あやめ社労士事務所 - 労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます

就業規則は会社全体に 雇用契約は個人別に

役割分担

 

口約束は変わるが、就業規則と雇用契約書は変わりにくい

労務管理の決まりごとは、就業規則と雇用契約に集約されている。組合があるならば、労働協約も決まりごととして機能するが、今回は除外する。

勤務時間、休日、仕事の内容、休憩時間、仕事の場所などを就業規則や雇用契約で決めますが、就業規則と雇用契約を使い分けにくいと感じることもあるかもしれない。どちらも労務管理のルールを書面化したものであって、同じようにルールとして機能する道具です。

もちろん、効力の強弱は、就業規則が上で雇用契約が下なのですが、会社によっては就業規則と雇用契約では足並みが揃っていないこともあるかもしれない。

就業規則の内容と雇用契約の内容がズレていたり、もしくは矛盾していたりすることも無いとは言い切れない。就業規則では週休2日と書かれているのに、実際には週1日休日だったり。始業が10時で終業が17時と就業規則で書かれているが、実際には始業が8時30分に変わり、終業が18時に変わる。


特に、パートタイムで働く人は、勤務時間や休日、何曜日に勤務して何曜日に休むかという点がフルタイム社員の人に比べて変わりやすい。先月までは週4日だったが、今月からは週5日に変わることもパートタイム社員ではよくあります。来月から、4時間勤務を7時間勤務に変えてしまうこともあるでしょう。

就業規則や雇用契約を変更せずに、会社側と社員側で話しあって労務管理の決まりごとを変えると便利ではあるが、書面上の根拠が追随しないので、後から当事者間の約束が反故になるかもしれない。とはいえ、条件を変更するたびに就業規則や雇用契約を変更するのも手間がかかるわけです。



就業規則と雇用契約書の違い

就業規則と雇用契約でどのように役割を分担するかが考えどころです。両者が同じように機能する必要はなく、就業規則は就業規則なりに機能するように、雇用契約は雇用契約なりに機能するように役割を分けるといい。

就業規則で細かく内容を決めすぎると、柔軟性に欠けてしまい、勤務条件を変更する際に差し支える。もちろん、キチンと就業規則を作り込むことは大事ですが、固めすぎないのがキモですね。

就業規則であらゆる状況に対応することはなく、細目は雇用契約で詰めればいいわけです。

パートタイムで働く人(学生も含む)は、人によって勤務時間が違うし、勤務日も違う。さらには個別に賃金も違うので、一律のルールでは管理しにくい。そのため、就業規則で全ての人に対応するのは容易ではないので、雇用契約で細かい部分を決めるわけです。

就業規則を修正するには時間がかかりますが、雇用契約を新たに締結するならば時間はかからないので、条件変更は就業規則ではなく雇用契約で対応するのが良い。

ベン図で表現すれば、就業規則が大きい枠で、雇用契約が就業規則の枠内に含まれる小さい枠と考えるといい。


例えば、勤務時間を決めるときには、就業規則と雇用契約の両方に文言が記載されるはずですが、この場合も就業規則では始業と終業の最大時間を記載し、雇用契約では個別の社員ごとに時間を記載するようにすれば、役割を分けることができます。

最も早い始業時間が8時で、最も遅い終業時間が21時だとすれば、この時間を就業規則に記載する。一方、雇用契約では、8時から21時の時間帯から抜き出すように記載するわけです。例えば、8時から11時とか、14時から19時というように個別に雇用契約で決めるのですね。

また、勤務する曜日も、平日、土日祝日にかかわらず、どの日が勤務日になるか分からない場合は、就業規則では曜日を決めないようにするものいい。具体的な曜日は雇用契約に任せるわけです。

休日も、曜日を固定してもいいですが、固定せずに「休日は1週間に2日」と日数だけ就業規則に記載するのもアリです。他にも、就業規則では休日の曜日を固定せずに、雇用契約では休日の曜日を固定するのも選択肢としてあり得ます。

就業規則は大枠を固定的に決める。雇用契約は個別の内容を流動的に決める。このように役割を分けると規定や契約は使いやすくなるのではないかと思います。

 

 
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