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ハローワークは職業紹介機関ではない?

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ハローワークは職業紹介機関ではない?
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職業紹介はセルフサービス

ハローワークは公共職業安定所であって、職業紹介を主体とする行政機関であると一般には認知されているかと思います。公共職業安定所という名称なのだから、人の職業を安定させるための組織であると考えるのは当然ではある。

しかし、実際にハローワークに行ってみると、職業紹介の業務はセルフサービスであって、設置されたパソコンから求人情報を探し(ちなみに、個人のパソコンからも求人検索は可能)、目当ての求人情報を見つけたら、求人登録コードのようなものをメモして、そのコードを窓口で伝えると紹介状を作ってくれるという仕組みになっている。その後、紹介希望のあった企業に担当者が電話連絡し、紹介状を持って面接に行く。つまり、職業紹介はセルフサービスであって、コンサル的なことはしないのですね。

求人サイトでも派遣会社でもハローワークでも同様ですが、情報提供が主体なのであって企業と人材を摺り合わせるところまではできない。中には簡単な能力テスト(私の経験では、WordやExcelの確認テストのようなものを行っているところがあった)を行い、人材を振り分けるところもあるが、仕事というのは実際にやってみないと自分に合うかどうかが分からないので、上記のような外部機関ができることは限られる。

私が考えるに、ハローワークは職業紹介機関ではなく「雇用保険事務を担当する機関」と捉えるのがより実態に合っているのではないか。建前では職業安定所だが、本体業務は雇用保険関連の手続き(基本手当や助成金など)であって、職業紹介は付随的に行なっているだけなのではないか。パソコンで求人情報を探すとなると、ハローワークでなくてもできる。一般の人材サイトで検索すれば同じことができるはず。ならば、「職業紹介ならばハローワーク」と考えるのは必ずしも唯一の判断ではないわけです。


個人的な経験ですが、私もハローワークの職業紹介を利用してみたことがあります。雇用保険や公共職業安定所について知識として知っているだけでは分からないこともあるでしょうから、自分でも経験してみたのですね。

私の場合、ハローワークの端末ではなく自分のパソコンで求人内容を調べ、ウェブページに記載されている求人コードをメモして、そのコードをハローワークの窓口の人に伝えると、紹介状を発行していただけました。紹介状が欲しいと伝えると、窓口の人が求人票を出した企業に電話連絡し、相手先と調整の上で面接日を設定します。あとは、紹介状(A4サイズの横書き用紙で、雇用条件や簡単な地図が掲載されたもの)を持って、相手先に訪問するわけです。

紹介状があるという点がハローワークと他の組織との違いですが、違いはこれぐらいではないでしょうか。もし、紹介状無しで直接に求人に応募するとなれば、他の求人システムと同じです。

ただ、求人を出す側に立てば、民間企業の媒体とは違い、ハローワークには無料で求人票を出せるので、「とりあえずハローワークには求人出しておこうか」というインセンティブを抱くはず。企業のサイトや雑誌などの媒体に求人情報を掲載すれば数十万円の費用が必要ですから、まず最初にハローワーク経由の求人手段が頭に浮かぶ人も多いかもしれない。

では、ハローワークは潤沢な求人情報を持っているかというと、意外とそうではありません。求人情報検索(https://www.hellowork.go.jp/servicef/B01020.do?action=initDisp&screenId=B01020)で情報を調べることが可能ですので、自分の条件で検索してみると分かるはずです。「意外と、、、ないなぁ、、」と思うのではないでしょうか。

ハローワーク経由の求人には費用がかかりませんので、企業の採用意欲も高くなりにくいのではないかと想像できます。費用を負担して求人すれば、「掲載期間の間に2人は採用しよう」などと積極的になりやすいでしょうが、費用の負担がなければ「採用できても、できなくてもどちらでもいいや」といわゆる"とりあえず求人"という姿勢になりやすいはず。

ハローワーク経由の求人でも、例えば1ヶ月で1件5万円というように有料化すると、企業も本腰を入れるでしょうし、ハローワークもキャッシュを稼げるでしょう。「気持ちを乗らせる」という点がポイントですね。

学生がハローワークに行く奇妙さ

近頃、大学生でハローワークに行く人がいるようです。2011年時点では、大学生の内定率は70%を下回っているようで、ハローワーク経由の職探しも選択肢に入れているのかもしれません。

