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休日振替ではなく代休のみにしたらどうか

一本化


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■休日振替ではなく代休のみにしたらどうか◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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代休だけで休日勤務に対処する。
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いつまで続くのか「振替休日と代休の違いは何ですか?」という質問

振替休日と代休の違いはいつも微妙で、昔も今も振替休日と代休に関するトラブルがあります。

「代休になると思っていたのに、実際は振替休日として処理されていた」

「休日に仕事をして、後から休みがあったけれど、これは振替休日なの?それとも代休なの?」

他にも、「振替休日だと思っていたけど、代休として扱われていた」ということもあるかもしれませんね。


振替休日と代休の違いは、もうウンザリするほどあちこちらで説明されていますが、それでもキチンと両者を分けて取り扱えていない場面もあるようです。

振替休日は、「"事前に"、勤務日と法定休日を交換する予定を立てて」振り替えを実行します。一方、代休は、「"事後に"、勤務日と法定休日を交換し、その交換の予定を立てずに」振り替えを実行します。

ちなみに、振替休日や代休で取り扱う休日は法定休日であって、法定外の休日ではありません。週1日の法定休日を移動させるときに、振替休日や代休の処理が問題となります。ゆえに、週1日の休日が確保されているならば、振替休日や代休の取り扱いが問題になることはないのですね。ただ、会社によっては、法定外の休日であっても、それを実質的に法定休日と同じように扱っているならば、振替休日や代休の処理が発生するかもしれません。


事前に計画を立てて振り替えたのか、それとも、予定を立てることなく事後に振り替えたのかという点が振替休日と代休の違いです。もっと簡略して言うと、「事前か事後か」という違いでしかありません(もちろん、休日勤務手当の有無という違いは別途で存在します)。


違いが小さいために、両者の境目が曖昧になり、そこからトラブルが発生するのですね。







振替休日と代休は似て非なるものだからトラブルになる

最もよくあるのは、「代休なのに振替休日になってしまっている」という場面です。

ちなみに、振替休日として処理すると、法定休日に勤務したと扱われないので、休日勤務の手当が不要です。一方、代休として処理すると、法定休日に勤務したと扱われるので、休日勤務の手当が必要です。

そのため、企業は、休日の振り替えを、なるべく「振替休日」として処理しようとしますし、社員はなるべく「代休」として処理してもらおうとします。


「代休なのに振替休日になってしまっている」という場面では、事前に計画したか、それとも、事後に休日を用意したかという違いをハッキリさせるのは容易ではありません。


まず、何の知らせもなく休日に仕事をしてもらうことはおそらく無いはずです。


例えば、

高田:「あぁ、坂本さん。あなたは明日休みだけど、出勤してもらえる?」

坂本:「あぁ、まあ、いいですけど」

※高田、坂本という人物は仮想の人物です。

こんな感じの会話がなされて、翌日の休日に出勤するはずですよね。


ならば、事前に振り替えの予告はなされているのではないかとも思えます。しかし、明日の休日に仕事をすることは確定したものの、代わりの休日がいつになるかは決めていませんよね。ここでの争点は、休日に出勤する予定は決めたけれども、代わりの休日の予定は決めていないので、はたして「予定を決めたと判断するのか」、それとも、「いや、振り替えの予定は決めていないと判断するのか」という2つの立場に分かれます。

「出勤日と代わりの休日の2つをセットで決めたら、事前に振り替えをしている」と判断するのか、それとも、「出勤日だけ特定していれば、事前に振り替えがなされている」と判断するのかという違いですね。

振り替えという言葉の意味を考えると、「あるものを他のものの代わりとして使う」と辞書では定義されているので、「出勤日と代わりの休日の2つをセットで決めたら、事前に振り替えをしている」と判断するのが妥当ですね。

もし、休日勤務することになったら、きちんと代わりの休日の予定も決めてください。でないと「振り替え」ではありませんからね。片方だけを決めるだけではダメです。振り替えは「2つのものを入れ替える」という意味ですから、片方だけでは不足です。

もし、社員さんの立場ならば、「振り替え後の休日はいつですか?」とキチンと上司に確認してください。休日の予定を確定するのがキモですね。






休日勤務をするときは「代休」だけで対応すればどうか

しかし、代休と判断するところを振替休日だと主張することも無理なことではないのです。

「振替休日だって、代休だって、やっていることは同じでしょう? なのに何で扱いを変えているの?」と思う人もいるでしょう。

「事前に予定を立てても、予定を立てずに事後的に処理しても、効果はどちらも同じだろう」と思うのでしょうね。

確かに、そうですね。その通りです。


おそらく、不規則に休日勤務させると、労働者の休日の予定が狂うので、予定が狂ったことに対する代償として代休制度があるのではないかと私は考えています。

とはいえ、「予定が変わっても、休みは休みでしょう?」と思う人もいるでしょうね。

確かに、確かに。私もそう思います。


「休日のスケジュールを変更することを事前に決めたかどうか」という違いでしかないのに、法律上の扱いが変わってしまうのは納得できないのは真っ当な気持ちでしょう。



今回の問題への対処法は2つあります。


1つは、休日を勤務日にするときの手順を決めておく方法です。2つ目は、振替休日をなくして、代休だけで対処する方法です。


1つ目の方法では、休日を勤務日に振り替える手続きを事前に就業規則などに決めておき、そのルールに沿って運用します。

例えば、「休日を振り替えるときは、当該休日の3日前までに、対象者に振り替えの旨を告知し、休日勤務日と振り替えられた休日の予定を決めます」という類いのルールがあると良いかもしれません。この手順を踏まえないと休日を振り替えられないようにするのですね。

「休日勤務日の予定」と「代わりの休日の予定」の2つがキチンと決められるならば、振替休日制度もトラブルなく機能します。



2つ目の方法は、振替休日という概念自体を無くして、メニューを代休のみに絞る方法です。

休日と勤務日を切り換えたら、全て代休として扱い、手当もキチンと用意するようにします。これならば、振替休日か代休かと悩むことはないし、トラブルも起こらないようになるでしょう。

ただ、方法は振替休日自体を法的に無くしてしまうことを想定していますから、企業ごとに実施することはできないでしょう。

一方、1つ目の方法ならば、企業が自主的に実行できる方法であろうと思います。

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労務管理の問題を解決するコラム

職場の労務管理に関する興味深いニュース

【仕事のQ and A】

決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。

  • Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
  • Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
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  • Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
  • Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
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このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

 

仕事のハテナ 17のギモン

【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】

毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。

残業管理のアメと罠

 

残業管理のアメと罠

【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。

どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡 Kindle版

 

合格率0.07%を通り抜けた大学生。

【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】


高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

 

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。

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┃それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
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