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■■┃ メールマガジン 本では読めない労務管理の"ミソ"
□□┃ 山口社会保険労務士事務所
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2011/2/26号 no.254)[:contents]
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社内のPCを私用で使わない メールのプライバシーは既に守られている
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モバイルデバイスを手に入れて、企業アカウントのメールプライバシーは解決した
メールを送信者の許可なく他者が閲覧することは、一般的にプライバシー侵害とみなされています。
以前は、企業内のメールアカウントを使って個人的なメッセージを送る人もおり、そのプライバシーが問題視されることがありました。
例えば、企業ドメインのメールで上司についての不満を同僚間で交換し、何らかの理由でその上司にメールが送られた後、メールの監視が始まるケースがありました。また、ITシステム部門に依頼して、監視対象のメールを自動的に転送して監視を続ける方法もあるようです(メールの送信指定にはTo、Cc、Bccの3つがありますが、プログラムコードに直接転送先のアドレスを記述し、送信者に知られずにメールを転送することも可能です。メール送信ルーティンをコードに追加することで実現できます)。
このため、送信者は企業がメールのプライバシーを侵害していると主張し、企業側は私的な使用ではないため監視は正当と反論します。企業アカウントのメールプライバシー問題は、通常このような構図になります。
しかし、現在では企業アカウントのメールでプライバシーが問題になることは少なくなっています。なぜなら、携帯電話でのメールが主流となり、企業のメールでプライバシーが侵害されるリスクが低下したからです。
メールのプライバシー保護は労務管理の議論の一部でしたが、今ではその議論は時代遅れになっていると考えられます。
個人的なメールは携帯電話で送受信する
以前は家庭にパソコンがなく、職場にのみ存在していたため、私用のメールを会社のパソコンで送る人もいたかもしれません。携帯電話もあまり普及しておらず、持っていても主に通話に使われていました。i-modeやEZwebもなく、「携帯電話は通話のための道具」という認識が一般的でした。そのため、メールを送りたい場合は、職場のパソコンを利用していたと思われます。
しかし現在は、多くの人がパソコンを持っており、携帯電話もほぼ1人1台です。そのため、メールを送る際に職場のパソコンを使う必要はありません。自分の携帯電話から送る方が便利で、会社のネットワークを経由するメールを監視されても、プライバシーの侵害は少ないでしょう。プライバシーを守りたいメールなら、自分の携帯電話を使えば会社に監視される心配もありません。
個人の通信端末があるため、監視されてもプライバシーが侵害されるリスクは低く、メールのプライバシーが労務管理上の問題になることも少なくなっています。
数ヶ月前のニュースで、職場のネットワークを使ってブログを更新した医師の話がありました。なぜ職場の端末を使ったのかは不明ですが、おそらく知られるとは思っていなかったでしょう。
企業によっては、職場のネットワークがメールだけでなく、ブラウザでアクセスしたURLのログも取得しています。そのため、通信記録が監視されているという前提で端末を利用するのが賢明です。社員番号やID、パスワードを入力するシステムでは、ほぼ確実にログが取得されています。ログを取得しないのであれば、アカウント認証は不要でしょう。
ブログを更新したい場合は、携帯電話を使うか、家に帰ってから更新するのが良いでしょう。緊急の更新が必要な個人ブログはほとんどありません。
現在では、携帯電話のメールで上司の愚痴を交わすこともありますが、職場のパソコンで書くのはリスクが高いです。携帯電話でも他人への愚痴や悪口が漏れることがあるため、控えるのが賢明かもしれません。
「私用メール禁止」というルールの有効性
就業規則に「職場の端末を使用して私的なメールの送受信をしてはならない」というルールがある企業も存在するでしょう。このルールは仕事に無関係なメールを禁止するために設けられたものですが、その効果の程はどうなのでしょうか。
職場の端末での私用メールを禁止することは可能ですが(監視されている等の理由で)、個人の携帯電話での私用メールを禁止することは容易ではありません。仕事中でも、さりげなく携帯電話を取り出し操作する人を見かけることは珍しくありません。少しの待ち時間があれば、すぐに携帯電話を取り出して何かを操作している人が多いですよね。
歩きながらのメールチェックやサイト閲覧、通話、運転中の通話(これは道路交通法違反です)はもはや日常的です。中にはバイクを運転しながら電話する人もいます。「そんなに忙しいのですか?」と問いたくなるほど、多くの人が「ながら」の行動を好んでいます。
会社でも、仕事中には携帯電話を操作しないものの、トイレや更衣室でメールをチェックする人は多いでしょう。仕事中に携帯電話を持つことが禁じられている職場もあるかもしれませんが、狭いエリアでの作業なら問題ないかもしれません。しかし、広いエリアでの作業、例えば営業や大規模な店舗、配送業務などでは不便を感じるでしょう。直接連絡を取るためには携帯電話が非常に便利です。個人的な使用に対して否定的な見方をしても、仕事上の連絡手段として携帯電話が必要な場面もあるでしょう。携帯電話が一人一台普及している現在、「いつでもどこでも誰とでも連絡が取れる」と考える人もいます。
企業によっては、情報漏洩を防ぐために私用メールの使用を禁止しているところもあるでしょう。しかし、情報漏洩は意図があれば誰にでも可能です。メールを他のアドレスに転送したり、印刷したり、フラッシュメモリーやCD-Rにコピーしたり、カメラで撮影することもできます。完全に安全と言える方法は意外に少ないのです。
シンクライアントPCはハードディスクを搭載しておらず、USBポートもないことが多いですが、カメラによる撮影を防ぐことはできません。液晶に特殊加工を施して撮影を防ぐことも可能ですが、人々は他の方法を見つけ出すでしょう。
カメラ付きの電子機器の持ち込みを禁止する環境もありますが、これも完全な対策にはなりません。現在ではほとんどの携帯電話にカメラが搭載されており、禁止されてもこっそり持ち込む人もいるでしょう。
メールの送受信に関する規制を設けても、それが完全な対策になるとは限りません。もはや、組織の規則で規制するのではなく、個人のモラルで規制する段階に達しているのかもしれません。
メルマガ以外にも、たくさんのコンテンツをウェブサイトに掲載しております。
【仕事のQ and A】
決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。
他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。
労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。
しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。
- Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
- Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
- Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
- Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
- Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
- Q:残業しないほど、残業代が増える?
- Q:喫煙時間は休憩なの?
- Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?
このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。
【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】
毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
残業管理のアメと罠
【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】
私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。
どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。
社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。
合格率0.07%を通り抜けた大学生。
【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】
高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。
中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。
そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。
若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。
それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。
もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。
週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。
休憩時間無しで働いている。
採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。
「学生には有給休暇が無い」と言われた。
テスト休みを取って時給を減らされた。
など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。
何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。
(知らないからといって許されるものではありませんけれども)
このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。
一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。
学生から好まれる職場と嫌われる職場。
その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。
「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
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