しかし、どうして学生がハローワークに行くのかと不思議に思っている人も多いのではないでしょうか。「学生ならば、求人票が学校に届くのだから、その中から選べばいいじゃなか」と思うわけです。高校でも大学でも就職担当の部署があって、そこには毎年、企業から「その学校の生徒を採用したい」と指名で求人情報が集まります。ハローワークに行ってしまうと、学生も一般の人もゴチャ混ぜになりますから、学生特有の有利な環境を利用できないのですね。そのため、学生は学校経由の求人に応募するほうが賢明なのです。

高校だと、求人に合わせて学生を割り当てるシステムになっていて、例えば2人募集する企業には2人しか応募させないようになっています(私の出身高校ではこの方式でした)。この仕組みを守ることで、就職できない人が発生しないようにしているわけですね。人数割り当てで就職するため、就職率を限りなく100%に近い水準で実現することが可能になるわけです。

私の出身高校は工業高校で、就職には随分と強いようでした。就職希望の人はすべて就職していたと記憶しています。高校のウェブサイトを見ると今でもほぼ同じようで、就職希望の卒業生を全員カバーできる求人はあるようです。工業高校ですから、9割程度の人は就職を希望する環境で、私は進学でしたので例外でしたね。特に、理系ではなく文系志望でしたから、例外さは際立っていました。理系の大学や学部だと推薦枠があるのですが、文系学部になると一般入試ですから、自分の中の気持ちにちょっとしたギャップがありましたね。

卒業生よりも多い求人がありますので、余程のことがない限り企業に入れるようです。「えぇっ? こんな人でも就職出来ちゃうの?」という人でも就職してしまうのですから新卒ってすごいもんです。

就職を希望するならば、「新卒+学校経由の求人」という組み合わせで仕事を探すのが高校生であれ大学生であれ王道ではないかと思います。

経歴よりもコネが役に立つ

転職や再就職するときは、いわゆる「コネ」を利用する人が有利になっていると感じています。資格や学歴、職歴で再就職する場合よりもコネを使ったツテで再就職するほうが早いのですね。

一般的には、職を変更するとなると、求人雑誌を見る、新聞の求人欄、求人チラシ、人材サイト、ハローワークなどを利用するかもしれませんが、手段はこれらのものだけではありません。

人によっては縁故や自分のコネクションで仕事を振ってもらうこともあり、すんなりと次の仕事を得ている人もいるのですね。

仕事を得るときは、「どれだけその人を知っているか」という要素が大きなウェートを占めていて、知らない人よりも普段から知り合っている人を人は受け入れる傾向があります。他人よりも知り合い、知り合いよりも友人、友人よりも親友、親友よりも親族というように、より関係が密であればあるほど人は相手を受け入れやすい。

転職時には、職歴や資格などの要素も評価されるでしょうが、人となりを事前に知っているかどうかで評価は変わるはずです。仕事上で知り合った人をツテに仕事を得ることもあります。

職業上の能力を高めるのも大事ですが、いざという時のコネを普段から作っておくのも大事です。コネというと、ズルイ、卑怯、不公平、汚い手段と考えている人もいるかもしれませんが、私たちはコネ無しで人と接触することはあまりないはず。他人同士でいきなり合うというのは比較的少なくて、知り合いの友人とか友人の友人とか後輩の弟とか母親の姉とか、コネを繋げて繋げて人と接触していることが多いはず。


経歴や資格などで就職する人とコネで就職する人を別の言い方で言えば、履歴書を書いて就職する人と履歴書不要で就職する人の違いでしょうか。もしかして、履歴書を書いている時点で既に不利なのではないかと思うこともよくあります。事前に自分自身を他の人に知ってもらっていれば、すでに自分自身の情報は知られているので、自分を知らせる書類が不要になりますよね。

実力をつけることは確かに大事だが、人と人のコネクションも同じぐらい大事というのはココなんですね。コネを軽視する人はちょっと惜しいことをしているのではないでしょうか。


「履歴書が要らない人」になることを目標にしてみるのもいいかもしれませんね。

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労務管理の問題を解決するコラム

【仕事のQ and A】

決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。

  • Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
  • Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
  • Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
  • Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
  • Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
  • Q:残業しないほど、残業代が増える?
  • Q:喫煙時間は休憩なの?
  • Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?

このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

 

仕事のハテナ 17のギモン

【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】

毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。

残業管理のアメと罠

 

残業管理のアメと罠

【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。

どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡 Kindle版

 

合格率0.07%を通り抜けた大学生。

【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】


高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

 

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。

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