労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます。

副業と兼業の境目。

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副業と兼業は違うのか、それとも同じなのか。


もし、「副業と兼業は何が違うんですか?」と聞かれたらどう答えるだろうか。

「どっちも似たようなものでしょ」と答えるか、「どちらも同じだろう」と答えるか、はたまた「その2つにはチャンと違いがあってね、、それは、、」と答えるのか。

おそらく、人によって答えは違うと思う。

両者は別々の言葉であって、表現も変えているのだから意味も違うはず。

辞書を調べると、副業は、「本業のかたわらにする仕事」と書かれている。一方、兼業は、「本業のほかに他の事業・仕事を兼ね行うこと。また、その事業・仕事」と書かれている。

パッと読んでみると、違いらしい違いはなさそうです。本業の仕事とは別に仕事があるという点では同じと考えて良さそうです。

しかし、同じものならば、なぜあえて違う表現を設けたのか。「副業と兼業は何が違うんですか?」と疑問を抱く人は、違う言葉を使っているのだから意味も違うはずだと考えているのかもしれない。

労務管理でも、副業と兼業については話題になるときがあるので、両者は単に同じと言ってしまってもいいものか。それとも、何かキチンと区別する基準があるのかどうか。詳しく知りたいとも思えますね。





分けなければ困る場面はあるの?


あえて両者を区別するとすれば、「副」と「兼」の部分で分けれるかもしれない。

まず、副業は、対義語として主業を想定すれば、主業に従属する仕事と考えられる。つまり、主業と副業の間に大小の関係があるということ。主業がメインで副業がサブという位置付けです。

例えば、フルタイムでの仕事が朝から夕方ぐらいまであり、そのあと夜にパートタイムで仕事をしている人ならば、フルタイムの仕事が主業で、パートタイムでの仕事が副業となる。他にも自営業を主業にしてパートタイムでの仕事を副業にするとか、派遣の仕事とパートタイムでの仕事を組み合わせるとか。主と副の関係になれば他にも組み合わせがあるかもしれない。

一方、兼業は、「兼」という文字が入っているので、同等の仕事に2つ以上取り組むという意味だと解釈する。

例えば、パートタイムの仕事とパートタイムの仕事を組み合わせるというのがまずありますよね。掛け持ちのパートタイマーの人がそうです。

他にも、フルタイムの仕事とフルタイムの仕事を組み合わせるというパターンもあります。ただ、フルタイムの仕事を2つ組み合わせるとなると、1日の勤務時間は16時間になりますし(「フルタイム=1日8時間勤務」と仮定)、休憩時間が2時間あるでしょうから、1日24時間のうち18時間も消費します。となると、生活時間が6時間しかありませんので、この時間で睡眠や食事、余暇を過ごすのはおそらく無理があると思います。ゆえに、フルタイム勤務をダブルでこなす人はいないと考えるのが妥当でしょうか。

他のパターンを考えると、派遣と派遣の組み合わせ、契約社員と契約社員の組み合わせがあります。自営業と自営業の組み合わせも考えられないこともないのですが、これはちょっとヘンです。自営業の仕事は全て含めて1つの自営業ですから、2つの自営業を想定するのは違和感があります。


主従の関係があるのが副業。同等の関係なのが兼業。あえて両者を分ければ上記のようになりますけれども、なんとも屁理屈をこねた内容です。

そもそも、両者を区別しなければいけない場面があるのかどうかが疑問です。もし、会社での仕事以外の仕事を禁止するならば、就業規則で「他社での勤務を禁止する」という類の記載があるはず。

副業はOKだが兼業はダメとか、副業はNGだけど兼業は可能というように、両者で対応を変えているとは考えにくいです。片方だけ禁止しても、副業と兼業はほぼ同じ意味なのだから、ルールとしては機能しない。

副業がOKならば兼業もOKになるだろうし、副業がNGならば兼業もNGになるでしょう。


もし、副業と兼業を禁止するならば、上記のように「他社での勤務を禁止する」と決めて、副業も兼業も包括的に遮断するようにするのではないでしょうか。

ゆえに、両者を分けることには意味が無いのですね。



 

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山口正博 社会保険労務士事務所
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