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遅刻の基準は1つではない

遅刻
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■遅刻の基準は1つではない。
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■言い訳があれば、遅刻にならないか?

仕事をしていると、ときには時刻に遅れることがあります。

10時が始業時刻だったけれども、実際は10時7分になってしまったとか。ケータイを家に忘れ、それを取りに帰っていたので、その分だけ遅れてしまったとか。はたまた、寝坊したので遅刻したとか。

通常だと、時刻に遅れれば遅刻として扱われるのですが、一定の理由があると時刻に遅れても遅刻にならないこともあります。


現場では、どんな場合に遅刻と扱うかという点で違いがあるようです。

「たとえ決まった時刻に遅れても、正当な理由があるならば遅刻として扱わない」と判断するところがある一方で、「どんな理由でも遅れたことには違いないので、すべて遅刻として扱う」ところもある。

「この場合は遅刻。この場合は遅刻にならない」というルールが法的にあるわけではないので、どう判断するかが問題となります。








■客観的基準はない。

もし、単純に寝坊したという類いの理由ならば、判断に迷うことはありません。


しかし、何らかの正当らしい理由があると、判断に迷いが生じるでしょう。

例えば、よくあるのは電車が遅れたという理由。普段は、キッチリとダイヤに沿って正確に運行するのが電車ですが、思いのほか遅延というのは起きやすくて、特に朝のラッシュ時には起こりやすい。東京周辺で電車に乗って移動している人だと、電車の遅延を経験したことがある人は多いはず。私も大学時代はずっとは京王線を利用していたので、遅延も結構経験した。遅延証明書を貰ったことはないけれども、ダイヤの乱れとか、人身事故とか、踏切の故障とか、まあ色々と起こるんです。

余談ですが、東京は意外と踏切が多いんですね。大阪で踏切を見ることはあまりないのですが、東京では結構まだ踏切が残っています。大阪も20年くらい前だと、踏切があちらこちらにあったのですが、鉄道会社が徐々に高架化を進めて、踏切が無くなっていきました。踏切が開くまでの待ち時間がなくなるので、踏み切りは無い方が私の好みです。人身事故も起こりにくくなりますから、利点の方が多い。

話を戻すと、遅延証明書を発行してもらって、それを会社に持っていけば、時刻には遅れたものの、遅刻にはしないというところもありますよね。本人の責任ではないので遅刻にはしないというわけです。

しかし、遅延証明書があっても遅刻になる可能性はあります。普段から電車を利用していれば、遅延することも有り得るので、その点も想定して行動するべきと考え、たとえ遅延証明書があっても遅刻にするというわけです。

ただ、「本人ではどうしようもないことだし、キチンと遅延証明書まで持ってきているのに遅刻にするのはいかがなものか」と思う人もいるでしょうね。

確かに、電車の遅延は本人の責任ではないし、遅延を証明する紙まで持ってきているのだから、遅刻にしないのが当然だろうと思えます。

しかし、どんなときに遅刻とするかの基準は無いし、あったとしても企業ごとに基準は違うはずです。

電車が遅れたというような不可抗力ならば遅刻にしないというのもアリですし、どんな理由でも、指定時刻に到着しなければ遅刻というのもアリです。


もし、遅刻にしない例外を設けるとなると、基準を設けるのが厄介です。

この場合は遅刻だけども、この場合はセーフというラインを設定するのが思いのほか難しいこともあります。

例えば、電車以外の手段で移動している人が遅れた場合はどうするのか。自家用車で通勤している人がいて、通勤経路上で事故を起こしている車があって、道路が渋滞していたために、始業時刻に間に合わなかったらどうか。自家用車の場合、電車とは違って、遅延を証明する書類はありませんよね。となると、正当な理由で遅刻したことを証明できないわけです。けれども、本人の理由で遅刻したわけではないので、社員さんは遅刻にはして欲しくないはずですよね。とはいっても、会社としても遅刻だと判断するモノが無いので困っちゃうわけです。

他にも、自転車通勤でも考えるポイントがあります。さあ行こうと思って、自転車に股がると、タイヤがパンクしている。「あぁ、なんてこったい、、」と思って、仕方なく電車で通勤し、遅刻してしまったとしたらどうか。自転車がパンクしたのは本人の責任であると思えるし、本人の責任ではないとも思える。さらには、自転車の代わりに電車で通勤しているので、電車代はどうなるのかという点もありますよね。







■どんな理由でも遅刻になることもある。

「どんな場合に遅刻になって、どんな場合は遅刻にしない」という基準を設けるのは合理的であると思えるものの、運用に困ったりするかもしれません。


なにはともあれ、「時間に遅れれば遅刻」と判断する方が分かりやすいのではないかと思います。

キチンとした事情がある人や不可抗力で遅刻した人を遅刻にするのは酷だと考える人もいるのは分かります。確かに、時間に遅れたものの遅刻にするのはためらわれる場面もあるでしょう。


ただ、判断するには基準を設けなければいけないでしょう。しかし、その基準を設けるのがまず第一関門ですし、さらに、設けた基準に事例を当てはめるのが第二関門です。

遅刻とそうではない場合を分けると、「どうしてこの場合は遅刻で、この場合は遅刻ではないのか」という突っ込まれる場面が出てくるもの。電車で遅れた人は遅刻にならないのに、車や自転車で通勤した人は遅刻になったりすることも有り得るわけです。この差をどうやって説明したら良いのか。


本人がそれらしい理由を言えば遅刻にしないならばいいかもしれませんが、遅刻にする場合としない場合を分けれている会社では判断を分けなければいけないので面倒です。分けるには基準が必要ですからね。


「どんな理由でも遅刻にしない」か「どんな理由でも遅刻にする」かのどちらかが最もシンプルで運用しやすいのではないかと私は考えます。

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労務管理の問題を解決するコラム

職場の労務管理に関する興味深いニュース

【仕事のQ and A】

決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。

  • Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
  • Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
  • Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
  • Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
  • Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
  • Q:残業しないほど、残業代が増える?
  • Q:喫煙時間は休憩なの?
  • Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?

このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

 

仕事のハテナ 17のギモン

【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】

毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。

残業管理のアメと罠

 

残業管理のアメと罠

【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。

どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡 Kindle版

 

合格率0.07%を通り抜けた大学生。

【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】


高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

 

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。

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