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周知していない就業規則は有効?

知らないルール



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■周知していない就業規則◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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知らされているからこそ使える。
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■あるけど見せていない就業規則。

就業規則を作成したり変更したときは、何らかの手段を用いて社員さんへ告知しなければいけません。また、人材を採用したときは、採用時に就業規則の本文(全文でなくてもよく、要約された就業規則でも良い)を配布するのが通例です。

告知の方法は多種多様ですが、就業規則の本文を印刷したものを配布したり、社内の掲示板に貼ったりすることもあるでしょう。ファイルに綴じて棚に置いておくという方法もあります。また、就業規則を変更したときは、変更された箇所のみを告知します。変更前と変更後を左右に分けて記載する方法が主流のようです。他にも、メーリングリストで配布したり、社内のイントラネットにPDFをアップするのも便利なようです。

上記のように就業規則を周知する方法はたくさんあるのですが、会社によっては就業規則があるものの、それを社員さんへ周知していないところもあるのですね。就業規則を作らなければダメという雰囲気でやむなく作り、作った就業規則をそのままどこかに保管して利用していない会社もあるでしょう。「作っていれば足りるのだろう」と思ってしまっているのかもしれません。

ところが、何らかの労務トラブルが起こると、会社側が「会社の就業規則に書かれている」と突如として就業規則を使ったりすることもあるわけです。社員としては、会社の就業規則を見たことないし、読んだこともないが、それでも就業規則を適用されるのだろうかと思うでしょうね。就業規則が会社のルールという点は分かっていても、見ることができない、読むこともできない就業規則を適用されるのは何だかヘンだねぇ、、と思うわけです。







■周知していないと適用を拒まれる。

確かに、見れないし読めない就業規則に基づいて何かを言われても、こちら(社員側)としてはどうしようもないではないかと思うのは真っ当です。

周知されているルールならば、「あぁ、この場合はこうなるんだな」と想定できるし、対処もできます。何時から何時までが勤務時間なのかとか、何曜日が法定休日なのかとか、休暇にはどのようなメニューがあるのかとか、給与の締め日が何日で、何日に支払いなのか、などなど。就業規則を読めば左記のような内容がつらつらと書かれているはずです。要するに、「会社の使い方を書いたものが就業規則」であるとも言えますよね。「会社の取扱説明書」と表現することもできると思います。


他の例えを挙げると、就業規則は飲食店のおしながきに似ているのではないかと思います。

品書きには、注文できるメニューが列記されていますよね。「ミソラーメン790円」、「半チャンセット850円」、「餃子290円」というように、品物と価格がセットになって品書きに記載されているはずです。何がいくらなのかが分かるように書かれているのですね。そのため、お客さんは何を食べるかを決めることができるし、予算を考えながら食事をすることもできるのです。

しかし、もし飲食店に品書きがなかったらどうなるか。どのようなメニューがあるのかが分かりませんし、メニューがあるとしてもいくらなのかが分かりません。その店が何屋さんなのかは、おそらく店構えを見れば分かるかもしれませんが、店構えだけでメニューまではハッキリと分かりません。まあ、もしラーメン屋の店構えならば、おそらくミソラーメンはありそうですし、炒飯もありそうです。チャーシューメンもあるかもしれません。ですが、飲食店に入って、メニューを推測しなければいけないとなると、これは厄介です。メニューにあるかもしれないし、ないかもしれないと思いながら思い切って注文してみなければいけない。もしメニューにあったとしても価格が分からないので、いちいち質問して問い合わせないといけない。なんともめんどくさい飲食店ですよね。

「注文の多い料理店」も困りますが、「注文がめんどくさい料理店」も困ります。

お品書きが無ければお客さんは料理を注文しにくいのですね。

この点は就業規則も同様で、「この会社ではどんな労務管理のメニューがあるのかな?」と想像しながら仕事に取り組むのは面倒でしょう。事前にメニューが配布されていれば、「あぁ、こんなメニューがあるのか」と想定できるので、ありがたいでしょう。


しかし、就業規則を作っているけれども、一度も社員に見せたことがないとか、採用した段階で書面で就業規則を渡していないとか、いつでも読めるようにファイルで常備していないとなると、キチンと就業規則を周知させていないので、就業規則の適用を拒まれることもあります。また、周知されていない就業規則を適用されることを社員さんは拒否することもできます。

せっかく就業規則を作っても、周知していないために、就業規則は存在しないものとして扱われてしまっては残念ですよね。







■使うならば周知しないとダメ。

法律は、国会で成立すると、官報に掲載され、施行日に施行されます。国会で成立した後に、官報に掲載せずに施行することはなく、キチンと官報に掲載してから法律は運用されるのですね。

国会で成立する法律ですら官報に掲載して公布するのに、就業規則は周知しなくてもよいというのは妙です。就業規則は一企業内のものだから、法律と同じように扱う必要はないとも考えることはできるでしょうが、知らされていないルールを適用することはできないという点では同じです。

法律も就業規則も、知らされているからこそ適用できるのですからね。

就業規則があるならば、周知する作業を省かずに、全体に知れ渡るように工夫する必要があります。作ったのに使えないでは困りますから。

 

 

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労務管理の問題を解決するコラム

職場の労務管理に関する興味深いニュース

【仕事のQ and A】

決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。

  • Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
  • Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
  • Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
  • Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
  • Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
  • Q:残業しないほど、残業代が増える?
  • Q:喫煙時間は休憩なの?
  • Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?

このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

 

仕事のハテナ 17のギモン

【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】

毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。

残業管理のアメと罠

 

残業管理のアメと罠

【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。

どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡 Kindle版

 

合格率0.07%を通り抜けた大学生。

【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】


高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

 

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。

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