数が月22日とか月23日に変わったとしても、月給は30万円のまま」と考えるのか。

それとも、

「月給制だけれども、月21日の勤務日数で契約しているのだから、その日数を超えた分は追加で賃金を支払う必要がある」と考えるのか。

どちらでしょうか。

出勤日数0日でも月給30万円なの?

契約しているのは、21日勤務かつ月給30万円までなのだから、月22日や月23日に勤務日数が変わった場合は、追加で賃金が必要なので、後者が妥当となります。

30万円の月給でカバーしているのは21日までだから、それを超過した部分は別途で賃金の支払いが必要になるわけです。

「でも、月給だから固定給でいいんじゃないの?」こういうムチャぶりをする人もいるかもしれませんが、契約で決めた範囲は、「30万円の月給でカバーしているのは21日まで」ですから、それを超える部分は契約の中身に含まれていないので、別途で精算が必要になります。

仮に、「月23日勤務で、月給35万円」という契約ならば、上記のような場合でも、月給の範囲でカバーできるでしょう。ちなみに、残業代は月給には含まれず別計算ですので、注意が必要です。

仕事に対して対価を支払うのが本来のカタチですから、遅刻や早退、欠勤については働いている本人の責任にしないと、ヘンな流れになります。

遅刻や早退、欠勤で賃金が減らないならば、勤務日数を増やしたり労働時間が延長しても月給は増えないんだろう」という主張ができてしまいますから、固定の月給制は仕組みとして「?」な部分があります。

極端な例を挙げると、「出勤日数0日でも月給30万円でいいのか」ということです。これでもいいならば、月給制もアリでしょうが、出勤日数で仕事の評価をしない会社の役員や経営者の人ならばいいとしても、普通の会社員だと出勤日数は人事評価の基準に含まれているでしょうから、やはり月給制を適用するにはムリがあるように思います。

固定の月給だけでなく、固定の年俸というものも世の中にはあり、仕事の多さや労働時間、休日の日数などに関係なく、この期間の報酬はコレ、と決めてしまう契約で働く人もいます。

身近な例だと、プロ野球選手は年俸制で、試合の出場数や勝利数、打率など、数字で結果を出すと年俸が増え、そうでなければ減俸されます。ですが、契約途中で年俸が減らされることはなく、3年間で年俸は2億円と契約書にサインすれば、成績に関わらず契約通りの年俸になります。もちろん、期待された成績が出ないと、もうチームには入れなくなりますが、契約で事前に決めた年俸は契約期間中に変わりません。

ですから、固定の月給なり年俸で働く人がいたとしても、そういう契約ならばOKなのです。日々の働きに連動して給与も変わる人の方が多いですから、労働時間や出勤日数などに連動しない報酬に馴染みにいと感じるでしょう。


固定の月給ではなく、「日給月給制でいいんじゃないか」という判断もあります。

確かに、日給月給制は、日給制と月給制のイイトコ取りをした仕組みで、基本は月給なのだけれども、遅刻や早退、欠勤を賃金に反映させてそれを控除するので、日給制の性質も含まれています。

けれども、表現がややこしいですよね。日給制なのか、月給制なのかハッキリしない言葉ですし、日給月給制と言われて、パッとその仕組みが分かる人はどれぐらいいるのでしょう。

おそらく普通の人は「日給も月給もほとんど同じようなもの」と考えているのではないか、と私は思います。1日で区切るか、1月で区切るかの違いぐらいで、本質的には一緒だろう。そう考えていても不思議ではありません。


月給制と謳っている会社は、その多くが日給月給制なのではないでしょうか。あえて月給制を採用する理由もありませんからね。


月給制で、勤務時間や勤務日数が減るパターンは対応できるとしても、それらが増える場合はどうなるのか。これは意外と考えたことがない場面ですよね。


「減った場合は、減額しない。増えた場合は、追加で支払う」となると、月給制のメリットはあまりないように感じます。

月給制が馴染むのは、働く時間や日数を調整できる立場である管理監督者の立場の人。他には、年俸制の人や経営者の人、取締役でしょうか。年間の報酬を決めて、それを月ごとに分割して受け取っているタイプの人達ですね。


労働時間や勤務日数を基準に賃金を決めている人の場合、月給制よりも日給月給制の方が馴染むでしょうね。

あやめ社労士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
i@growthwk.com
人事労務管理の悩みを解決するために問い合わせる

自動音声メッセージによるお問い合わせもできます。
電話(050-7114-7306)をかけると音声メッセージを録音するように切り替わります。
お問い合わせの内容を電話でお伝えください。
内容を確認させていただき折り返しご連絡させていただきます。

© あやめ社労士事務所
登録番号:T3810687585061
本ウェブサイトは、アフィリエイトによるプロモーション、広告を掲載しております。